鉄ジャも堕ちたなぁ

鉄道ジャーナル執筆の東洋経済オンライン記事をYahoo!で読んだ。
地理的な誤りが多くて愕然。

鉄道マニアとは、細部まで正確・確実な人々だと私は思ってきた。
仕事で付き合うと、鉄っちゃんは万事に正確なので、物言いや社交性をちょっと補ってやるだけで安心して協同作業が出来る。鉄道をたしなむ人は仕事相手として信頼できる。

どこがヤッてんのか正体不明のネット媒体ではなく「鉄道ジャーナル」と明記された上で、あの記事はいただけない。

京阪の有料座席指定車の乗車記。
中書島を「そこまで京都市」とあるが、実際には次の淀駅までである。
特急停車駅だけで記述してるのかと前後を確認したが、通過駅を含めて記述していた。よって大きな間違い。
細かいことを、と思われるかもしれないが、鉄オタ的に意味のある場所だ。
淀駅を出て、京阪淀車庫を過ぎた京都・八幡市境こそ、京阪線で最も使われる撮影スポットである。障害物のない広大な田んぼがあって編成全体を収められる。そこを間違うのだから「えっ?」となる。

さらに2川を渡って「大阪府に入る」とある。だが対岸の石清水八幡宮と橋本の2駅もまだ京都府である。京都・大阪の府境は、橋本駅を出て最近、立体交差になった陸橋付近だ。スーパーマツモトから大阪府になる。
府境も、少し前までは「727化粧品の看板」が立つような大きな田んぼがあって、撮影スポットだった。

京阪本線屈指の撮影スポットで鉄道雑誌が間違うのか?

あと、七条ー丹波橋間の車窓風景を「京町屋」と呼ぶのも間違い。解説は割愛。

さらに「八幡市駅」で「鋼索線」とあるが。
これは近年に改名されて。
石清水八幡宮駅、ケーブル八幡宮口駅、ケーブル八幡宮山上駅になり、通称も「参道ケーブル」になった。
鉄道マニアは、こういう正式名称に、こだわりがあり、絶対に間違わないものだ。

旅行案内の軽いコタツ記事なら「資料が古かったのだろう」で済む。
だが、試乗記の車窓風景で現地の地理を間違っているのは致命的だ。

可能性として考えられるのは、鉄道ジャーナルの古い試乗記に、東洋経済が阪急との競合といった企業的側面を加筆した成り立ちだが。筆者署名が鉄道ジャーナルになっていた。

さらに驚いたことに。
私が覗いた時点でヤフコメ46本。
「石清水八幡宮に改名済だが八幡市になってる」駅名誤記に言及した人がゼロだった件。鉄っちゃんは、こういう場合、鬼の首とったようなお祭りをやるもんだと思ってたが。

ネット以降、安倍時代以降、趣味が劣化し「いかに自分は公式に近いか」を競うようになった。
企業や団体を擁護する信者ぶりをアピールするんだな。宝塚のオバハンみたいに。
その物に対する愛情は要らない、右翼は歴代天皇を言えないし、トヨタは車より社長を宣伝する。「企業に近い」が大事なのだ。

鉄道趣味は膨大な知識を必要とするので、趣味劣化の波が来るのが遅い、と思っていたのだが、鉄道ジャーナルが木津川鉄橋の近辺を間違えてるようじゃ、これはエライことになっている。

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