見出し画像

as8. 勉強会ドリブンとインターネットカルチャー (ゲスト: @takasek)

※この記事は2019/09/01収録の「勉強会ドリブンとインターネットカルチャー」の文字書き起こしです。一部、編集を入れています。

アウトライナーへのこだわり(00:00〜)

treby:じゃあtakasekさんなんですけども。事前に聞いたお話によると、ドキュメントサービスにこだわりがあるそうですが、どういったこだわりなんでしょうか?

takasek:アウトライナーってご存知ですか?もしくはアウトラインプロセッサーとか呼ばれてるものなんですけれど。それを昔からよく使ってまして、そういうところにこだわりはあります。

treby:自分でお話を作るときとか、使ったことあるんですか?

takasek:はい。そのときにもよく使っています。勉強会駆動勉強やってるって言いましたけれど、資料を作るときにもいきなり作り始めるんじゃなくて、まずアウトライナーで構成を作ってからそれを落とし込んでくっていう感じでやっています。

banjun:勉強会の資料を作るときの構成に。

takasek:はい。

banjun:アウトライナーって具体的にはどういうあれなの?

takasek:具体的な箇条書きですね。箇条書きなんですけれど、すごいのが箇条書きをして箇条書きが無限に深まっていくし。

例えば3番目の要素を1番目のところにグイッとドラッグすると、子ごと、ツリーごと移動するみたいな。そういうので構成がすごくつけ替えやすいんですよ。

それの何がいいかというと、最初はブレインストーミングみたいに関連するキーワードとかをドバーッと出して、そのときには特に分類とかは考えないけれど、その分類をあとからまとめていくみたいな使い方ができるんですね。

banjun:最初はフラットに並んでいて、順番とその深さをあとからまとめていく。

takasek:そうです。よくドキュメントを書くときに、うまく段組をしようっていうふうにいわれると思うんですね。だけどそれで最初に章とかをきれいに決めとおいて、そこに合わせて書いていこうってすると、最初に決めた分類が間違っていたことがよくあるんですね。

なので、最初にそういうのをしっかり決めて書いてしまうと、その最初の構造に引きずられてしまう。だけど書いてるうちに気付くことっていうのが結構たくさんあるはずで。

そうすると書いてる途中にそういうのは柔軟に変更できる、あるいは組み替えたりとか分割したり、もしくはまとめたり、削るとかもうちょっと膨らまして別の話にしようとか、あるいは分散してたこれって実はもう一つの項目の子分類なんじゃないかとか、そういったことを考えていくことが必要になってくる。

そうすると普通のテキストエディタでやっているとそういう付け替えの作業がしづらいので、そういうサポートできるエディタが必要になるわけです。そのためのツールがアウトライナーです。

banjun:結構GUI的な操作をしていくっていうこと?

takasek:そうです。完全にGUIです。GUIとしてはすごく顕著なのがツリーがたくさんあるわけですけれど、そのツリーの下になっている項目を折りたたむことができるんですよ。

そうすると見出しだけ並んでいる状態で、この見出しと次の見出しが粒度が合っている、ちゃんと兄弟要素になっているかとか、そういった確認もしやすくなります。

treby:その階層とかも入れ替えたりとか、親から子にやったり、逆に子から親に持っていったりとかもできるんですよね。

takasek:はい。なので、もしそこでその兄弟要素の粒度が合っていなかったら、大きすぎるものについて細かい粒度の項目をもう1回作り直して、その下にツリーとして生えてるやつをグッと移動するみたいなことができます。

treby:ちなみにおすすめのアウトライナーってあります?

takasek:はい。WorkFlowy(ワークフローイー)っていうのを結構前までよく使っていました。

treby:WorkFlowy?

takasek:はい。「workflow」に「y」。これのいいところはウェブサービスなので一つのプラットフォームに縛られないっていうところですね。

treby:それいいですね。

takasek:モバイルの中で何か気付いたことがあったら、とりあえず書いておいて送る。それをパソコンのところからもう1回編集し直すみたいな、そういう使い方ができます。

昔MacよりWindowsのほうが先に使ってたんですけれど、その頃のドキュメントとかも今もMacのほうで丸っとそのまま使えてます。

treby:最近まで使ってたっていうことは今は違うものを使ってるんですか?

takasek:はい。WorkFlowyのすごくいいところとしてサードパーティというか、WorkFlowyがウェブサービスなんで、JavaScriptで結構いじれるんですよ、なので、いじってカスタマイズできるようなそういうサードパーティーのエディタを作った人とかがいたんですね。

そのプラグインとかも僕ちょっと作って、俺の考えた最強のアウトライナーを作って喜んだりしてたんですけれど、DOM構造が1年ぐらい前かな、変わってしまって、それが軒並み使えなくなってしまったんですよ。

そうするとちょっとテンション下がってしまって、あと日本語入力もやっぱりちょっと難があって、変な不可視文字が普通に入力しただけで入ってしまったりとか、そういうバグがなかなか直らないのと、操作性もちょっと気になるところがあって。

さっき言ったように箇条書きなので、文章が1行、2行、3行って並んでるように見えても、例えばその1行目の10文字目のところで「↓キー」押したときに、普通のテキストエディタだったら2行目の10文字目に移動するじゃないですか。

だけどWorkFlowyでやろうとするとそれが2行目の1文字目に移動しちゃって、カーソルの位置がちょっと直観と違うところが気になっていたんですね。

そういう微妙な不満とかDOM構造が変わってしまった悲しみとかを抱えていたときに、新しいサービスとしてdynalist、「d」「y」「n」「a」「l」「i」「s」「t」dynalistっていうのが新しく出てきまして。こいつ後発なので結構洗練されてる部分あるんですよ。

treby:今度はアプリですか?これは。

takasek:これもウェブサービスです。アプリもあるんですけれど、それが何かいいかと言うと、WorkFlowyの哲学として全てが箇条書きであるっていうのがあって、本当に一番上にトップのルートのノードがあって、そのノードのところに箇条書きが連なっていく。

全体的には一つのただのツリーであるっていう、そういう構造があったんですね。それはすごくシンプルで美しいし、ほれるんですけれど、とはいえやっぱりツリーって複数作りたいことはあるわけですよ。

絶対にこれは交わらないなっていうようなものがあった場合に、そういったときにちゃんとそこは切り分けたいっていうふうに思ったときに、dynalistっていうのが出てきて。

ルートが全部同じになるんじゃなくって、「一つの親としてページがそれぞれ分かれています。その分かれたページの中にツリーが生えている」っていう、そういう構造になってるのがあるんですね。これはこれで使いやすいじゃんって思ったんです。

あとdynalistはカスタマイズ性とかはあんまりないんですけれど、後発だからか結構細かいところが行き届いていて、さっき言った上下キーでカーソルを保ってくれるのがdynalistのほうは保ってくれるんです。とか細かいところの気持ちよさがdynalistのほうが上回ったので、そっちを最近はメインに使っています。

treby:そういうサービスがあること自体知らなかったです。

banjun:知らなかったです。

勉強会の登壇資料作成事情

treby:banjunさんいつもスライドを作るとき何使ってますか?

banjun:何を使っているか。難しいですね。確かに僕もいきなりKeynoteでは作らないかな。なんかもう見えてるときは作ったりしますけど、大体iOSというか、MacOSのメモ、アルファベットだとnotesかな。iCloudのサービスの一部ですね。あそこでなんか適当にメモを書いて、そこからスライドに起こすかなっていう気がします。

takasek:一つのnotesが一つの発表ですか?

banjun:そうですね。だから多分やりたいことはそのアウトラインみたいなことかもしれないですけど、構造的に工夫はされていなくて、普通にベタにテキストエディタとして使っているっていうような感じですね。そこからKeynoteに起こしていく。

treby:私もテキストベースはテキストベースですと。最近やったのはiPadProですね。Apple Pencilと一緒にやって。手で書くっていうところをイメージしてやると完成形のイメージがつきやすくていいなっていうことがあって。

banjun:やってましたね、なんかで。

treby:実際4月に発表したエンジニアリングマネージャーMeetupで発表したやつとか、そういうのやりましたね。

takasek:最初から完成形を作ろうとすると、結構作り込んだんだけれどやっぱここの部分いらねえなとか、別の説明の流れのほうがいいなって思ったりしません?

banjun:あるなあ。最近やったのだと普通に絵を描いたかもしれない。確かにそう言われてみると。一番最近のはね。

takasek:絵を描くっていうのはどういうレベルの絵ですか?

banjun:何と言うんだろうな。

treby:アウトラインちゃアウトラインなのかもしれん。

banjun:いや、これはアウトラインとは呼ばないですかね。全くラジオに向かないコンテンツなんですけれども、私が6月ぐらいにAltConfで10分のLTをしたときに、話したいネタとなるワードをとりあえずそのiPadでProcreate、お絵描きするアプリなんですけど使い慣れてるのでこいつで上げて。

takasek:今iPadを見せてもらっていますね。

banjun:それらに関連があるのか、要するに次につながるのかっていうことを書き出していって。

書き出したといって、あとスライドは一本道になるのでどういうふうにたどっていくかなとか、あるいは何かを落とすのか落とさないのかみたいな、こっちの分岐に行ったらこっちの話は諦めるかなみたいな、そういうのを書きましたけど。

これは書き出しただけで頭の中の整理をするために書き出しただけで、そのあと再構成をする向きではないですね、なんせ1枚の絵なので、ホワイトボードでやってるのと一緒なんで、そのあと並び替えたりとかいうのには全然向かないよね。

takasek:最初の書き捨てみたいな感じですね。

treby:そうですね。マインドマップっぽい。

takasek:そう。マインドマップに近いなって思いました。あとフローチャートっぽい。

banjun:そうですね。フローチャートっぽいですね。

takasek:フローチャートのちゃんとフローがあるわけじゃなくて分岐もするっていう感じですね。

banjun:そうですね。

treby:基本はテキストデータでいいんですけど、困るのが与太話というか、これどこにも入れることがないなみたいなあったときにどこに書くかっていう話。手動かすと頭の中が整理されるっていうのはありますよね。

takasek:そうですね。

treby:あえてだから、テキストでいいじゃんっていうところも手で書いてみたりとかはしてます。

takasek:それは文字をちゃんと手で書くっていう話ですね。キーボードじゃなくて。ノートで書くと、テキストだとどうしても文字列って一次元のものなので見た目的に二次元でも。だけどノートに書いた場合、二次元の流れを使えるからそういう意味で思考が変わりますね。

treby:そうなんですよ。

勉強会駆動勉強(11:23〜)

treby:あとtakasekさんで言うと、勉強会。本編のほうでもありましたけども勉強会主体の、何だろう。

takasek:勉強会駆動勉強。

treby:趣味って言ってるのすごいなって思うんですけど。

takasek:なんかもったいなくないですか。自分が調べたことをちゃんとまとめないのって。

なんかまとめないと自分の中でふわっとして終わっちゃうし、結局まとめるんだったら発表もしたいってなるんですよね。その発表するとフィードバックを受けられる。

なんかやっぱり僕文系出身だし、なんか解釈したときに基礎がないからうっかり完全に間違いをしているってこともあるなって思って。そういったときにこの理解でいいのかなっていうことがある。

そういうのをちゃんとフィードバック受けられるのが勉強会のすごいいいところだと思うんですね。

treby:サイクルができてやれてるのがすごいなって普通に思うんですけど。

takasek:それは最近発表の量も減ってきてるから、そこはあれなんですけれど。でも勉強会が枠が空いてたら、よし入れるかみたいな感じでやったりしますね。

treby:勉強会参加するなら発表で、あえて?

takasek:はい、枠ができていたらそこに合わせてネタを考える。ネタ自体は調べたいなって思うことはWorkFlowyなりなんなりでメモしておく。その残っているやつをあとから見て、これ深掘りできるんじゃねみたいな感じで拾って渡すっていう感じでやってますね。

treby:登壇が趣味。……banjunさん登壇が趣味ですか?

banjun:いや、全然趣味ではないですけど。

takasek:え、そうなんですか?

treby:割と登壇してるイメージある。

takasek:イメージありますね。

banjun:どうですかね、そんなでもないですね。平均値とかってないと思いますけど、登壇してるほうかっていうと、

takasek:してるほうですよ。

banjun:してるほうなんですか?分かんないです。割と普通ぐらいかなと思いつつ。

treby:最近気付いたのは、大きなカンファレンスと呼ばれるところの登壇じゃなくても、発表しましたっていうのを実際発表してスライドを公開して、ブログ記事を書くだけでも登壇してますねって言われることがあったので。

登壇してるっていうイメージをつけたいんだったら発信するといいのかもしれないですね。

banjun:それはそうですね。どんな勉強会であったとしても登壇は実績にはなるし、実績というだけじゃなくて普通に自分のためになると思います。

takasek:実績っていう意味ではあとから振り返ると、カンファレンスの意志発表とちっちゃい勉強会での意志発表も同じ意志発表だから量としては変わらないでしょね。

banjun:そうですね。

treby:気合の入り方がちょっと違ったりしますけどね、それは。

banjun:そうそう。

treby:聴衆が多いっていうのはある。しっかり作んなきゃってなって、アウトライン作ったりとか。

banjun:でもそうね。大きなカンファレンスだけにいい発表があるわけではないとも、そうですね。

takasek:そこはむしろ大きなカンファレンスだと、来てる人のレベルがいろいろあるだろうし、興味もいろいろあるから、じゃあそこの全体に合わせた発表にしなきゃいけないってなるので。

ちっちゃいところだともっとマニアックな話ができるとか、そういう特性の違いは大きさ小ささだけじゃないですね。

banjun:それはそうですね。

treby:アウトプットですもんね。していくと何かとになる。あとになるっていうところで言うと、自分自身腹落ちするまでやるっていうことが大事で、そのきっかけとしての勉強会の登壇っていうのはすごくいいなって思いますね。

takasek:あと勉強会で思うのが、勉強会で発表したものってスライドは成果物として当然できるじゃないですか。そうするとそれを上げる先ってSpeakerDeckとか、あるいはSlideShareとかになると思うんですね。

そこで問題としてSpeakerDeckが大体メインだと思うんですけれど。SpeakerDeckってあれ文字の検索性がすごい悪いなっていうのがすごい気になるところなんですよね。あれ完全に画像として表示してるだけなので、中のテキストを検索できない。

banjun:しかもリンクも踏めないから、リンクにしてるんだけどなあ、みたいなのはありますよね。

takasek:そうするとそれに対応した記事とかを改めて書いて投稿したほうがいいのかなって思ったりもするし、たまにやってたりもするんだけれど、発表終わるとそこで気が抜けちゃってMarkdownをちょっと成形して投稿すればいいんだけなんだけれど、なんだかんだで放置しちゃうとかあったりしますね。

banjun:ありますね。ソースっていうか、Keynoteになってたらもはやソースではないような気もするし。

takasek:Keynoteはそうですね。

banjun:どうしようもないという。

takasek:僕そこKeynoteのそういうところがちょっと嫌で全部Markdownで書いてるようにしてるんです。DecksetっていうMarkdownでスライドを作れるやつがありまして、それを使ってます。

banjun:Keynoteみたいなアプリを一切使わずにMarkdownのままレンダリングできるようにしてる。

takasek:そうです。そうすると細かいカスタマイズができないから図がたくさん出てきたりするとつらいんですけれど、大体のところはカバーできる。

treby:いい感じに作るのにはいいですよね。スライド作るためにいろいろ調整しなくても、Markdownがそのまま使えるっていうところはDecksetいいですよね。

takasek:Decksetのほかにもオープンソースの何でしたっけ?

banjun:何かあったね。

takasek:Marp。

treby:Marpか。服部さんが作ってるやつですね。

takasek:いろいろやれる選択肢はありますよね。

banjun:Keynoteは難しいですな。発表したnotesに原稿的なのを書いたりするんですけど、それを見返すのが結構大変だったりして。結局発表したnotesを取り出す機能とかもないんですね、機能。

takasek:エクスポートほしいですね。

banjun:そうそう。きわめてそれあればと思うんですけど、AppleScriptで元を取るんですよ。

ググるとやっぱりそういうことしたい人はいて、AppleScriptで各ページの発表したnotesを拾ってきて結合してクリップボードかなんかに取ってくるのかな、なんかそういうのとかあって。テキストエディタに貼る、よく分からんことをやってますけど。

takasek:Keynoteがいいなって思うことがあって、途中のページを破棄するとか非表示にするとか、そういうのは結構やりやすいじゃないですか。そういうするといきなりKeynoteで書き始めたとしてもアウトライナーの簡易版みたいな感じで使える。

書きながら固めていくっていう、そういう目的には結構Keynoteが合っているなって思うんですね。あとあれ面白いのが、スライドに対して子スライドみたいなのができるじゃないですか。あれなんか面白いですよね。

banjun:まさにそれこそが箇条書きの親子みたいな。あれはすごくいい。ぱっと見でこのセクションがどれだけ枚数あるのかとかが普通に見て分かるからいいね。

「報・連・相」が勝利を呼ぶ世界観の『ワールドトリガー』(18:14〜)

treby:takasekさん趣味とかはありますか?

takasek:漫画好きなんで。結構特にスマホから漫画すごく見やすいのでたくさん見てますね。『ジャンプ+』とか『マンガワン』とか。

treby:好きな漫画とかありますか?

takasek:結構エンジニア界隈で押しまくってるのが、『ワールドトリガー』っていう漫画です。

treby:それ聞いたことあるぞ。

takasek:お、まじですか。

treby:takasekさんのツイートから見たんですけど、何だっけ?武器があれだけ規格化されてて、いろいろ組み合わせてというか、何かをするために上長の承認が必要とか、これまんまエンジニアの世界じゃんみたいな感じのツイートを見かけて、それをきっかけに今出てる分は全部読みました。

takasek:おお、うれしいな。

banjun:どういうこと?(笑)

takasek:ワールドトリガーってジャンプ系列で連載されてるんですけど。『ジャンプ』って「努力・友情・勝利」じゃないですか。だけどワールドトリガーって何の三本柱かって言うと、「報告・連絡・相談」なんです。

banjun:マジ?(笑)

takasek:はい。「報・連・相」が勝利を呼ぶんですよ。

banjun:「報・連・相」が勝利を呼ぶの?

treby:まあ大体合ってる。

banjun:合ってるんだ。

takasek:どういうストーリーかって言うと、異世界から侵略者が来ます。侵略されないように戦って追い返さなきゃいけない。そういう防衛戦を描く戦いなんですけれど。

そのために防衛軍みたいな「ボーダー」っていう名前の組織があります。そのボーダーにいる人たちは仮想体を作るための「トリオン」っていう不思議な力が体内に宿っていて、そのトリオンを使って仮想体に変身するし、トリオンを使って武器を作るしみたいな感じで、そういうエネルギーがあるんですけれど。

それを持ってるのが結構若い子たちだけなので、結構少年兵が多いんですね。だけど少年兵戦わせるといろいろ面倒くさいじゃないですか。しかも死ぬとやばいじゃないですか。

なので、防衛戦やらせるんだけれど安全対策はたくさんやるんですよ。その本部にはメディア対策部とか、大人たちが子どもたちを守る、そういう仕組みは整っていて、仮想体を作って戦うんだけれど負けたら本体にダメージはいかずに安全な本部まで送還されるっていう。

そういう「ベイルアウト」っていう仕組みがあって、そのためにトリオンのエネルギーの半分ぐらい使ってるみたいな設定があったりするんですね。トリオンを使って戦うんだけれど、練度を高めるためのそれぞれの練習試合みたいなのも、それも仮想空間で行われます。

その中では安全にトリオンを使って戦えるし、ゲーム感覚で伸びていけるようにゲーミフィケーションされていて、そのためにランキング制みたいになっている「スプラトゥーン」みたいな感じなんですね。

そのスプラトゥーンみたいな感じでそれぞれがそれぞれの武器を使って戦うんだけれど、武器もちゃんと統一された規格があって、それぞれの同じような武器を使ってるんです。それぞれが同じ武器を使うけど、使い方とかはそれぞれ発見していくので、その使い方が微妙に違ってそれが個性になるっていう感じなんですね。

なんか少年漫画だと一点ものの武器を使うっていうのが多いけれど、そうじゃなくて統一規格を使ってみんなの練度を高めていく。「努力・友情・勝利」みたいなその場の力とかに頼らずに、ちゃんと積み重ねていって全体の力をあげていくみたいな、すごい組織的なんですよ。

banjun:本当?

treby:ペラペラと漫画の中の用語が出てくるあたりが何回読み直してるんだって感じがしますけどね。

takasek:いや、やばいんですよ(笑)「遅効性SF」っていうキャッチコピーがついてて。

最初に出てきた伏線が伏線というか、そのときはさらっと読み逃してたやつが10巻ぐらいあとから読み直すと全然違う意味を持ってたりとか、モブキャラが戦っているように見えるんだけれどあとから思い返すと、これってすごい戦いだったんじゃね?みたいなのがすごいたくさん出てくるんですね。

だからあとの展開を踏まえると最初のほうの見え方が全然違ってくるし、そのときに普通だと後付けの戦いとかだと、何であの強い人たちなのに最初こんなに弱かったの?みたいになると思うんですけれど、ワールドトリガーはそこが結構しっかりしてて。

強さのバランスがあとから振り返っても全然一貫してるんですよ。インフレしない。そういうのが緻密な設定に基づいているし、あとから読み返す、再読性に耐える感じになっている、そういう漫画です。

treby:じゃああれは読み直してこそ価値を発揮するものなんですね。

takasek:やばいですよ。

treby:まだ一周しかしてないから、もう一周読むと全然違うんですね。

takasek:はい。最初の「迅さん」と「太刀川さん」の戦いの辺りとかも、なるほどってなりますよ。

treby:最新話もあれ読むと大体どれぐらいの強さかがイメージついてますもんね。

takasek:はい。

treby:もう1回読むとそうなのか、読んでみよう。語っていただきました。

banjun:すごいね。

treby:ということでリスナーのエンジニアの皆さん、『ワールドトリガー』は絶対に見ましょうということで。一周だけじゃないですよ!

banjun:そんなにレベル?(笑)

treby:実際面白かったです。一気読みしちゃいましたね、私も。

インターネット老人会御用達『オンラインの羊たち』(23:47〜)

treby:あとbuildersconの懇親会で聞いた『オンラインの羊たち』も読みましたよ。

takasek:読みましたか?『オンラインの羊たち』これはインターネット老人会の話ですね。『オンラインの羊たち』ってどういう話かって言うと、1999年に片田舎の中学生の女の子がネットにのめり込んでいくっていう話なんですよ。

banjun:まじか、完全に世代だ。

takasek:いきなり最初にダイヤルアップの音から始まりますからね。

treby:これはもう実際に読んでみるのが一番早いと思って。読んで、これ読んで。

banjun:読んで、読んでっていきなりiPadきたけど。

takasek:またラジオに向かないやり方。

banjun:なるほどね、ダイヤルアップね。

treby:一番最初が擬音で、「パポン」「ピッピー」「ガガガガ」みたいな。

banjun:「ガガガガ」ってダイアルアップの音?

treby:ダイアルアップ、あれですね。

banjun:これ分かりやすく「ピーピョー」っていう。

treby:ピーヒョロロロー。

takasek:いや、最初はWindowsの起動音です。

banjun:ハードディスクのか。はいはい、分かった、分かった。

treby:「パポン」っていうじゃないですか、ボタン押したら。95とか。

banjun:パポンって?

treby:そうそう。

takasek:パポンっていうのはビープ音ね。ピーつって。

banjun:「ジャーン」でしょ?

treby:「ジャーン」の前。

takasek:「ジャーン」より前。

banjun:「ジャーン」より前とか、そういうことではないんだけど……。

takasek:この頃Windowsは、Windows OSじゃなくてDOSの上にあったので。

treby:そもそも電源を切るために電源を切る準備をしないといけないんですよ。そのあとに手動で電源を切るとかやってたじゃないですか。やってなかった?

banjun:そうなんですね。

treby:「電源を切る準備ができました」とかなんかやってなかったっけ?

banjun:なんか見たことある気がする。

takasek:当然カウンターとかあるし、キリ番とかもあるし。目次がね、目次がちゃんと、当時の。

banjun:拡張子がHTML(.html)ですけど。

treby:「M」(.htm)じゃないんだねって言いたいのね。

banjun:そうそう。4文字あるよ、拡張子。

treby:そこ?突っ込み、そこ?

banjun:そういう突っ込みをしながら見ればいいってこと?

treby:そう。

treby:当時の世の中の普通っていうのがよく分かる。ペンフレンドとか確かにあった気がするみたいな。

takasek:主人公の女の子は『ファンロード』読んでるんですよね。

treby:ちょっとついていけるところとついていけないところあるんですけどね。

banjun:ちょっとよく分かんないですね。

takasek:スーファミのレトロゲーのファンサイトを探してインターネットにたどり着くんですけれど。

treby:まずファンサイトという概念がなかったんですよね。普通にペンフレンド相手とかで自分がやってるゲームを好きな人とかいないよねみたいなところから始まって。

takasek:当時はそうでしたね。だからネットをまず知らないところから始まる。

treby:そうそう。ネットっていうものを知らないところから始まる。

banjun:ネットの外の話?

treby:外の話です。

banjun:どうりで。どうりでじゃないけど、っていうか。

takasek:『ファンロード』が分かんなかった?

banjun:うん。ああ、そういうことね。

treby:好きな人集めの雑誌なんですよね、『ファンロード』。

takasek:はい。

banjun:ウェブリングとかそういう話かなと思ってたら全然違う。

treby:まあまだまだ前座ですよ。リテラシーそこまで最初高くないんで、女の子。

takasek:このエピソードで好きな話が、この女の子が同級生にインターネットをすすめられるんですけれど、同級生の女の子は結構ネットリテラシーが高くてICQとか使っちゃうんですよ。ICQ分かります?

banjun:ICQ分かりますね。

takasek:ICQ。イスラエルの昔のメッセンジャーサービスですね。だけど日本語化されてないので英語を覚えないとちゃんと使えない。

あと結構英語のスパムとかもたくさんきて、女の子はそのICQを始めたら英語のスパムのメッセージがきて、それをうっかりクリックしちゃうんですよ。

そうするとInternet Explorerが無限に開きまくって、そのサイトに「You're a fool」「You're a fool」ってめっちゃ書いてある。女の子はそれでやばいと思ってパソコン壊れたって思ってパソコン切るんですけれど、パソコン切ってそのあと誰にも相談できずに。

そのあと出会った大人のネットちょっと詳しい人に聞いてみたら、そしたらICQなんてお前にはまだ早いと。それよりMSのMessengerを使えと。MSのMessengerやるんですよ。

banjun:ふーんていう。

takasek:細かすぎて伝わらないやつですね。でも当時ネットやってた人には分かりますよね。

treby:言いたいことは分かるよね。

banjun:ブラクラか。

treby:ブラクラ。引っかかってるんですね。主人公。

banjun:今やると捕まるやつやん。

takasek:神戸県警にね。

treby:漫画の話今の、『オンラインの羊たち』とかね。なので、これを聞いてるリスナーの皆さんも『オンラインの羊たち』はマストバイなのでよろしくお願いします。

banjun:なんかやたら推すね。

treby:とりあえずなんかいろいろと宣伝する回かなと思って。

takasek:インターネット老人会御用達なので、みずぴーさんもぜひご覧ください。

treby:個人名出してるじゃん。完全内輪ネタエフエムになってるじゃないですか。

banjun:前回のゲストじゃないですか。

takasek:だって前回のネタじゃないんですか。

treby:そうですね、確かに。インターネット老人会っていうところではすごい親和性高いですね。

banjun:年代的にも合ってるか。1999年。

treby:たまたまね、今われわれの世代とも合ってるし、リスナーの皆さんの世代とも合ってると勝手に思ってますんで。

banjun:この辺いろいろあったよねって感じ。

treby:じゃないときのこるエフエムっていう名前通じないしね。

takasek:確かに。

treby:そんな感じで、今後とも何卒、何卒、引き続きよろしくお願いします。じゃあtakasekさん改めてありがとうございました。

takasek:ありがとうございました。

banjun:ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?