無痛分娩体験記②

⚫️無痛分娩1日目

進まないお産と度重なる内診に心折れた私、麻酔を入れてからは

無痛分娩最高!!!!!

と心身ともにかなり回復した。

しかし促進剤を入れて陣痛をおこしても自然陣痛がつかなければどっちにしろお産は進まないのだ。

麻酔後も数回内診されたが、相変わらず子宮口3cmから開かない。なんと強靭な子宮口。

「週数が若い(この時37w)からお産の進みが悪いのかもしれない。破水してるし、母体が小さいから帝王切開の可能性が高い。」と産科医に言われ、ちょっとビビる。

しかし、その日もお産は進まず促進剤終了。

麻酔もチューブは入れたまま、一旦終了。

そして麻酔後2時間は水以外の飲食禁止。

昼ごはんは食べていたが麻酔を終了したのは17時すぎ、空腹に耐えつつ2時間後に夕食を食べた。

麻酔のチューブが入っているのでその日はお風呂も入れずLDRで1晩過ごした。

促進剤による陣痛は次第に遠のき、その日はぐっすり眠れた。



⚫️無痛分娩2日目

次の日も朝から促進剤開始。

促進剤も三日目なので今日自然陣痛がこなければ帝王切開、と医師に言われた。

そして朝の内診の前に「内診が痛いのが嫌なのでもう麻酔を入れて欲しい」と担当の助産師さんにお願いした。

すると「麻酔を入れるとご飯が食べられなくなるけど、お産は体力勝負だから朝ごはんは食べて欲しい。朝の内診は我慢して、麻酔を入れられる時間になったら即麻酔を入れましょう」と返されて泣いた。

内診をする先生は誰なのか、と聞いたらとても親切な先生だったので我慢することにして、朝ごはんを食べた。

その後の内診で「かなり子宮口が柔らかくなってきていますよ!これなら今日はお産が進みそうですね。バシャッと破水すればすぐに生まれると思います」と言われて歓喜。

そして促進剤開始。

「歩いた方が重力で赤ちゃんが降りてきやすくなりますよ」と助産師さんに言われたので夫とともにLDRを出た次の瞬間!

声も出せないくらいの痛みに襲われた。


明らかに前日までとは違う強烈な痛み。そして痛さの波がなく、ずっと痛い。

夫に支えられて何とか分娩台に戻るが、痛みが引かない。

すると助産師さんやスタッフがドタバタとLDRに入ってきた。

何事かと思っていると結構乱暴に酸素マスクを着けられ、四つん這いにされる。

「赤ちゃんが苦しいサインを出してるからちゃんと呼吸をしてあげてね」

口調は穏やかだったが、表情が険しい。

その時私は「悪阻で死にかけて妊娠中もずっとしんどくていざお産が始まったら促進剤の陣痛で苦しんでるのにこんな所で死ぬなよ、頼むよ生きててくれよ」と思っていた。

しばらくすると赤ちゃんの心拍が落ち着いてきたのか仰向けに寝かされる。

そして産科の先生がエコー検査

「もう今日中に出す。今日自然分娩が無理なら帝王切開」と言われた。

そして襲ってくる陣痛。

「もう麻酔入れて」絶叫するも、朝ごはんを食べてしまったので食べ終えてから2時間は麻酔が入れられない。私のバカ!!!!

「朝ごはんが8時だから…45分後に麻酔入れられるよ」冷酷な助産師さん。

は????無理無理無理。死んじゃうよ。

襲ってくる陣痛に絶叫。

夫が必死で腰をさすってくれるが無意味。

「ちゃんとやれ!!!」ブチ切れながら絶叫。夫よスマン。

そして何度目かの陣痛の波がきた次の瞬間、

ボコッ!!!!


腰をさする夫にも分かるほどの衝撃があり、じわ~っと温かいものが流れ出る。

「なんか出たなんか出た」

ここまで2日も全くお産が進まなかった私にとってこれは大きな進歩。「バシャッと破水すればお産が進む」という先生の言葉を思い出す。

しかし助産師さんは「そろそろお産が進みそうですね~」と呑気な回答。

「いやもうこれいらないから、止めてくれよ。なんでこんな痛い思いしなきゃいけないの」促進剤の点滴の棒をボコボコ殴る。

「あと5分」私の腰を必死でさすりながら夫がカウントダウン。

「麻酔を入れられる時間になった瞬間ナースコールを押してくれ!!!!!」夫に叫ぶ。

そして時間になった瞬間、ナースコール連打。

ちょっと遅れて麻酔科医登場。昨日と違う人。

「今の痛みを数字で言うとどれくらいですか~?」

「は!?1万!!!」

こんな無駄なやりとりいいから早く麻酔いれろ!と思っているのでキレながら答える。

麻酔科医の先生、苦笑して「1~10でお願いします」

「10です!!!!!」

「じゃあ麻酔入れますね~」

麻酔のチューブはもう入っているのであとは麻酔をボタン一つで流すだけ。

背中にひんやりした感覚があり、しばらくして痛みが遠のく。

「麻酔入れたあとは痛みどのくらい?」

「3くらい」

「ちなみに子宮口どれくらいなの?」麻酔科医の先生が助産師さんに聞く。

「3cmか~ちょっと厳しいね…」

本人の前で言うなよ。

でもだいぶ麻酔が効いてきて、リラックスしてきた。

陣痛のピークにはモコモコとしたお腹の違和感のみ。

しかし!破水して右脇腹が濡れていたためか、右脇腹のみ麻酔が効いてないのか痛い!!!!

「右脇腹が痛いです」と訴えるも「麻酔効かない人もいるからね~」で流される。


その後、夫は仕事に行ったので実母が立ち会いにバトンタッチ。

「お腹空いた~ピザ食べたい。」などと言う私を見て、「麻酔ってすごいね」と驚いていた。

そして30分おきの内診で子宮口5cm→全開とあれよあれよとお産が進む。

そして陣痛ピーク時に肛門から便が出てきそうな違和感が。

しかし痛くはない。圧迫感がすごい。

「お尻から何か出てきそう」連呼。

母がテニスボールで肛門を押してくれる。

そしていきむ練習開始。

陣痛の痛みを感じないので、NSTの数値を見ながらピークの数字になったら脚で下に蹴る感じ。

いきむ前にたくさん息を吐いて思い切り吸って息を止めていきむ!!

これを何度か続ける。

そして分娩台がトランスフォームし、お産の体勢に。

NSTの陣痛のピークに合わせながら思い切り吐いてから吸って息を止めていきむ!!を続けるも赤ちゃんの心拍が低下し、酸素マスクを着けられる。

痛みがないのでいきむ方法がよくわからず、「ぐぬうう」などと声を出したら「声を出すエネルギーが勿体ないから声を出すな!」と言われ、頭の中が???マークだらけに。

しばらくして「赤ちゃんの心拍が下がっているから吸引分娩をしますね。次の合図で思い切り吐いて、いきんで」と言われ、NSTの数値と先生たちの掛け声でいきむ!!!

そして次の瞬間

どぅるるるるるるん!!!

と腸が引きずり出される感覚と共に息子誕生。

この世に出てきた瞬間の、肩をすぼめて目はかたく閉じられていた息子をこの目で目撃した。

「うわ~、夫の寝顔にそっくりだな~!」そう思った。

そして息子は出てきた次の瞬間には大きな声で泣いていた。

先生たちが「うわー!綺麗な赤ちゃんですね!」

と言っていた。

綺麗な赤ちゃんってなんだ?とか思いながら、あーやっと終わったんだ…と。


その後、1時間近くかけて会陰を縫合。

産院の方針で会陰切開はやっておらず、私も会陰切開なしで吸引分娩をしたため中も外も四方八方に裂けたらしい。

しかし麻酔を入れていたので裂けたときも全く痛くなかった!

縫合も痛くない。しかし縫合途中で徐々に麻酔が切れて、肛門がめちゃくちゃ痛い!

「先生、お尻が痛いです」連呼。

「肛門は色んな神経が密集してるから麻酔ききにくいんだよね」と言っていた気がする。

あと「うわー、これは…かなり痛いよ、円座クッション持ってきた?痛み止めあげるから忘れずに飲んでね」と産科医の先生が言ってて一体私のお股はどうなってしまったのだ…と恐怖。

このときはまだ麻酔が効いていたのでそれほど痛くはなかった。

が、麻酔切れてからが地獄でした。

他の産婦さんと色んなところで接したが私だけ明らかに痛がり方がおかしい。ずっとフーフー言ってる。

みんな我慢強いのかなあ。

でも傷を見た助産師さんに「うわ~!これはかなり痛そうですね~…」とドン引きされた。


そういう訳で私の無痛分娩はこれにて終了。

無痛分娩は最高だけど、麻酔の前後が地獄でした。

しかしこれを麻酔無しでやってる人がいるって…恐ろしい。本当に死なずに耐えられるの?私には多分無理だ。


あとから「息子が出てきた瞬間を目撃した」と言ったら助産師さんが「え~!やっぱり麻酔ってすごいんですね~!私なんて痛くてそれどころじゃなかったよ!」と言っていたのでやはり麻酔の力ってすごいんだな~!と思ったのでした。





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