ホークアイのデータで遊ぼう~大下佑馬のサイド転向の異常性~

ヤクルトの公式ホームページで、一部ホークアイの解析データが公開されました!

もちろん掲載されているデータはプロ野球球団ならおそらく手に入れているはずのデータで、公開しても全く問題ないデータだとは思いますが、ファンとしては手に入れる事が難しいデータ。
このデータで、存分に楽しませてもらいます!

と言うことで、大下佑馬投手のサイド転向に関する異常性について述べていきたいと思います。見ながら感じていたことが、データでもしっかり現れていました。

今シーズン真っ最中にサイドスローに転向した大下投手。今回のホークアイデータは各試合ごとも見れるため、サイド転向前後で比較する事ができるのです。なので比べてみるしかない!

リリースポイント

まずは本当にサイドに転向したのかどうかを確認。

大下リリースポイント

当然転向してますね。高さが20cm低くなって、横に25cmほど伸びています。ただ、このグラフには載っていませんが、リリース前後はほぼ変化がなかった…

回転軸&回転数

続いてのポイントは、サイドに転向したことで回転軸と回転数がどう変化したのかという点。

大下回転数&回転軸

当然、サイドスローに変更したことで回転軸の横成分は増えています。ただ、興味深いのはその回転数に大きな変化が見られない事。昨年の回転数も2400だったことから、サイド転向ではその回転軸が失われていないことがよくわかります。

変化量

続いて変化量。

大下変化量

上記の軸&回転数から読み取れるように、回転軸が横にずれただけなので、変化量もそのようになっています。まさに縦変化と横変化の数値を入れ替えただけ。縦に変化していた(ホップしていた)分だけ右打者へのシュート成分に変わっている。腕を下げた効果がそのまま出ている表になっていると思います。

初速&終速

正直一番言いたいのがこの2つなのでもったいぶって最後にしました。

大下球速

サイドに転向したことで、初速や終速の変化はほとんどなし。むしろ最高球速はサイドで出している。初速と終速の相関関係もサイド転向前後で変わらず。
これだけ見ると本当にサイドに転向したのかを疑いたくなってしまいますが、それはこれまでに述べてきた(し映像でも当然確認できる)通り。本当にわけがわからないよ。

まとめ

とまあ、ホークアイのデータを見て色々まとめてみたわけですが、大下投手のサイド転向の異常性が分かったのではないでしょうか?
つまり、オーバーで投げていた球をサイドで同じように投げていただけ。
腕を下げると劣化してしまう事も多い中、このフォーム変更は素晴らしいものだったのではないでしょうか。

正直、今回見れるようになったデータはストレートのものだけなので、その他のボールについては分かりません。重要なのは、サイドに転向したことで変化球の質はどう変わったのかだとも思います。そこは当然現在の我々に知るすべは映像しかないんですが…

ただ、こんなデータだけでもこうやって楽しく考察ができる。このデータの公開に踏み切ってくれたヤクルト球団には感謝しかありません。本当にありがとうございました!

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