コピー機価格競争。

 私は小さな販売店でコピー機のサービスの仕事をしているのですが、数ヶ月前に業界にとってイヤなニュースが飛び込んできました。リコーの大規模リストラです。CRX(キヤノン、リコー、ゼロックス)という国内3大コピー機メーカーのひとつ、あのリコーがです。
 ニュースによると、買収した企業がどうとかいろいろありましたが、私の職場のような小さな販売店にも関わることも書いてありました。競合との価格競争です。
 総務や決裁権を持つ方ならコピー機の営業も来るでしょうし、見積もりを取ることもあるのでわかると思いますが、今、コピー機本体の価格や保守料金がものすごく下がっています。下げないと競争に負けるのです。
 使う側としては安い方がいいに決まっています。しかし、安くしすぎるとどうなるのでしょうか。最悪の場合、保守料金が修理費を下回ることになります。赤字のための仕事になり得るのです。5年間のリースを組んで、その間毎月保守料金が入ってきても、リース終了時にその1台あたりの利益がどの程度なのか。かなりの台数を抱えていなくては、人件費、交通費、部品代などのサービスコストが出ません。しかし契約を勝ち取るには利益ゼロのような売り方をし、修理が発生しないことを祈るしかありません。そんなものはメーカーの責任だとか、サービスがこまめに訪問していれば防げるものだとか、そんな話ではありません。利益が出なければコストを下げなければならないのです。
 決裁権を持つ方は買うときにそのことを考えて欲しいですし、営業も数を売るのではなく、売ってからのことを考えて欲しいという気持ちでいっぱいです。ただでさえペーパーレスの進んでいくこれからの時代、このままでやっていけるのかと思います。

 みなさん、サービスの質は落とすな、でも価格は落とせ。不条理な話だとは思いませんか?

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