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ロックマンワールド4

 アドベントカレンダー2日目担当、キノガです。

※「ロックマンワールド4」の略称として「W4」を使います。その他同様。
※ネタバレ満載です。
※記事の性質上他作品との比較、批判が入ります。ご了承ください。

>長い! 三行で!
・W4は演出がすごい
・バラードはいいぞ
・やり直すならステレオ環境でやれ

 去年はロックマンワールド2に関して書かせていただきました。W2は私にとっての初ロックマンで、思い入れの深い作品でした。
 今年はロックマンワールド4についてです。W4は個人的に1~6, 9, 10、その他ワールド作品と比較してもトップクラスに出来がよい作品だと考えています。
 去年同様、好きなとこやポイントを列挙していきます。読んでくれた人が改めて遊び直してくれたら万々歳!

 W4のすごさはロックマンの歴史を紐解くと見えてきます。まず発売のタイミングを見てみましょう。
 ロックマン5     1992/12/04
 ロックマンワールド3 1992/12/11
 ロックマンワールド4 1993/10/29
 ロックマン6     1993/11/05
 ロックマンX     1993/12/29
5, W3 から約1年後で、6, X と同時期に発売されたものと分かります。この知識を前提に話を進めていきます。

演出がすごい!

 ロックマンではFC作品から時々ドットアニメーションの挿入があります。1, 3 ではあまりない中で2のエンディングでは歩くロックマンが見られ、やはり初期3作の中で良く作られたものだと思います。4のオープニングは特に気合が入っていて、メット装着の際はよく動いています。5, 6もオープニングエンディングとアニメが挿入されます。
 W4ではオープニング、エンディングに限らずアニメーションの挿入があります。それまでのワールドシリーズもワイリーステージ突入時にちょっとしたアニメがありますが、比ではないくらい強化されてます。

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 ワールドではFCとの差別か、中間ステージでロックマンが基地に侵入する演出が入ります。ステージの経路を示すのみのFCと比べても臨場感がわきますね。
 それがW4ではかなり長めのアニメーションで専用BGM付き、しかもワイリー基地そのものとの戦闘という豪華なものになっています! ロックマンはこんなに長距離射撃できたのか!

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 さらにラスボス直前にもアニメ演出があります。ラスボスの巨大さが順を追って表現され、「こんなのと戦うのか……」と強く感じられるようになっています。

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 ステージセレクト、スタートもそれまでとは一新しようという気迫を感じます。ステージセレクトは言わずもがな、ステージの見た目やボスのバストアップが下に表示される、左右選択で回転するなど他にないものになってます。ステージスタートもそれまでは斜めに星屑が降るもので統一されていましたが、W4では変えてきています。

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 エンディングの隔壁を壊して進むロックマンも良くできたシーンで、プレイヤーならそう行動するだろうということを徹底してやってくれます。

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 まず通常バスターでダメージ確認してからチャージショット。隔壁がいくつも閉まることを理解してからは常にチャージですぐ撃てるように。最後の隔壁は通常バスターが弾かれるのを見てから真ん中の裂け目のような部分に向けてチャージショット……ほとんどのプレイヤーが似たような行動を取るのではないでしょうか。


バラード

 W4と言えばバラードでしょう。まず見た目もシンプルにかっこいいですよね。登場シーンもかっこいいです。基地で待ち構えていたワイリーを追う途中で不意打ち! 即座に反応して避けて少し立ち止まるロックマンもかっこいい。

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 一度やられても撤退し、装備を整えて再戦するということをフォルテより前にやってます。もうずっとライバルであってほしかったな!

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 バラードを1戦目でのがした後、2戦目で倒して基地が爆破された後のパスワード画面は無音。これもかっこいいポイントです。
 そしてあのエンディング……ビターな感じ好きです。いつしかロックマンはワイリーとのドタバタコメディ色が強くなっていきましたが、哀しくかっこよく後ろ姿の似合うロックマンの方が好みです。

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 また、テキストで会話が表示されるようになったのもワールドシリーズではW4からです。たった少しの言葉でこれだけキャラが生き生きと感じられるので非常に上手く使っていると思います。


BGMが良い!

 はい。
 W4はオリジナル曲がどれもかっこよく、個人的にワールドシリーズで最も好きです。W2のときも言及した「泣きのメロディーこそがロックマンの曲」という法則にももちろん則っています。
 特にピックアップしたいのが中間ステージ突入のデモ曲とアンテナやラスボス等でかかるボス曲。この2曲は実は思いっきりパンが左右に振ってあり、ステレオ環境で真価を発揮する曲なのです。GB本体でプレイすると必然的にモノラルになってしまうので当時イヤホンなどを繋いで遊んでいないと体験できていないんです。もったいない!! もし遊びなおす機会があれば是非、是非!ステレオ環境でプレイしてみてください。本当に心躍るほどかっこいいので。LCR5で思わずリクしてしまうほどかっこいいので。
 オリジナル曲に限らず原曲再現やアレンジも光ります。8ボス曲は全体的にテンポがゆっくりになり、個人的には特にクリスタルマンステージはこちらのほうが好みです。また、4のボス曲は結構大胆なアレンジが加わっていてより激しく熱くなってます。W3ではしっかり原曲再現だったので比べてみると面白いです。

 少々脱線しますが、バラードはロックマン10にスペシャルステージのボスとして再登場します。同時にエンカー、パンクも再登場しています。ステージは各ワールド作品のワイリーステージを10のザコと地形で再現したようなものでこれだけでも燃えます。
 BGMについて、順に遊ぶとエンカーはワイリーステージのアレンジ、パンクは特徴的な登場曲に続いてオリジナル曲と分かりますがバラードで「あれっ?」となると思います。なんだただ曲調が"バラード"風のオリジナル曲じゃないか。 …………!!!!
 そう、分かる人には分かるフレーズが紛れ込んでるんです。当時初めてステージを遊びながらしばらく進むうちに気づいたときに感動と言ったら! 分からない人がずっと分からないままなのはもったいないと思うのでもう引用して動画にしちゃいました。これで分かりますかね。


その他

 W2のときと異なりすでにネット上に様々な記事が豊富にあります。それらの中でも言及されていることが多くなってしまいますが念の為。
 W4は初出のシステムやアイテムが多く出てきます。ロックマンは4でチャージショットが登場して基盤が出来上がったとはよく聞く気がしますが、W4も基盤の一部でロックマンを語る上でなくてはならない作品であると思います。


・Pチップ
 ロックマンにおける「買い物」の概念はW4のPチップが初のはず。ネジやEクリスタル、ソウルなどの原点はここにあります。

・エネルギーバランサー
 武器エネルギーを少ない順に回復してくれる便利なアイテム。これもW4初。11ではエネルギーバランサーNEOという強化版アイテムまで登場し、目立たないながらもロックマンシリーズになくてはならないものになっています。

・W缶、S缶
 これらもW4初登場。W缶は10, 11にも出てきます。特殊武器をガンガン使うスタイルならお世話になることも多いはず。エックスシリーズでもX4から武器エネルギータンクが登場するようになり、その原点であるとも言えます。S缶はM缶とかぶっているせいかあまり見かけませんでしたが……

・武器ゲットデモ
 それまでは武器の名前とロックマンの色が変わることくらいしか分からなかった武器ゲット画面。W4では初めて武器を使用するデモが入ります。これでどんな武器が手に入ったのかわかりやすくなっていますね。ただしW4では何も無い空間で武器を使用しているのが見られるだけでした。W5やロクフォルでは敵に対して使うデモでより分かりやすくなってます。7ではテキストによる説明を入れたり9, 10では敵なしの武器使用に戻してみたり、紆余曲折ありますが最新作の11ではデモの後試し撃ちまでできるようになっています。さらにスキップできる作りであることでW4以降ジレンマだったデモの長さまで解消されています。現状これが完成形であると思うので今後も同様の形で続けてほしいです。

・特殊武器
 リングブーメランにアイテム引き寄せ機能があったりチャージキックで壊せるブロックがあったり、各武器を使わせようという見直しを感じられます。ただ、今回ザコ敵の弱点武器はあまり多くありません。マミーラにファラオショットくらい覚えておけばいいでしょう。ナパームマンの弱点もファラオショットです。クリスタルマンにリングブーメランより重要です。
 バラードからもらえる特殊武器、バラードクラッカーは爆発するメタルブレードのような感覚で使える超強力な武器。それまでのキラーズの特殊武器の比ではなく使いやすくて強いです。ラスト直前で手に入るものとして正しい性能だと思います。

・チャージショット
 W4のみの特徴として撃つと反動で少し後ろに飛び上がります。かっこいい! え? ゲームとしてストレスもあるしいらない要素だって? いいんだよかっこよければ!!
 
また、5のスーパーロックバスターはチャージ中にダメージを受けると解除される難点がありましたがW4ではチャージ解除されなくなりました。これでチャージマンやスマトランにボコボコにされることもなくなっています。やっぱり強力!
 同じステージで何度もゲームオーバーすると弾速と弾の大きさが強化されるのもW4の特徴。後の作品で同じ強化があるのはW5だけですかね。少々条件が面倒ではありますがバカみたいに強いチャージショットを味わえます。好き。


最後に

 ここまでお付き合いありがとうございます。未プレイの方もプレイ済の方も是非遊んでみてください。現代まで続くW4の息吹と、他と比べても良い出来を感じ取ることができると思います。よろしくお願いいたします。


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