見出し画像

【東京都国立市】身近な遊び場がさりげなくインクルーシブ

東京都国立市 谷保第四公園(ゴリラ公園)


「居場所」と言う言葉が似あう公園

「インクルーシブ公園」というと新しく整備された、比較的目立つ公園を個人的にはイメージします。しかし谷保第四公園はまるで以前からこうであったかのように親しみの持てる公園。そんな印象を受けました。
「居場所」という言葉がしっくりと馴染む公園で、隣接する市役所や「くにたち市民芸術小ホール」と共に、多様な市民の居場所であると良いなと思います。

ワークショップやアンケートなど、様々な市民の声を整備に反映

公園の整備に関する取り組みは、市のホームページに詳しく紹介されています。それによると2021年から1年間かけて市民の意見を収集し、その後1年をかけて遊び場の設計が行われました。ガッツリと市民の意見を聞いて、じっくりとその意見を設計に盛り込む。およそ2年間にわたって実現した公園の整備です。だからこそ、違和感なく既存の公園に調和する遊び場となったのかと思います。

ホームページのリンクと、添付されていたPDFを紹介します↓

遊び場の情報


住所   :東京都国立市富士見台2丁目49
アクセス :JR南武線谷保駅から徒歩10分くらい(ひたすら歩いた場合)
      駐車場は隣接する市役所の有料駐車場があり(リパーク)
広さ   :およそ4500㎡くらい(公園全体)
アメニティ:公園内にユニバーサルデザイン機能付きトイレあり。
休憩施設 :パーゴラあり、ベンチは多数
地面   :遊具の下や、アクセスルートはゴムチップ
      その他、土や草、水場の周囲はレンガ舗装

遊具
・元々あったトランスファーデッキ付き複合遊具
・ブランコ(普通のタイプ1基、円盤とシート型のセット1基)
・回転遊具(日除け付き)
・ジャンプ遊具
・砂場(普通の砂場とテーブル状砂場)
・スプリング遊具、スウィング遊具
・オブジェ的造形物
・水遊び(遊具ではなさそうだが遊べる)

遊び場について

木立ちの中に遊具が散らばって配置されていて、公園全体が遊べる空間になっています。わざとなのか雑草もそれなりに生えているので、触ったり引っこ抜いたり色々できそうです。
アクセスルートや遊具下にはゴムチップが敷かれているので、そのルートを巡るのも楽しいです。しかもこのゴムチップは厚みがあり、落下や転倒の衝撃を大きく吸収してくれるはずです。所々に動物や果物などの造形物があり、散策すること自体が楽しいです。
なんといっても夏場の魅力は水遊びです。公園内を流れる小川や岩場は、子どもも大人も絶好の納涼スポットです。じゃぶじゃぶと水に入って楽しんでいる子どもが大勢いました。


前からあったアメリカ製の複合遊具
実はこの遊具、日本ではあまり知られていませんが、車いすから遊具に乗り移りやすい様に設計されています。手前の階段の横の部分に車いすを寄せて、そこから手すりや床の穴も手掛かりに階段の上部へと登りやすい様に作られています。この遊び方は日本ではまだ馴染みが薄く、この遊具の構造のワケもあまり知られていません。今後インクルーシブ公園が増えて、障がいのある子も遊びに食てくれるようになれば、この遊具の構造も活かされてくると思います。
Landscape Structures Incのサイトより
皿型ブランコと、シート型のブランコ
元々あった普通のブランコ
回転遊具 日除けが付いているのは斬新
 ジャンプ遊具 平たいので遊びやすく補助もしやすい
普通の砂場と車いすや立ったままでも遊べるテーブル状砂場
2人で向き合って一緒に遊べるスイング遊具
スプリング遊具諸々
オブジェ的なベンチ
リンゴ 大勢の公園OBやOGに愛されたらしく、良い感じに色が剥げている
バナナも良い感じに使い込まれている
ゴリラ公園の愛称は君のことだな
夏の主役
しぶきが気持ちいい 
カバも涼しそう
トイレ

記事の目的

この記事は、特にインクルーシブな遊び場を必要とされる方に対し遊び場の情報(特に写真)をお伝えし、遊び場を事前に知り、選択する材料となる事を主な目的としています。
また、特色のあるインクルーシブな遊び場を紹介することで、自治体や設計者の方の業務の参考になれば幸いです。


きのぼり園


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?