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【まほやく考察】主従=モーセ&ジャンヌ?レノックス編


今まで元相棒を中心に考察して参りましたが、まほやく考察5つ目は
主従・ファウストとレノックスにスポットを当てていきます。

今回の考察は、後に出したいと思っているフィガロやオズ、アーサーの考察の大前提となる部分です。


はじめに

・さまざまな媒体からの不確かな情報である
・容赦のないストーリーのネタバレを含む
・宗教に関することなので慎重な方は観覧をお控えいただく
・あくまでエンターテイメント

以上を踏まえまして、ご興味のある方は暇つぶし程度にご観覧頂ければ幸いです。


主従=モーセ&ジャンヌ?レノックス編



プロフィール


名前:ファウスト・ラウィーニア
場所:東の国
特技:呪術
苦手:弱者
魔道具:鏡
その他:猫好きで、中央の国出身で建国の英雄の過去を隠している。親友に裏切られ火炙りの刑に。



名前:レノックス・ラム
場所:南の国
特技:格闘技
苦手:喋ること、侮辱
魔道具:鍵
その他:ファウストの元従者で革命時代の軍人だった。400年ファウストを探していた。


今、賢者の魔法使いとして活躍している二人はそれぞれ東と南の魔法使いですが、その過去は中央の国で立ち上がった「革命軍」という色濃いものでした。

そんな二人のモデルについて、旧約聖書のモーセとフランス革命の聖女ジャンヌ・ダルク、その他の視点から考察していきたいのですが、それぞれが複雑に入り組んでいるため、キャラごとに分けずに一緒に解説しようと思います。
(と言って、ほぼレノパートになりました)



【誕生日】


ファウスト
誕生日:1月13日 山羊座



レノックス
誕生日:5月16日 牡牛座

ジャンヌ・ダルク

誕生日:1月6日 山羊座
聖列日:5月16日 


大体のベースとしては、レノックスの方がモーセに近いのですが、レノの誕生日はジャンヌに近い形となりました。
二人は同じ山羊座になる可能性もありましたが、そうならなかったのには別の理由があります。
レノックスはモーセだからこそ、オズと同じ牡牛座である必要があったのです。
それついてはまた別の回で解説したいと思います。



【旧約聖書・モーセ】


旧約聖書に登場するモーセと聞くと、「海開きした人ね」と大体の人がすぐ思いつくほどポピュラーな存在です。
実は120歳まで生きるという超人的な一面を持ったモーセは、具体的にどんな人物なのでしょうか。


・「羊飼い」


モーセは、キリスト教の旧約聖書「出エジプト記」に登場します。

モーセは、ヘブライ人が増えすぎることを恐れたファラオの命令で命を狙われて亡命するも、結局ファラオの娘に拾われ、乳母も実の母という、王位継承権を持たない王族として育つ奇妙な生い立ちを持ちます。
そしてエジプトで育ったモーセは、ある日ヘブライ人を虐待しているエジプト人を止めようとした際に誤ってそのエジプト人を殺してしまうのです。

エジプトにいられなくなったモーセはアラビア半島のミディアンに逃げ、そこで結婚し80歳まで羊飼いとして生きることになりました。



レノックスは、軍人だった過去を持ちながら、賢者の晶と出会う時は羊飼いとして登場します。
そして彼は現在南の国の魔法使いですが、元々は中央の国の貧しい炭鉱夫でした。
グランヴェル王朝の前の国家が崩壊した戦乱の世、地元の支配者に奴隷の様に扱われていたレノックス達は実夫を含んだ死傷者を出しながら抵抗し自由になります。
彼らは奴隷や迫害の概念が当たり前にある世の中で、ファラオや地元の支配者という上部から圧力をかけられる命懸けの生い立ちです。

このイベストめっちゃ助かる

前の国の滅亡に翻弄され、次の王国を作るまでに立ち上がったのが彼らでありました。
当時の「羊飼い」は貧しさの象徴でもあり、のちに誕生するイエス・キリストを「神の子羊」と表現したり、その信者を「迷える子羊」と称するのは、それまで虐げられてきた「羊」をキリスト教が正しく導くためだと言われています。


・「○○年荒野を彷徨う」

羊飼いとなったモーセはある日燃える柴の中から神の啓示を受け、イスラエル民族の解放と共に「約束の地カナン」を目指すことになりました。

「出エジプト記」によれば、アラビア半島から兄のアロンと共にエジプトに帰ったモーセは、ヘブライ人退去の許しを得るために神から授かった杖でファラオの魔術師たちと魔法合戦をし、勝利するのです。
しかし許しを出さなかったファラオ。モーセが神から授かった
「ナイル川の水が血に変わる」の力で十の災いが降り注ぎ、
なんとファラオの子供を含むエジプト全土の初子が無差別に殺されました。

そこでようやくファラオは許可を出したのですが、のちに挙兵してエジプトを脱出しようとするモーセとヘブライ民の一行を追いかけます。
その追ってから逃れるために発動したのが、「モーセの海開き」でした。
これによりエジプトを脱出し、40年、現在のエルサレムであるカナンの地を目指す砂漠の旅が始まるのです。



この場面はとても分かりやすく、
40年荒野を彷徨うモーセ
約400年ファウストを探す旅をしたレノックスです。

ここがすごい!

未読の方はごめんなさい。

「再会と軌跡のバンケット」

自分のことを語らないレノックスのことを存分に「味わえる」こちらのストーリーはただの俺得イベントではありませんでした。

まるでモスクのような外観

ひとり砂漠を彷徨い命からがらのレノックスの前に現れた謎のレストラン。
そこは人の生涯をフルコースにして出す変わった魔法使いが営む店で、レノックスは餓死を免れ、恩人の魔法使いに自分の身の上話を聞かせたのです。

これは、モーセが40年の間に人々を連れて砂漠を彷徨った際に起こった出来事を表しています。

星屑糖集めに見える

長い旅路で食糧危機に陥った人々は、「奴隷の時の方がもっと良いものが食えた」とモーセに文句を言ったので、モーセが神に祈ると天から不思議なものが降ってきて、それを「マナ」と呼びました。
マナは「これは何だろう」という意味の言葉であり、実際に何だったのか未だに分かっていませんが、白くて鱗のようなもの、蜜入りのせんべいのように甘い、蜂蜜入りのウエハースのようなもの、と言われます。

白い、と言っても例えに上がった植物の色は小麦色です。
まほやくで例を上げるなら、某雑誌でネロが語っていた「蜂蜜入りのビスケット」が一番イメージに近いような気がします。
とにかく、人々はこのマナを食べ続けて飢えを免れ旅を続けました。

「これは何だろう」という名を持つマナと、店名が分からない謎の店。
そしてこのイベントのキャッチコピーの「分からない」のゴリ押し。

マナに似た言葉であるヘブライ語のマーナーには、「フルコースの中の1品」という意味がありました。


最近のイベントでは、まほやく君は「バッカス」と「ヘルメス」といったメジャーな名前のモブ魔法使いを出してきて、それが各イベントの主役のモデルに絡んでくるようになりました。
このマシューも、適当に名付けられたモブの魔法使いではないと思ったので調べてみると、マシューとはマタイの英名でした。


マタイ

一般的にマタイはイエス・キリストの12使徒の一人で、「マタイによる福音書」書いたとされます。(著者は別人説もある)
これは聖書の外伝や議事録のようなもので、イエスの人生や言葉などが書かれており、もちろん預言者モーセのことも書いてあります。
要するに、レノの人生から着想を得てフルコースにするマシューということです。

ストーリーは胃がキリキリしてヒヤヒヤしながら見守るものの、テーブルに無防備に横たわる切ない表情のレノの想像が頭を過って変な気持ちになりながら、背景の美しさと音楽のエモさに心を奪われるそんなイベントには、たくさんのヒントが隠れていました。(ファウストに通報するのはやめてください!)


マシューの使い魔の子豚です。
この可愛くて真っ先に食材にされそうな豚が何故か食べられず使い魔になっているのも、昔のキリスト教やユダヤ、イスラム教などで豚肉を食べることが禁止されていたからでしょう。


・「天使殺し」


モーセのエピソードには、神の使いである天使を3度返り討ちにするという内容がありました。


被害者1 天使サマエル

死天使と呼ばれる、死人の魂を迎えにいき天国へ連れて行く役目を持った天使が何人かおり、そのうちの一人がサマエルです。
彼は120歳という寿命を迎えたモーセを天国に送るため迎えに行くと、納得のできなかったモーセに杖で殴られ失明してしまいました。
人間を凌駕する知恵と力をもった天使が、寿命間近の老体に殴られるということがショックだったのか、その後堕天使してサタンになったという説もあります。

被害者2 天使カマエル

カマエルは天国の門番でした。
12000人の「破壊の天使」を部下に持つ総括の天使でしたが、彼はモーセが神から5書を預かるために天国の門を潜る際に通せんぼしたので、怒ったモーセに素手で殴り殺されてしまいました。

被害者3 天使アフ&ヘマー
それぞれ、「憤怒」と「復讐」の意味を持つアフとヘマーは罪人を罰する役目を持った破壊の天使兄弟でした。
彼らはモーセが息子に割礼をしていないという罪で襲い掛かり、ヘマーがモーセの腰まで飲み込んだところで、妻のツィポラが息子に割礼を施したので解放すると、怒り心頭のモーセに反撃されて素手で撲殺されました。
アフとヘマーは太古の天使で巨人レベルの大きさにも関わらず、モーセはまたもや天使に打ち勝ったのです。

モーセ、恐ろしすぎる。
ちなみにモーセの身長は2メートルあったと言われています。



レノックスもまた身長が190㎝ありまほやくの主要キャラの中で一番大きいですね。
そして魔法使いなのに咄嗟の場面で素手を使うのでファウストやオズにも指摘されています。


今やレノックスは寡黙で穏やかな性格で子供や動植物に優しい誰にでも親切な南の魔法使いなのですが、生まれ育った中央の戦士っぽさは抜け切らないようです。



それから、メインスト1部でブラッドリーと交わされた興味深い会話。

2部でようやくカインを相手にちょっと口調を荒げた場面があったとはいえここまで言われるような気性の荒さはないですが、モーセのこの天使殺しエピソードファラオの子供やエジプトの初子を無差別に殺しているところを考えれば、そのことを言っているのではないかと想像できます。
ちなみにモーセはカッとなって天使をなぶり殺したあとは急にへっぴり腰になって雲から落ちかける気弱なおじいさんです。


またレノックスの得意魔法も相手を無力化する所謂デバフでありました。
そして革命軍時代まで使っていた魔道具はメイス

メイス


モーセは杖でも天使を殴打しており、メイスはまさに戦闘用の杖といった感じ。
確かに、手のひらサイズの鍵よりもメイスの方がレノックスに似合ってますね。



・「イエスとのつながり」


ところで、ここまで読んで頂いた皆さんはお気づきでしょうか。
レノックス=モーセの裏付けを取るためにはブラッドリーの証言が必要だということを。
元中央で南の魔法使いのレノックスの周辺には、ミチル、ルチル、フィガロの同郷と主従のファウスト、そして鍛錬仲間のカインやシノがいますが、何故か北の魔法使いのブラッドリーがお互いのカドエピに登場しまくるのです。


何故かブラッドリーの親愛ストで親友の選択肢に上がるレノックス

大勢の部下を持っていたブラッドリーは人をよく見ているので、他の魔法使いが教えてくれないようなレノックスの一面(あくまで予想)について話してくれます。

スポエピ、レノックスの印象


それ以外にも魚釣りや南の国にブラッドリーがくしゃみで現れたりと不自然なくらいに現れるので、頭空っぽでまほやくプレイしてた時は「?」がいっぱい飛んでいました。(今でも頭は空っぽです)


特にカエルエチュードのカドエピの展開が衝撃的で、未読の方は是非読んで欲しいのですが、とにかくレノックスとブラッドリーには何かあると睨んでいたところ、ブラッドリー=イエス・キリスト説が浮上したら一気に腑に落ちました。

モーセが目指すカナンの地とは、後にエルサレムとなりキリストの舞台になります。
まほやくではブラッドリーの方が年上で魔力も強いバフ使いにも関わらず、レノックスの威圧に負けることが多いですよね。


大好きシーン

スノウとホワイト、オズやフィガロならまだ分かります。
しかし、自分より身長が大きいというだけで南の魔法使いのいいなりになるでしょうか。

聖書では預言者モーセが先に指導者となって人々を導き、イエス・キリストが活躍するのはそれからもっと後になります。


羊に懐かれている光景


そしてイエス・キリストを「神の子羊」と表現することから、
レノックスとブラッドリーが「羊飼いと羊」の構図になると考えれば、
魔力で勝てないはずのレノックスがブラッドリーを威圧できるのは当然ということになります。

あの羊飼い、なんか食えねえヤツなんだよな……。けど、また俺の事をこき使いやがったら今度こそぶっ飛ばしてやるからな……

2020年レノ誕ボイス


・「犬の存在」

羊飼いのレノックスは、結婚を考えるほど(?)気の合う牧羊犬を飼っていました。


目が合えば気持ちが通じ合うほど親しかった犬をレノックスはとても可愛がっていたことでしょう。
このように羊飼いが牧羊犬を飼っているのはごく自然ですが、「運命的なものを感じた」と情熱的に語る背景には何があるのでしょうか。


「犬」という男

モーセ、ヨシュアとカレブ

カナンに行く前、モーセは12人の使者を先に偵察に行かせました。
そのうちの一人にヘブライ語で「犬」という意味のカレブという男がいました。
豚が食べられないように、犬もまたこの宗教においてあまり良い意味を持たないのですが、カレブは犬の名前を持ちながら功績を上げます。
カナン偵察から帰った12人のうち10人が「カナンの土地に移住は無理」と話している中で、カレブとヨシュアの二人だけは「神が助けてくれるから大丈夫」と熱弁しました。
カレブの神への信仰はとても厚く、まさに牧羊犬のように忠実な男だったといいます。


・「金の子牛像」


金の子牛像


まだキリスト教が生まれる前、ユダヤ教の神は偶像崇拝を禁止していました。
カナンに向かう途中にモーセは一人シナイ山に40日籠り神の啓示を受けていると、残されたイスラエル民はモーセが死んだと思いこみ、
モーセの兄、アロンに「新しい神を作ってくれ」とお願いします。

願いを聞いた兄は集めさせた金で鋳造し、「金の子牛像」を作って神とし、宴を開きます。
それを知った神は激怒し、モーセに民の罪を知らせて民を殺そうとしました。


レイタ山脈


シナイ山の他に、ホル山やネポ山というゆかりの地を持つモーセですが、レノックスは山々が連なる山脈を育成スポットにもっています。
レイタ山のモデルはシナイ山なのかもしれません。(もしくは、ピレネー山脈)
そしてこのスポットでは、「金の雄羊」が登場します。


ここでは、金の羊をめぐる親子喧嘩が始まってしまいます。
一攫千金を夢見るピーターと、昔同じように夢を抱いて失敗した苦い思い出を持つジョン。



偶像崇拝で神として崇められた金の子牛とこの金羊は同じ意味を持っています。
長い旅と食糧危機、モーセや神への不満、自分達はいつまでカナンを目指して歩けばいいのかと、限界だったイスラエルの民達は、一時の幸せを味わうために偶像崇拝という大罪を犯してしまいました。


さて、こちらのピーターとジョンですが、
ピーターペテロの英名
ジョンヨハネの英名でありました。
ペテロもヨハネもキリストの12使徒の名前です。


スポエピは金の羊を捕まえたレノックスが、賢者に褒められてウィンクしてくれる胸キュンのラストですが、モーセの子牛像事件はそうはいきません。

怒る神を宥めたモーセでしたが、いざ目の前にイスラエル民の乱痴気騒ぎを目の当たりにすると、神から授かった石板を叩き割るまでして怒ります。
(後で神が新しいのをくれる。なんでそこだけ寛容なの)
さらにその勢いで、子牛像を溶かし砕いた水を人々に飲ませます。
またさらに、レビ族を集めて武器を持たせて違反者を殺すように命じたので、約3000人が一夜にして亡くなったのです。


昔日届く工商のファンタジア

なんてタイムリーなんでしょう。
昨日読んだばかりの新しいイベストです。(未読の方はごめんなさい!)

革命時代、レノックスを弟のように面倒を見てくれた鍛冶屋のイーサンから手紙が届きます。
イーサンは人間の裏切りによって呪い屋に転身したファウストのように、数百年の旅をしながら預かった武器を直すふりをして人を傷つける呪いをかける魔法使いになっていました。


しかし、死に分かれた実の弟と同じ名前を持つリアムという弟子をとってから、イーサンは少しずつ元の自分を取り戻していきました。


「イーサン」には、レノックスが説明してくれた通りの「勇敢」、「強い」等の意味があります。
モーセにも兄弟がおり、兄のアロンと姉のミリアムは、預言者としてモーセとともに旅をします。
口下手で引っ込み思案なモーセに代わり、弁が立つ兄のアロンが演説をしてモーセを助けていました。そんなアロンが、人々に言われるがまま子牛の像を作ってしまい、怒った神とモーセによって武器による虐殺が行われたのです。
「剣を持って、兄弟でも友人でも殺しなさい」という命令は呪いと変わらないのではないでしょうか。
また、理不尽に亡くしたという弟のリアムは、モーセの姉ミリアムであり、今作中の弟子リアムが最初から怪我をして現れたのも、ミリアムが神によって重い皮膚病にされたことに起因すると思われます。
アロンもミリアムも約束の地カナンに辿り着く前にモーセより先に亡くなってしまいますが、アロンの着ていた貴重な祭司服は後継者へと受け継がれていくのです。
それと同様に、鍛冶屋イーサンの弟子としてリアムは工房を受け継いでいきます。
そして、リアムには「強い意志」、「守護者」の意味もありますので、イーサンの墓と工房と思い出を大事に守っていてくれるはずです。


最後はみんなで楽しくお酒を飲んで打ち上げのような雰囲気。
元ネタでは、このようなパーティが大事件になってしまいましたが。
レノックス達は今ようやく、平和の中でパーティーができるようになったと思うと感慨深いですね。
(本当の平和はまだこれから)


・「約束の地カナン」  

モーセの物語の主軸は、エジプトから解放したイスラエル民族(ヘブライ人)をカナンという土地まで導くというもの。

エジプトからカナンまでの道のり

神は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の全ての始祖であるアブラハムに、このカナンの地を与えると約束されました。

このため、「約束の地」と呼ばれます。

「約束」という言葉には敏感になってしまいますよね。

イスラエルの祖ヤコブ、モーセ、イエスは皆がアブラハムの子孫であり、カナンは現在のパレスチナ地方でキリスト教などの聖地エルサレムがあるところなので、この約束はしっかり守られています。

しかし、イスラエル民族やモーセ達はというと。

40年間イスラエルの民を導き、要望に答えてきたモーセでしたが、最終的にカナンの地に足を踏み入れることができたのは、後継者のヨシュアとカレブのたった2名だけだったのです。

こんな裏切りってないですよね。
しかし、神の言い分では、自分の言った通りにしなかった信仰心の薄さが罪であり、先に裏切ったのはモーセ達だったというわけです。


さぁこの「約束の地カナン」ですが。

アレクとファウスト達革命軍の目指していた思想である、
人間と魔法使いが仲良く共存する世界のことではないでしょうか。

このカナンの地は、「乳と蜜の流れる地」とも言われ、エジプトに虐げられてきたアブラハムの子孫がこの豊かな土地で星の数ほど繁栄し安全に暮らす、安息の地を意味するのです。

モーセと多くのイスラエル人は40年荒野を彷徨った最後の最後に、その地に入ることができなかったのです。
そしてファウストとレノックスも、そうでしたよね。

ファウスト目線では、最終決戦の前に師に見限られ、戦いで多くの仲間を失い、親友のアレクの裏切りで火炙りにされてしまい、酷く人間を恨んで中央の国から去ります。
レノックスも、一番に幸せを願っているファウストの失踪により、中央の国を去りました。

その後、アレクの子孫はそこで繁栄し大きな国家に育ちます。

【魔道具のモデル】


・「ファウストの鏡」

以前、「ネロ=マリア説」のところでも予想として書きましたが、
「ファウストの鏡がモーセの十戒、レノックスの魔道具がペテロの鍵」
という説を改めてご紹介します。


なんとなくパッと見で申し訳ないのですが、ファウストの使っている楕円の大きな鏡が、モーセのかがける2枚の石板に重なりました。


モーセの十戒

これはシナイ山でモーセが神から授かったもので、一度ぶっ壊した後に再びもらうことができました。
内容は省きますが、これには2枚の石板に神が定めた10個の戒めが記されているのです。


ある日、ゆきずりの魔法使いが置いていったという少々怪しい鏡です。

この鏡を使って、ファウストは自分を「戒め」ていました。
(今はやってないらしい)
そしてファウストの部屋にあるたくさんの鏡ですが・・・

数えてみました。

10個ありました。
同じデザインのものは3つあり、ダブったものは赤で表示しています。
戒めのための鏡が10個ということは、やはりこれがモーセの十戒なのかもしれません。
それにしてもユニークで可愛い鏡達ですよね。

日本では鏡は三種の神器でもあり、それ以前の歴史もかなり古いものです。
魔術道具や魔除けとして使われたり、魔境という隠れキリシタン専用の細工がされた鏡もあります。

今でも私たちは神社に参拝した際に、「御神鏡」の前に立ってお参りしますね。

「かがみ」という言葉には面白い言葉遊びがあり、

「か」+「が(我)」+「み」
から、

「が(我)」を抜くと「かみ(神)」

になるというものです。

自分を戒める、ということはつまり我を抜いている状態になり、
そこに残るのはになります。
モーセの十戒も、守るべき神の掟なのです。

ファウストは、鏡を通して誰を見つめ、誰の教えを守っていたのでしょうか。


ココスキ



・「レノックスの鍵」


ほんとにかっこいい

レノックスが使っているとこはかなりレア!な魔道具の鍵です。
戦場でメイスを使っていたレノックスは、ある日を境に鍵を魔道具にします。
時間で言えば、メイスよりも長い時間をレノックスと共に歩んだ鍵は、悲しい過去の産物でもありました。

ファウストを助けるための牢の鍵は使われないまま。
レノックスにはその鍵と言い知れぬ後悔が残ります。


天国の鍵
聖ペテロ
キーワード:弟子No.2、おっちょこちょい、魚釣り、知らんぷり、初代教皇、逆さ十字、鍵


イエスの熱心な信者で12使徒の聖ペテロです。
ペテロはピーターという名前でレノックスの近辺に現れたり、
ファウストの「聖ファウスト聖堂」の呼び名や、
「人違いだ」という口癖や、ネロの知らんぷり、吊るされた男など、
聖書に関わりが深そうなキャラの中にさりげなく組み込まれています。

ペテロはイエスから、「天国の鍵」と呼ばれる金の鍵と銀の鍵を渡されます。

「シモン・バル・ヨナ。お前は祝福されたものだ。このことは血と肉によってでなく天におられる父によって示されている。わたしは言う、おまえは岩(ペトロ)である。この岩の上に私の教会をたてよう。死の力もこれに勝つことはできない。わたしは天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐものは天でもつながれ、地上で解くものは天でも解かれるのである。」

( マタイ伝 16:18)

「金の鍵」は天国における権威を示し、
「銀の鍵」は縛ったり解いたりする地上の教皇の権限を意味しているのだそうです。
ペテロは初代ローマ教皇です。

さぁここで引っかかるのは「金の鍵」の行方です。
レノックスが持っている魔道具の鍵は1つ、しかも銀色のもの。
こっちは地上で使うのが目的で、「天国の鍵」はどちらかと言えば金の方。
銀が地獄の門の鍵、金が天国の門の鍵とも言われます。

平和な世界を望むレノックスにとってファウストの幸せはなくてはならないもの。
ファウストが幸せな道を選んでやっと平和へと進めるという意味なら、金の鍵はファウスト自身とも言えるのですが、
「鍵」に限定して考えれば、ネロのことも気になります。


ネロは自分の口では言い出さないですが、鍵開けや封印が得意なようです。


イエスと神がペテロにあてた祝福の言葉をもう一度繰り返します。

「シモン・バル・ヨナ。お前は祝福されたものだ。このことは血と肉によってでなく天におられる父によって示されている。
わたしは言う、おまえは岩(ペトロ)である。この岩の上に私の教会をたてよう。死の力もこれに勝つことはできない。わたしは天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐものは天でもつながれ、地上で解くものは天でも解かれるのである。」

どうですか、岩の上に教会という名の重たい蓋をしている想像ができませんか?
これを封印に置き換えると、死の力もその岩?教会?に勝つことはできないということは、封印された相手は死なないということです。
この教会が神達の管理する牢屋でも意味は変わりませんね。

そして「つなぐ」、「解く」ことが鍵の役割のよう。

「つなぐ」と「結びつける」はほとんど同じ意味です。
さらに既知の遺跡では、ネロは無意識に賢者の手を握ってしまう爆萌エピがありましたが、手を繋ぐことも封印に入るのであれば、
天国の門の鍵、「金の鍵」の概念を持っているのはネロなのかもしれません。


【隠されたシンボル】


レノックスやファウストの身辺には、数々の宗教シンボルが散りばめられています。


イスラム教

有名な3つの宗教はエルサレムを聖地にした宗教でこのような1つの流れを組んでいます。

ユダヤのモーセが現在のエルサレムにイスラエルの人々を導き、キリスト教が誕生した後にイスラム教が誕生します。
このクルアーンにもムーサーという名前でモーセが登場します。

✡️

これみよがしにとっ散らかったファウストの部屋にはいかにも呪い屋っぽい藁人形や魔法陣のようなものがあり、十字架のようなマークの謎の書物と短剣もあります。

このヘキサグラム(六芒星)はユダヤ教のシンボルと同時に、
タロットの地のスートであるペンタクルが非常によく似ています。

イギリスで創設された西洋魔術結社「黄金の夜明け団」の魔術書によると、四大元素武器に加え他にも道具を使って儀式を行うようです。

四大元素武器の1つ「地のペンタクル」と、
ロータスワンド=藁人形、
短剣、
魔法日記。

ほぉ!

大変だ・・・アーサーもつけてるあの魔法日記、ファウストも持ってて、こんな無造作に床に置いてあったのを今までスルーしてたってことですか?

これで書いて?

ここにポイって?

いやまって!!


絶対遅くまでベッドで読んでて寝る時ここに置いてるんだたぶん!

まぁそんなことはどうでもいいんですけど、この本の正体が分かって個人的にスッキリしました。
それにしても魔法使いみたいですね!(魔法使いなんですけど)

ただ気になるのは、地のペンタクルは四色なんですが、ファウストの部屋のペンタクルは二色しかないんです。
まるっきり同じにする訳にいかないんでしょうけど。


このイギリス発祥の魔術結社黄金の夜明け団は、薔薇十字をシンボルにしているので当然キリスト教が絡んでいます。


✝️

レノックスの通常衣装は軍人の勲章のようにワッペンのようなものがデザインされています。

画面左から、キリスト教の聖人ジョージの赤十字イエスの12使徒の一人聖アンデレ(アンドリュー)の十字。
レノックスの十字は色が違いますが、アンデレ十字を囲っている丸の色が青と赤で一致しています。
重ね合わせると、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国、
通称イギリスになるのです。

ここで、アイルランド担当の聖パトリック十字がないと思いますよね。
ご安心ください。聖パトリックの十字の代わりに別のものをご用意しました。

☘️

ついにまほやく君も三周年です!!おめでたい!!
・・・けどガチャとストーリー怖すぎ!!一体どうなっちゃうの!
(5万ほど貢いでミスラ✖︎3、ホワイト✖︎3でした対あり!)
というわけで、新衣装がつい最近公開したのですが、南の国の魔法使いはそれぞれ別の植物をあしらった螺旋丸を持ってます。

レノックスはクローバーなのか、白い花が咲いていますね。

レノックスのアミュレットは故郷の高原に咲いていた小さい花に似ているらしい白いタンポポのようなお花。

しかしレノックスが思い浮かべている故郷の花とは、シロツメクサではないでしょうか。
クローバーの一種であるシロツメクサはもちろん高原にも咲いています。
そしてこれは、聖パトリックがアイルランドでキリスト教を広める時に使用した植物なのです。

聖パトリック

手にはクローバーを持っており、緑の衣装を纏います。
アイルランドの聖パトリックの祝日には、みんなが緑の服を着て町中が緑のもので埋め尽くされます。
緑が印象的な南の国ですが、その魔法使いの中で一番通常衣装で緑が取り入れられているのはレノックスです。

公式まほやくついったーくんから拝借
ちょっと分かりづらい。
各自見比べてみてください。ごめんなさい!

ようするにレノックスの言う故郷の花はシロツメクサの可能性があり、
聖パトリックの緑がデザインに入っているのです。

花言葉をご一緒にどうぞ。

たんぽぽの花言葉
クローバー(シロツメクサ)の花言葉

「それな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
しかないのでこれについて特に言及しません。


🛡

それ以外はというと、五芒星は色んなところに登場するので一つに絞れません。星そのものが宗教に欠かせないですし、日本の陸軍でも五芒星を使っています。この星はとうとでもとれるものです。しかし重要です。

あとはクォータリーという盾形の国章のデザイン

イギリスの国章

イギリスの国章にも使われており、複数の地域が縁組をして一つの国になっている証です。

それ以外のデザインは正直分かりませんでした。力不足で申し訳ないです。
なんだかお分かりになられた方は是非教えてください。

話は変わりますが、これらのシンボルマークを部屋に持ってるファウストと、上着に堂々と身に付けてるレノックスの相対性が良いです。
そして両方にはイギリスが絡んでいることが分かりましたね。
イギリスという国が魔法大国であることも影響するでしょう。
そして国民の70%以上がキリスト教であることも今までの考察から重要性を増すのですが、
これらがデザインに組み込まれる理由はそれではないと思います。

イギリスの正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」
と先ほども書きましたが、このように4つの国からなる連合の王国であります。

それぞれ国旗も名前もある国々が一つにまとまっている光景は、レノックスやファウストが目指していた理想を表しているように見えました。

つまり、人間と魔法使いが仲良く平和に暮らしている世の中と、約束の地カナンの概念です。
中央を追われたファウストとレノックスはそれぞれ東の国と南の国に移り住みます。
ファウストは孤独を癒しとし、新しい土地で一人穏やかに猫と暮らしながら呪い屋をやり、
レノックスは対照的に南の国の人々やその土地の魔法使い達に上手く馴染んで、互いに協力しながら生きていきます。

この場合、かつて目指していた理想の場所に一番近いのはレノックスです。
何故ならその理想の国になるように、南を開拓した人物がいたからです。
そのような理想の国の例として、このイギリスのシンボルをレノックスが身に纏っているのだと私は解釈しました。


☪️


「三日月沈む夜のしじまに」


最後に、イスラム教のシンボル「三日月と星」を解説します。

まほやくの<大いなる厄災>=月は、満月のイメージが非常に強いですが、どうやら一応満ち欠けしているようです。

それが分かったのは、レノックスやファウストに「三日月」のワードがよく出てくるからでした。

アレクが描いたファウストの絵画ーー親愛スト

アレクはわざわざ、ファウストを三日月とセットで描いています。
そして、レノックスの親愛ストのタイトルは
「星空の下で誓うこと」です。

合わせると、もうこれ⇨☪️(雑)

めったに約束できないはずの魔法使いが、レノックスが、賢者様と「約束」するお話に衝撃を受けました。その覚悟たるや。
その約束の舞台になったのが星空の下です。


「孤月の夜の終わり」


他にも、「お前に星露の加護を」「月夜の庭園を肴に」など、
月と星、そしての表現が多い印象を受けます。

さぁここからは信仰の話になりますが、
一つの土地に住む農耕民族と、定住せずに渡り歩くモーセ達のような遊牧民族にとって、太陽月・星、それぞれどちらが信仰の対象となったでしょうか。

この考察は、3月オンリーイベント「まほやく学会」に提出予定の
テーマ「フィガロという神についての考察」に向けて執筆しています。

次回からファウスト、アレク、強い絆の二人を含む中央の国を更新する予定です。



【まとめ】

以上、主従(レノックス)=モーセ説でした。
文字数の関係でファウストと一緒に書けなくてすみません。
モーセの人柄や人生を知ってレノックスや革命軍の解釈が広がった気がします。今回も非常に自分が楽しかったです。

その他の考察についても後からマロで続々と追加情報を教えて頂き、この場を借りて感謝いたします!
感想も励みになっていて、本当にありがとうございます。
この考察は、一個人がそれっぽく妄想を書き連ねているただのクソデカ感想文なので、そのつもりでお楽しみ頂ければ幸いです。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました!
(今回使った絵文字が文字化けしていたら教えてください…)

おわり!

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