統合失調症と医者選びの大切さ

私は統合失調症当事者で、これまで5つの病院を転院してきました。今回は、これまでの転院の経緯をお話しつつ、医者選びの大切さについてお話しようと思います。

5つの病院を転院した経緯

1つ目の病院は入院した病院でした。そこは、退院するときに、看護師さんだったか、担当医の方だったか忘れてしまいましたが、「この病院は混むから変えたほうが良い」と言われて退院するときに病院を探すことになっていました。
これまで精神科にかかったこともなかったので、2つ目の病院はほぼ直感で選びました。その病院は、精神科の先生がたくさんいて、患者もたくさんいるような所でした。診察の時間に30分の縛りがあって、ちょっとお金儲けの感じが漂う病院でした。この病院に数回通いましたが、当時勤めていた会社の産業医に連携が取れる病院に転院してほしいと言われ、転院することになりました。
3つ目の病院は産業医と連携が取れる病院を産業医がピックアップしてくれていたので、その中から選びました。やはり、通ってみないとわからないので、ほぼ直感で選びました。その病院は、最初は医院長が診てくれていたのですが、様々な薬を試してくれてはいたのですが、ほぼ毎回「デイケアをやらないの？」と、勧めてくる感じでした。デイケアはやりたくなかったので断っていましたが。また、薬を減らしたいという要望を聞いてくれるのはいいのですが、後から同じ病院の別の先生Bに、「この量は再発の危険がけっこうある」ということを言われました。いつも通っていた曜日の医者が医院長からいつの間にか別の先生Bに代わりました。その先生Bは女性の先生で、困っていることを相談すると、しっかり考えてくださって何らかのアクションを起こしてくれる先生でした。アクションといっても薬を変えたり、薬の量を変えたりするのが中心です。
個人的には、結局、医者ができることって薬を変えることしかできないと思います。デイケアや入院などの措置を取ることも可能だと思いますが、病気や薬の副作用に対処できるのは、薬しかないと思います。
いずれにしても、先生Bはとても私には合った先生でした。しかし、ある日突然、その先生はいなくなってしまっていました。その病院をやめてしまったらしく、別の先生が担当されていました。その先生でも良かったかもと後から思うのですが、どうせなら自分でいい先生を探そうと思って、転院を決めました。
4つの病院はネットの評価を見て決めました。基本的に医院長だけが診察している病院で評判悪くなさそうに見えましたが、まったくやる気のない医院長でした。診察は数秒で終わり、薬も3ヶ月くらい処方するといった感じで、私の話を聞こうともしない感じです。ただ、薬も変える必要がないのかなと思い、3ヶ月処方してくれるから別にいいかと数年通っていました。けっこう長い間、副作用止めの薬を飲むと体があったかくなる症状がありました。仕方ないかと思っていたのですが、ある日、これは体に悪かったら怖いから、転院しようと決めました。そのときの医者では多分いい解決策は出てこないと思ったためです。
そして、5つ目の病院に転院し、今も通っています。5つ目の病院もネットの評価を見て決めました。今の先生は女性の先生です。決断力があり、困っていることを話すときちんと解決策を考えてくれる先生です。しかも、副作用止めを飲むと体があったかくなる問題も解決してくれました。メインの薬を飲むタイミングを朝だけだったのを朝と夜に分けることから始まり、今は薬の量も減らしています。また、メインの薬に副作用がありそうだから、このまま減薬したいと相談すると、他の薬に変えつつ薬も減らそうと提案してくださいました。人気があるので、混んでいますが、通い続けようと思える先生です。

医者選びの大切さ

どのような医者が合うかは人によって異なるかもしれませんが、特に統合失調症の場合は、薬をうまく調整してくれる先生が一番良いと思います。統合失調症の場合、薬はおそらく飲み続けることになるので、どの薬を飲むかが鍵を握っています。
また、統合失調症の場合、薬の副作用なのか病状なのか判断がつきにくいところがあります。それも含めて、薬の副作用を可能な限り減らそうと薬選びをしてくれる先生が良い先生だと思います。
逆に、薬の調整がうまくできない医者は、統合失調症の治療には向いていないと思います。また、統合失調症の治療に向いていない医者に通い続けると、患者である私達にとても悪い影響を与えると思います。病状で動けないのは仕方ないですが、本当は動けるのに薬の量や種類のせいで動けなくなってしまうというのは本当に有り得る話です。
なので、統合失調症の患者の方は、話を聞いてくれるとか怖いとか感覚で医者を決めるのではなく、きちんと薬の量を調整してくれるかで医者を決めたほうが良いと思います。
長く付き合うことになる医者だから、長期的に見たほうが良さそうです。道のない平原を長期間歩くとき方角を少しでも間違えると良くない方向にいってしまうように、医者選びを間違えると人生が悪い方向に行ってしまうというのは過言ではないと思います。