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若手プロに知ってもらいたいこと 著作権と肖像権

【写真の権利は誰にあるのか】

 「麻雀最強戦」に出場すると、カメラマンの寺内康彦さんという人に写真を撮られます。
 男子プロでも顔にファンデーションを塗って髪の毛のセットをしてもらえるので、宣材写真を無料で撮ったような感じになります。
 だから結構、宣材を持っていないプロ雀士から「あの写真を宣材として使って良いでしょうか」と聞かれることもあります。
 その写真は「最強戦」のDVDのパッケージなどに使われるのですが、さて、この写真の権利は誰が持っているのでしょうか?

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①撮影したカメラマン
②仕事を依頼してギャラを払った竹書房
③撮影されたプロ雀士
④全員

 答えは④の全員です。

 カメラマンには著作権があります。写真はカメラマンが作った作品と考えられるので、作曲した楽曲や、書いた小説などと同じ権利があるのです。
 
 そのカメラマンにギャラを支払った第三者にも権利があります。作品の一部を買い取ったという感じでしょうか。
 「最強戦」のケースで言えば、寺内さんが撮影した写真の権利を(一部)買い取っているという解釈になります。
 だから、比較的自由に竹書房は寺内さんの写真を使いまわします。
 普通はいちいち契約書など交わしませんから、常識的に考えて「最強戦に関するものであれば竹書房が自由に使える」と、双方が理解している状態と考えられます。
 
 撮影してもらったプロ雀士には、いわゆる肖像権というものがあります。ただ、これは正式な法律用語ではありません。ここではとりあえず「撮られた側の権利」が一応はあるということだけ理解しておいてください。

 つまり、それぞれがちょっとずつ違った種類の権利を持っているということですね。

 ちなみに私は法律家ではありません。これまで仕事をしてきた中で得た知識だけで書いているので、誤解なきようお願いします。

 また、かりに弁護士さんとかに聞いた場合でも「100%この意見が正しい」というものばかりではありません。
 権利の話はお互いの主張がぶつかり合うので、裁判や話し合いの結果、どうなるかはケースバイケースなのです。

【権利が一番強い奴は…誰だっ!?】

 では、カメラマンの寺内さんと竹書房とプロ雀士がもめた場合、一番強いのは誰なのでしょうか?


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