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最高位戦選手多数退会について私が書かない理由

【読後感の悪さは避けたい】

 数日前から「最高位戦日本プロ麻雀協会を辞めます」というツイートが多くあげられ話題になっている。


 さっそく、カネポンこと金本晃「近代麻雀」編集長から「何か起きてますよ? 黒木さん裏事情を全部知ってるんでしょ? 書いてくださいよ」という連絡があった。
 裏事情は全部ではないが、情報としてある程度はこちらの耳にも入っていた。昨年末ぐらいには今のような事態は想定していたし、カネポンが「書け」と言ってきて、私が困ることも分かっていた。
 それはそうなのだが。

 書く気が起きないのである。
 
 書けば多くの人が記事を読んでくれるだろう。儲かりそうだから、カネポンは「書け」と言ってくるのだ。
 だが、私の記事を定期購読してくれている方々は、あまり楽しくないのではないか。
 この件をどう書いたとしても、当事者に対して良くない感情が向けられてしまう。片方の味方をすれば片方が悪役になるし、フラットに書けば両方ともが悪いという評価になってしまいそうなのだ。
 そういう読後感の悪いものは書きたくない。それが私の正直な気持ちなのである。

 だからこの件が他人の口から広まって、デマが流れ始めた頃に私の出番があると思っていた。私はデマは嫌いで、それが麻雀界にとって良いか悪いかは別として、とにかく「間違った情報」は正したい。そういう意味を込めて「麻雀界の真実」という題名をつけている。決して「何でもかんでも考えなしに喋ります」ということではないのだ。
 
 しかしカネポンはしつこい。今朝も連絡があって「やっぱりみんな知りたがってます。ファンの声ですよ、これは。黒木さんには書く義務があります」とか言ってくる。
 そう言われても、私はnoteに書くために情報収集をしているのではない。あくまでも、日本プロ麻雀連盟の会員にとって有益な判断をしていけるように、金と時間を使ってせっせと働いているのである。
 金は使う一方で、誰も私に報酬は支払ってくれないから、たまにnoteでネタとして有効活用させてもらう「案件」はある。そうでもしないとやっていけないからだ。
 だが、私も少しは考える。否「この件」を暴露して個人的に儲けようとしてはならないということぐらいは、考えなくても本能的に分かる。
 それはただの「暴露」であって、誰の役にも立たない話だと思うからだ。

 そういう話をカネポンにしたら「じゃあ、役に立つように書いてください」である。呆れた。しつこい。「役に立つように書けますよね黒木さんなら。頭使って考えたら分かりますよね」と詰めてくる。
 外を歩いていて、雪が降っていて寒い。カサを持っていないから、頭が雪まみれになる。
 手がかじかんできたし、面倒くさくなってきて「わかりました。ただし一般論です。この件から想起される一般的な話を書きます。それでいいですね?」と言ってしまった。
 カネポンは「ハイ、いいです。何でも。何でもいいから書いてください」と言って電話を切った。

【win-winは綺麗事】

 約束通り、一般論しか私は書かない。したがって、ここから先、有料部分に入っても、決して「この件」の裏話が書いてあるわけではない。それだけはお断りしておく。
 また「この件」の概要についても、あえて私は書かない。分からなくて気持ち悪いという人は、申し訳ないがTwitterなどで検索して、ご自身で情報を集めてもらうしかない。
 一応は「この件」の意味が分からなくても、読んで意義があることは書くつもりなので、それで何とかご容赦いただきたい。

 さて、いつの頃からか使われ始めた「win-win(ウィンウィン)」という言葉だが、直訳すれば「勝ち、勝ち」で、要するに両者ともに勝者だね、みたいな意味だ。
 今回の件も、そういう風にはできなかったのかと思う人がいるかもしれないが、これは不可能に近いと私は思う。

 なぜなら「win-win」は「ただの利害の一致」を「良い感じに言っているだけ」だからである。

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