プロ団体統一が難しい理由
【私のメフィストフェレス】
やはりきた。カネポンからきた。
カネポンこと金本晃「近代麻雀編集長」が「次は統一できない理由を書いてください」と言ってきた。
理由は私なりに分かっている。だが、それを書くと他人や他団体への批判のようにもなってしまうから前回も書かなかったのだ。
それでもカネポンはしつこい。
「理由は連盟(日本プロ麻雀連盟)が他団体から信用されていないからでしょ」
そう言われて私はついイラっとして「違います」と口をすべらせた。
「何がどう違うんですか? やっぱり、連盟が信用されていないんでしょ?」
と追及してくるカネポン。
私がかいつまんで話すと「ザ・人間模様ですね! 面白すぎます! それを書いてください」と言ってくる。が、無理だ。
私が個人のnoteで「自分目線の勝手な話」を書いてしまったら、それこそ業界中の人たちの信用を失ってしまう。絶対に無理だ。
「じゃあ、信用を失わない範囲で書いてください。皆が知りたがっています。なぜ統一ができないのかを」
何やねんこの人は。鬼か悪魔か、否ちがう、放火魔だったわ。
まあでも、確かに知りたい人は多いだろう。それと「あくまでも一般論として」の「統一の難しさ」を語ることは有意義かもしれない。
無理矢理に自分を納得させて、書くことにする。
【雲散霧消した統一機構】
プロ連盟、最高位戦日本プロ麻雀協会、日本プロ麻雀協会、RMU、麻将連合の「五団体会議」をやることによって、徐々に各団体間の信頼関係は濃くなっていったと私は見ていた。その中でプロ麻雀団体の統一機構の案が浮上したので、私なりに期待していた。具体的にこうしましょうという企画書も作成された。それに向かって、様々なことを決める段階になった。
実現すれば、麻雀界の外部との折衝を機構が代表して行うこともできる。プロテストを機構で行って、合格者が団体を選ぶという案もあった。他にも様々なアイデアが出され、あとはそれを具体化するだけだった。
だが、ここからが大変だと私は思っていた。
たとえば、機構にきたオファーを受けた窓口担当者が私だった場合、そのオファーの「ゆるい部分」を利用してプロ連盟に有利なように事を運ぶかもしれない。「多井隆晴プロ、小林剛プロと、あと2人の人選はお任せします」という依頼があった場合、私が連盟員だから「自由に決められる2人」を連盟から選ぶのではないか、という意味である。
これは私だけが信用されていないということではなく、誰が担当しても生じてしまう「疑念」である。
こういった「不正そのもの」と「不正への疑念」を防ぐには、常に窓口に複数の人間がいなければならない。もらったメールなどの通信のやり取りを監視しておかなければならないだろう。
最初は「不信感」を抱きつつ、その「不信感をなくすための措置」をほどこしながら仕事を一緒にする。そうやっていく内に互いを信用することができれば統一に向かうし、逆のことが起きれば、さらに分断が進む。
そう思っていた矢先に、あることが起きてこの話はなくなった。
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