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プロ雀士の敬称へのこだわり


【麻雀プロに先生はイジリ?】

 少し前に話題になった記事がこれ。

 要するに、クイズ番組に出演した大学生が、伊沢拓司さんのことを「伊沢」と呼び捨てにしたことで、SNS上で批判されていると。それを伊沢さんが「X」で擁護したという記事である。
 その伊沢さんのポストはこれ。

 他愛もない話といえばその通りなのだが、そういえばプロ雀士の世界はどうなのかと。
 たとえば白鳥翔なら「白鳥プロ」なのか「白鳥さん」なのか「白鳥先生」なのか。どれが正解なのだろうか。
 実は麻雀界では敬称について慣例や決まりがなくて「白鳥プロ」でも「白鳥さん」でもどちらでも構わない。
 ただ「白鳥先生」は、少し「イジリ」の意味合いが出てくるので、あまり良くないと思われる。
 将棋や囲碁の世界では「白鳥九段」とか「白鳥名人」みたいに段位やタイトルを敬称のように使うが、プロ同士がお互いを「先生」と呼び合っているのを見たことがある。プロゴルファーは「白鳥プロ」のように「プロ」が敬称のようになっている。
 業界によってまちまちなので、仕事で初めてプロ雀士に絡む人は「どう呼べばいいのだろう」と思うかもしれない。
 マイナビ出版は囲碁と将棋の本を多く出版しているからか、プロ雀士のことも「白鳥先生」という風に呼ぶことが多い。
 本を出すということは、すなわち作家であるのだから、編集者が「先生」と呼ぶのは不思議ではないのだが、どうもプロ雀士に「先生」は似合わない。むずがゆいというか、気持ちが悪いのだ。
 私も「黒木先生」と言われると、ちょっと嫌だ。
 それは、私が誰にも何も教えていないからだと思う。
 以前、麻雀教室の講師をやったことがあって、私より遥かに年上の女性の生徒さんから「先生」と言われた時はギクッとした。一瞬「いじられてるやん!」と思ったのだが、よく考えたら講師なのだから生徒さんはそう言うだろう。私だって整体の先生や、ジムのトレーナーのことを「先生」と呼ぶ。それと一緒なのだから、イジられているわけではない。

 こういうことを言うと「じゃあ小島武夫はどうなんだ」と、そういう人が必ず出てくる。

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