若手プロに知ってもらいたいこと 撮影規制をどう考えるか
【フツーのことをフツーに言っただけ】
プロ雀士の写真撮影についての規制が発表されました。そこそこ大きな反響があり、色々な意見を言う人がいましたが、若手プロ雀士の皆さんはどのように思ったでしょうか。
これ「要するに今までと一緒ってことね。それをわざわざ『規制』という言葉を使って発表したってことね」と思わなかった人は、結構ヤバいですよ。
なぜなら、新たに発表された規制のすべてをちゃんと守ったとしても、特にプロ活動に支障はきたさないからです。「異常な行動さえしなければ問題なし」という規制でしかないんですよ。
この発表を見て浮足立ってしまった人は、おそらく「規制」という言葉に過剰反応してしまったのだと思います。
普段から「規制」についてネガティヴなイメージを持っているからそうなるのかもしれません。
でも、本来「規制」とは、全体の利益のために使われるものです。もちろん、そのために一部の人が不利益を被る場合もあります。
たとえば、スリをはたらかせないために、お祭り会場の入場人数に「規制」を設けたとしましょう。
この「規制」はお祭りに行きたい人全員にとって「スリ被害に遭いづらくなる」というメリットがあります。
一方で「規制」によって行きたい時間に行けなくなる人がいるかもしれません。その人にとってはデメリットですよね。
それと、スリをはたらきたい人にとっては大打撃です。でもスリは違法行為ですから、打撃を受けた方がむしろ世の中のためではありますよね。
「規制」という言葉を見ただけで反射的にネガティヴなイメージを持ってしまうと、判断をミスるケースが増えてきますので気をつけましょう。
もちろん、本当に自分が「規制」で損をする側にいるならワーワーキャーキャー言っても良いんですよ。さっきのたとえならスリ師はそうなるし、今回のテーマの話で言えば、盗撮しようとする側の人なら「規制」を嫌がって良いんですよ。自分のやりたいことを邪魔されるわけですから。
でも、実際の立ち位置は逆じゃないですか。
自分の立場から今回の規制を見た時に「はいはい」と思えばそれでいいんですよ。
おそらく「規制」と聞いて不安に思った人は「これを破ったらペナルティがあるのか」ということが頭に浮かんできたのでしょう。
普通、ペナルティがある場合は、ちゃんとそのことも告げられます。ペナルティについて話がない場合は、ないと解釈して大丈夫です。
いくつかそういった質問がありました。プロ雀士からだけでなく、お店や組合の理事長さんからもTwitter上でご質問やご指摘がありました。そういうことがあったため「この規制を破った場合でも、誰にもペナルティはない」ことを日本プロ麻雀連盟の公式Twitterで発表しました。
それで安心したプロ雀士の方もいたと思います。でも、これって実は、盗撮したい側にスキを与えてしまう結果となるんですよ。
以下がその他の主な質問です。
①これを破ったら何かペナルティがあるんですか?
②ペナルティがあるとして、それは客、店、プロ雀士の内、誰に課せられるのですか?
③特別なポーズとは具体的にはどういうものですか?
④1パターンで数枚程度っていうのは、具体的に何枚までですか?
⑤カメラのフラッシュは照明にあたりますか?
⑥雀荘以外の行政のイベントとかでも会場外の撮影は禁止ですか?
どれも、常識で考えればわかりそうなものばかりです。おそらくですが、規制について発表したプロ団体が信用されていないのでしょう。
【セミプロカメラマン問題】
何を発表しようとも、プロ連盟の姿勢は一貫して「普通にやってもらえればOK」なのです。
でも、なぜわざわざこのような発表をしたかというと「麻雀ファンの中に、特殊な撮影を強要する人が存在している」ことを周知させることで、盗撮などの犯罪を抑止したかったのです。
また「断りづらい」というプロ雀士の人たちのために「規制されているので」という理由を作り、少しでも断りやすくなるようにしたかったからです。
でも、色々と質問をされて、それに答えてしまうと、徐々に効果が薄れてしまうんですよね。
「規制とか言ってるけどバレなきゃいいんだから」とか「どうせペナルティがないんだから」とか。そうやって、また強引に写真を撮ろうとする人が現れやすくなります。
いずれはそうなるのですが、それが早まると言った方が適切かもしれません。
でも、きっとそうなります。
ただ、ここまで皆さんが興味を持ってしまった以上は、ある程度「正味の話」をした方が良いのかもしれません。
そう思って、私なりの目的を書くことにしました。大きく分けて目的は2つあります。
あくまでも団体の目的ではなく、この規制について動き、賛成した私個人の思惑ですので誤解のないようお願いします。
「目的」のひとつは、セミプロカメラマンの雀荘での活動に制限をかけることです。
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