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若手プロに知ってもらいたいこと Mリーガーになれる人となれない人の差

【取材ひとつで差がわかる】

 「Mリーガーの人は話が早くていいっすわ」とカネポンこと金本晃「近代麻雀」編集長が時々言います。
 どういうことかと言うと、Mリーガーの方々は、仕事を依頼した側の意図を理解してくれているから楽だということなんです。
 
 今年の「麻雀最強戦」の選手紹介VTRは、それぞれ「何かしら思い入れのある場所」を舞台に撮影しています。
 ふだん練習している雀荘だったり、勝負の前に行く飲食店だったり、毎日のルーチンに入っている散歩コースだったり。何かしらゆかりのある場所でインタビューしているのですが、そういう候補を聞いた時に「特にないです」と言ってくるようなMリーガーはいません。
 Mリーガーじゃなくても、ベテラン選手やテレビ対局慣れしている人で、そういう小学生みたいな対応をする人は見たことがないんですよ。

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 御年85歳で「近代麻雀」創刊よりもかなり前からプロ的な活動をしてきたレジェンド中のレジェンド、灘麻太郎プロでさえ、ものすごく協力的でしたよ。
 実は直前に体調を崩されていたので、自宅の近所で取材しましょうかと言ったのですが「いや、巣鴨の道場まで行きます」と言っていただきました。

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 伊藤優孝さんは、本当は競艇場で撮影してほしいと言ってきたのですが、撮影許可を取るのが難しそうだったので、競艇の予想をする喫茶店「ルノアール」を指定してくれました。「麻雀最強戦なのに競艇の予想をする喫茶店って!」と思いましたが、絵になっていてとても良かったです。

 もし、皆さんが最強戦に出られるようになったとして「思い入れのある場所でインタビューさせてください」と言われたらどうしますか?
 
 普通、なんかあるんですよ、絶対に。
 髪を切りに行くとか、トレーニングジムに行くとか、働いている雀荘だったりとか、亡くなった祖父母の墓前だとか。
 実際に撮影が可能かどうかは別として、試合前に一切何もやらない人間なんていないじゃないですか。
 なのに「特にないです」って。無気力な中高生じゃないんですから、プロとしてやっていきたいなら言ってはいけません。

 現状、それが許されるのは茅森早香だけです。茅森さんは、私のLINEに対し1分後に「ないですねー」と返してきました。
 私が「諦めはやっw」と返したら、また1分後に「家が良いです」ときました。結果、ご自宅でのロケとなりました。ママさん雀士だから、ご自宅は全然アリというか、面白くなりそうです。
 「麻雀以外一切興味ないし絶対に頑張ってなんかあげないわよ」という姿勢の茅森さんでさえ、ちゃんと協力してくれるんですよ。だからカネポンが「Mリーガーいいわー」と言うんですよ。

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 たぶん「特にないです」と言ってしまう人は協力したくないのではなくて「どうしたら良いか分からない」のだと思います。

 でも、本当は「分からない」のではなくて「考えていない」んですよ。

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