若手プロに知ってもらいたいこと 麻雀最強戦の人気投票はなぜああなったのか
【そういえば最強新世代は?】
いきなりですが、悲しい話をします。
「麻雀最強戦2023」では、無名の若手プロが食い込んでくるスキマが「ほぼゼロ」になりました。
最強戦のホームページを見れば分かるのですが、昨年まであった「女流プロ最強新世代」がなくなっています。一昨年まであった「男性プロ最強新世代」が昨年なくなり、今年は女性プロの回もなくなってしまったわけです。
理由は、視聴者数が少なかったからです。その上、主催者が出したいプロ雀士が多くいて、余地がなかったというのもあります。どこかを削ろうとなったら、残酷ですが「弱いところ」が対象になります。
ここで言う「弱い」は「麻雀が弱い」のではなくて「視聴者の数が弱い」という意味です。
「そんなに視聴者の数が大事なのか!」という人がいるかもしれませんが、むしろ「それ以外に何がありますか?」というのがコンテンツを作る側の意見です。
皆さんが麻雀をやっていて、必死で形式テンパイとって1,500点を取りに行くように、放送媒体は1,500人の視聴者を必死で取りにいくんです。
私は媒体とプロ業界の間に入って仕事をしている人間なので、この結果は非常に残念です。何とかしてほしいとは思いますが、人が経済活動を必死にやっているのに「みんな一生懸命やっているんです。可哀想だから出してあげてください」とは口が裂けても言えません。「遊びじゃないんです。視聴者が増えるようなキャスティングを考えましょう」と言われて終わりです。
おそらくですが、こういった「若手のための予選」みたいなものは、しばらくないと思ってください。カネポンこと金本晃麻雀最強戦実行委員長が失脚して新しい人に代わるか、カネポンがボケて同じ過ち(無名のプロの予選をやること)を繰り返すか。そのどちらかしかチャンスはありません。
【タイトルホルダーさえ出られない世界線】
次にめちゃくちゃ怖い話をします。
次の最強戦は4月8日の「最強&インフルエンサー決戦」ですが、これ、成り行きによっては全然違っていたかもしれないんですよ。
いつも女流のタイトルホルダーを集めた大会はやるのですが、今回の各団体のチャンピオンである水崎ともみ女流雀王、白銀紗希女流桜花、りんのなおプロクイーン、西嶋千春女流最高位の内、西嶋さん以外が初出場です。で、初出場ってことは最強戦の視聴者にはなじみがないわけで、そうすると視聴者数が期待できないと主催者は考えるんです。
で、本当に恐ろしいことなのですが「それだったら別にタイトルホルダーの回をなくしてもいいのでは。その分、インフルエンサー的な人をたくさん出せばいいのでは」という意見が竹書房の社内ではあったんですよ、実際に。
私はそれを聞いた時「ええええ」と言いましたが、同時に「まあでも、メディアの判断ってそうよな。それが普通よな」とも思いました。タイトルを持っていなくても、ファンを持っていればいいんですから。
だから「まあ、もしかしたらそれもありなのかも」とは言いました。
でもな、んんー。
私は数秒考えました。
ここから先は
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?