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若手プロに知ってもらいたいこと WBC栗山監督と萩原聖人さんのインタビューに学ぶ

【WBCの快進撃】

 WBC(ワールドベースボールクラシック)で日本代表は順当に勝ち進んでいます。ダルビッシュ有選手と大谷翔平選手が参加しており、注目度の高い大会になっていますよね。
 実際のところは分かりませんが、やはり栗山英樹さんが監督になったことで、日本ハムファイターズ時代の所属選手だったメジャーリーグのスター選手2人が参加してくれたのではないかなあと、勝手に想像しています。
 栗山さんは若くして現役を引退した後は、スポーツニュースなどのキャスターをつとめていましたが、彼の現役時代を知らない人が見たら「え? この人アナウンサーじゃないの?」と言われるぐらいに喋りがうまく、クレバーで立ち回りもうまかったんです。
 特に、他の解説者や選手と共演する時は、うまく聞き役に徹していて、本当に局のアナウンサーが質問しているみたいでした。
 そういえば、この前、WBCの監督として松坂大輔さんの取材を受けている時は、どちらがインタビュアーか分からない感じになってました。松坂さんがスーツ姿で、栗山監督がユニフォーム姿なのに、です。
 それぐらい、話すことについても「プロ」の栗山監督が、イタリア戦の前の記者会見で「えー、えー」と「人前で話す時にやってはいけない典型」の「えー、そうですね。えー」というのをやっていたんです。
 私は違和感を覚えながらも「もしかしたら」と思い始めました。
 これはもしかしたら、栗山監督の狙いかも? と思ったのです。

【萩原さんのメッセージ】

 私がスポーツ選手や監督などのインタビューに「隠れた意図」があるのではないかとアンテナを張り巡らせるようになったのは、萩原聖人さんの影響です。
 萩原さんは20年以上前から、プロ雀士がテレビ番組で受けるインタビューについて、様々なアドバイスをしてくれていました。
 それを言われて「うるさいなー」と思った人は成長が止まり、真剣に耳を傾けて「できることからやってみよう」とした人は、見違えるほど喋りがうまくなっていきました。


 滝沢和典と佐々木寿人もそうでした。ある時から急にインタビューのコメントが「おっ」と言わせるものになってきて、本人たちに聞くと「萩原さんが、こうしたらいいよってアドバイスくれるんで、その影響だと思います」と言っていました。
 残念ながら、当時の私は人前で喋る仕事がなかったため、萩原さんから直接教えてもらうことはできませんでしたが、時を経てMリーグが開幕し、萩原さんがインタビューを受けるたびに「なるほど」と思わされるようになっていきました。
 

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