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若手プロに知ってもらいたいこと 自分が書いたものへの責任の取り方

【どういうスタンスでものを書くか】

 何かを書いて世の中に発表する際に、人それぞれ大切にすることは違うと思いますが、商売でやっている人はまず「面白さ」を最優先にするんですよね。極端に言うと「多少間違えていても面白い方が良い」という考え方の人もいます。
 これはひとつの生き方ですが、そっちに振り切ってしまうと、敵を作ることも多くなります。敵とまでいかなくても「協力」が得られなくなっていくでしょう。
 メリットは「多少は間違っていてもいいから勢い重視で厳しいことも言える」ことでしょうか。私はけっこう古い考え方だと思うのですが、いまだに「辛口の批評の方が真実味がある」という「雰囲気」が残っており、そういう論調が支持を受けることもあります。
 あとはスピードですね。事実関係をちゃんと調べるのって時間が必要なんです。その時間が省けるので「だろう運転」みたいな原稿の書き方でOKなら、ネット上にアップするのも早くなります。

 私の場合は、よほど「大丈夫」という自信がある時以外は、誰かのことを書く時は事前にチェックをしてもらいます。
 人によっては「良く書かれていても、事実と違うことは気持ち悪いからやめてほしい」という方もいるので、そのあたりはけっこう気をつけているつもりです。
 特に相手が作家さんの場合は本当に気をつけないと、異常なほどの記憶力を持っていたりしますからね。私の記憶では「こう」と思っていても「実際はこうで、あなたこう言って、私こう言ったのよ」って言われて、急に光景が脳に浮かんできて「そうでしたわ!」ってこともありました。
 こういう作業を経るので、noteなどネットにアップする記事についてはノーチェックの原稿よりも数時間アップが遅れます。それはデメリットなのですが、必要な作業なので仕方ないと思います。
 また、なぜか文章や使う熟語、単語等に「こだわり」があるタイプもいて「ここをこう直してほしい」と言ってくる人もいます。
 え? さすがにそれはライターの領分だよ? と思うこともありますが「まあ、どうせ私の文章なんて」と思って素直に直します。
 すると、だいたいは元の文章から劣化するんですよね。部分的に直すと、おかしくなるケースもあります。
 でも、それも含めて自分の実力ですからしょうがないんです。最初から、チェックする人が気持ちよく「このままでOKですよ」というものを書けばいいだけの話ですからね。

【ルールある戦い】

 プロ雀士が業界のことについて文章を書こうとすると、必然的に私と同じようなスタンスになると思います。そうしないと、業界で生きていけませんからね。
 私がもし「売れれば何でもいい」と考えて、あることないこと全部ぶっちゃけて、それこそ「多少はウソだったり盛ってもいいや」というスタンスで業界のことを書きまくったら、相当な売り上げになるでしょう。

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