見出し画像

流れの正体 人生が流れ論の馬場さん

【バビィの遅刻システム】

 打ち合わせの時間が近づいたので部屋を出た。部屋はマンションの5階。エレベータの前に着いたが、間一髪間に合わず。ちょうど箱は5階を通り過ぎていくところだった。
 その人は踵を返し、部屋に戻って歯を磨きはじめた。20分ほどして再び部屋を出て、結局、打ち合わせには30分以上遅刻してしまった。
 これは、かつて数々の大遅刻伝説を作ってきた馬場裕一プロの行動パターンのひとつ。理由は「流れが悪いから」である。
 私は馬場さんと知り合った当初、これと似たようなエピソードを周囲の人から聞かされてきたが、全部冗談だと思っていた。
 単なる遅刻の言い訳とか怠惰とか、笑わそうと思って言っているのだと思っていたが、一緒に仕事をしてみてよく分かった。この人「因果応報」や「宿命」という概念を「マジか!?」というぐらい大切にして生きている。せっかく良い企画書を作って相手に会う約束をしても、その日が「流れが悪い」と判断したらアポをキャンセルしてしまうこともある。逆に「今日は良い日」だと思ったら、多少強引にでも話を進め、プランを大幅に変更してイベントや仕事を確定させてしまう。

ここから先は

2,218字
この記事のみ ¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?