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若手プロに知ってもらいたいこと プロは牌譜検討配信するべきか

【言い訳】

 「大和証券Mリーグ」のレギュラーシーズンが終わって「セガサミーフェニックス」が3回目の最下位になりました。
 で「牌譜検討配信ぐらいしてよ」と、そういう要望が出たりしているようです。
 要するに「努力している姿だけでも見せてくれないと納得できない」ということなのでしょう。
 で、以下のポストを見て、思ったことがあって、この原稿を書いているわけです。

 この人は「言い訳できるように」と言ってるのですが、まあ実際に「言い訳」的な意味合いはあると思うんですよ。牌譜検討の配信って。
 もちろん、それだけじゃないですよ。
 でも、ただ勉強するだけなら、いちいち配信する必要はないわけです。練習みたいなものなんだから、人に見せなくても良いんですよ。
 でも、なぜ見せるかというと「ここでこの牌を切った理由」をちゃんと説明しないと「こいつセオリー知らないバカ」「へたくそ」「頭悪い」みたいに思われたり言われたりするからなんですよ。実際にそう言われているのを何回も見てきましたから間違いありません。「Mリーグ」の話だけをしているのではなく、麻雀を映像で配信して、それをコメント欄などで「あーだこーだ」言えるようになってからずっと、そういうのはあるんです。

 でも、ちゃんと配信して「これこれこういう理由でこう打ったんです」と説明をすると「すげーこの人」「頭よすぎる」「そこまで深く考えてるのか」と、急に称賛されたりするんですよね。

 こちらとしてはビックリなわけです。他人のことを「へたくそ」とか言うぐらいに自信があるなら、そんな理由、いちいち説明しなくても自分で考えたら分かるんじゃないの? って、そう思うんですよね。で、説明聞いて「すげー」ってなるぐらいなら、最初から人のことバカにすんなよって思うんですけど、そこそこの人数が、そういうリアクションになるわけです。
 もちろん、牌譜検討配信しているプロ雀士たちが、そんなこと考えてるわけじゃないですよ。私が「そういう効果がある」と考えているだけですから。
 でもこれ、的を外してはいないんです。断言するけど、客観的事実なんですよ。実際に「牌譜検討配信やらないで負けている人」は叩かれるし、やっている人は「ナメられない」んですよね。
 だから「牌譜検討配信」って、ある意味で自己プロデュースの一環とも言えるんです。どうせ、試合が終わって頭が活性化しすぎてすぐ寝られないんだから、振り返りぐらいやっとこかと。で、どうせやるんなら、自分がサボらないためにも、配信して皆さんとワイワイやった方がファンも喜ぶし、自分のためにもなるし。そんな感じでやっているのでしょう。

 純粋に「勉強」のためだけなら、自分の部屋で、一人でじーっと牌譜とにらめっこですよ。そっちの方がお客さんの目を気にせず、自分が見たい局面をアホみたいに5回も6回も繰り返して見られるし。集中できるし。相手の表情とか手つきとかに「キズ」を見つけたら、その映像を繰り返し見たりしたいはずですよ。

 でも、皆さんと一緒にやるのは「サービス」なんですよね。あくまでも。

【AIより先に素人にやられる未来】

 考えを言わないと「下手」と言われて、ちょっと普通に説明しただけで「すげー」ってなる。
 何でこんなに極端なのかなーと。それが不思議で最近ずっと考えていたんですよ。

 で、今回の件があって、記事を書くことになって、考えたらわかったんです。答えが。

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