プロ雀士スーパースター列伝 朝倉康心 編
【プロ以上だったASAPIN】
私はアサピンを日本プロ麻雀連盟に入れようと勧誘していた。
それは彼がスター性を持っているからだ。
アサピンとは朝倉康心の天鳳アカウントASAPINのことで、最初は本名を知らずアサピンと呼んでいたので、私にとっては「朝倉」はしっくりこないのである。
アサピンはプロ入りするかなり前「マイナビ出版」から戦術書を2冊出したが、どちらも麻雀企画集団バビロンが編集を担当した。1冊目がすごい勢いで売れて、同じ年にもう1冊出すという異例の事態が起きた。当時のマイナビのシリーズでは、プロ雀士の本でも、ここまで売れたものはなかった。
その時点でアサピンはプロ雀士以上の商品価値を持っていたわけだが、私はプロの世界に誘う気はなかった。
彼を担当していたのはケネス徳田で私は面識もなかったし、アサピンはプロではないことに意義があると思っていたからだ。プロ雀士の対立軸として天鳳位があって、その象徴がアサピンという方が面白そうだと思っていた。
本が出た2年後の2016年に「天鳳位vs.連盟プロ」という企画があった。その時点で天鳳位になっていた皆さんにオファーをした。天鳳のつのだ氏にお願いして連絡をしてもらったが、もちろん、個々に事情があって全員に出場してもらうことはできなかった。
それでも天鳳位5人が出場してくれたので、プロ連盟からも鳳凰位経験者を中心に5名を出した。
1st.seasonは天鳳ルールでアサピンが優勝した。
2nd.seasonはプロ連盟公式ルールで前原雄大が優勝した。
アサピンは決勝には残れなかったが「WRC」ルール(一般的な一発・裏ドラありルール)で行われた3rd.seasonでは、独歩、かにマジンとともに決勝に残った。
ここも前原が制した。
プロ側としては、1st.seasonには出場せず、2nd.seasonから出て連続優勝した前原の活躍が光ったが、アサピンは天鳳サイドからの唯一の優勝者であり、決勝進出も2回果たすなど「エース」として十分な活躍を見せた。
5名の天鳳位の麻雀を実際に見た森山茂和日本プロ麻雀連盟会長は、天鳳位の実力を認め、理事会で「ある提案」をした。
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