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プロ雀士スーパースター列伝 馬場裕一 編


【人を挟んでのアドバイス】

 馬場裕一さんが代表取締役をつとめる「有限会社バビロン」に私が入ったのは1999年6月のことだった。
 ちゃんとしたオフィスがあるわけではなく、ライターたちが自宅などで原稿を書き、メールで連絡を取り合うスタイルだったので、馬場さんと顔を合わせるのは週に1回か2回だった。
 バビロンで引き受けたイベントがあったり、麻雀界で事件が起きた時だけは集まった。打ち合わせが必要になったら、高田馬場のさかえ通りにあった「二月の兎(という店名だったと思う)」や、新宿三丁目にあった「わ」などに集まって話し合いをした。
 文章を書くことについてのアドバイスを直接もらったことはなかった。
 先輩ライターのOさんを通じて「書き出しが大切。センテンスは短く。リズムの良さを重視して。難しい言葉は使わないように」という助言はいただいた。
 馬場さんが持っていた「THEわれめDEポン!」の観戦記の連載は私がやることになった。
 当時は「何でも簡単に他人にやらせる人だな」と思っていたが、バビロンの給料を支払うため、馬場さんはアルバイトで忙しかったのだ。
 馬場さん自身の生活費は編集プロダクションのアルバイトで稼ぐ。
 これまで竹書房からもらっていたお金は全額バビロンに入れる。
 アルバイトで忙しいから原稿はバビロンのスタッフに任せる。そうすることで文章力も養われていくだろう。
 そんな感じだったと思うが、いちいち説明はされなかった。

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