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学び方の変化と麻雀熱【文・望月雅継】

【牌譜検証】

初めて近代麻雀を手に取ったのは14歳の頃。
穴が空く程隅々まで読み尽くし、欄外にあった全ての何切るを解き、牌譜は切り取ってスクラップにしていたくらいに夢中になっていた日を思い出す。

タミーラ(田村光昭さん)の何切るの片隅にあった小さな小さな記事。

『プロテスト募集』

未来の自分に胸踊らせ、焦る気持ちを抑えながら願書を書いたのが19歳の夏。
この世界に飛び込んでからもう四半世紀が経ったなんて、本当に信じられないままこの原稿を書いている。

いろんな事があったここまでのプロ活動。
麻雀を取り巻く環境がこんなにも飛躍的に進化するだなんて、あの夏には思いもよらなかった。


買い求めた牌譜を必死になって実際に卓に並べて、一打一打検証していた勉強法も今は昔。
現在では動画を再生すれば簡単に検証することができる便利な時代になった。
その結果、麻雀プロのレベルは格段に上がっているのが実感できるし、映像媒体で活躍する選手たちの中には、それぞれの個性を生かした魅力的な選手が増えてきている事が本当に嬉しく思う。


映像対局を観る環境さえ整っていれば、全国どこにいてもリアルタイムで麻雀の対局を観戦することが出来るこの時代に麻雀プロでいられるということに感謝しなくてはいけないな、と、ふと思ったりもする。そんな時代を生きていることは素晴らしい事でもあるわけだし。

【静岡支部の熱】

だが…
たった十数年前には、トッププロの対局を学ぶ為には牌譜から読み取るか、対局会場まで足を運ばなくてはならなかったという時代があった事を忘れてはならない。


25歳の頃、私は日本プロ麻雀連盟静岡支部を立ち上げた。
主催するリーグ戦にトッププロを招き、公開対局を行い、いろいろな質問をぶつけたりもした。
その公開対局で先輩から聞いたことや学んだ事、採譜した牌譜を後日並べ直し、支部の仲間達で何度も何度も検証を重ねたことが今日の自分の麻雀の根幹になっているのは言うまでもないが、それらと同じくらい当時から重要に感じていたことがある。


それは、タイトル戦決勝戦の観戦。
静岡支部の仲間達と共に、時間が許せば決勝戦の観戦に行っていた。

地元浜松から東京へ。
ワンボックスカーに仲間達が身を寄せ合い、私はハンドルを握り、何度もみんなで観戦に行った。
鳳凰位決定戦をはじめ、王位戦、マスターズ…時には、最高位決定戦や最高位戦クラシックの決勝戦にも足を運んだ。

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