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女性プロたちは今、何を思う -未来の女性Mリーガー候補たちの声-

取材・文/東川亮

必ずやってくるチャンス

今シーズンのMリーグドラフトでは、タイトルホルダー3名が指名を受け、新たなMリーガーが誕生した。ドラフト前にはU-NEXT Piratesが女性選手を指名しない方針を公開していたが、これはあくまでも「厳選の結果、女性選手が候補に残らなかった」というだけであり、性別を理由に選考から外したわけではないことは、誤解のないよう明記する。

ただ今回のドラフトにおいて、女性選手がほぼノーチャンスだったのは事実としてあるだろう。

一方でMリーグには「チームを男女混合で編成する」という決まりがある。つまり、今後選手が入れ替わる、あるいは新チームが参入するなどの理由で、女性選手が指名を受けるケースも十分考えられるわけだ。

やがて訪れるかもしれないチャンスについて、女性プロたちはどのように考えているのか。有力選手たちの声をお届けする。


宮内こずえ「20年のキャリアで培った『宮内こずえ』が求められるかどうか」

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宮内こずえ(日本プロ麻雀連盟:麻雀最強戦2021ファイナリスト)

宮内こずえは、今ではMリーガーとなった二階堂瑠美・二階堂亜樹らと共に、長年にわたって女性麻雀プロの道を切り開いてきた打ち手だ。実力・実績共に申し分なく、過去には彼女を獲得候補としてリストアップしたチームもあったという。

─麻雀プロとして、Mリーガーを目指すのか─

あまりにありきたりな質問に対し、少しの間を置いて宮内が語った言葉には、ある種の厳粛さがあった。

「もちろん選ばれたらいいなとは思いますけど、目指す、目指さないというより、現状については指名に至るほど私を必要としてくれる企業がないんだな、という捉え方をしています」

もちろん、意欲はある。しかしだからと言って、宮内は現状の自分を変えてまで、新たな何かをするつもりはないという。

「Mリーガーになりたいという思いは常に持っていて、それはこれまでも言い続けてきていますし、企業にもアピールはしていくつもりです。ただ、今売れてきているキャリア数年のプロであれば、これから新しいことにチャレンジできるでしょうし、そうしてもいいと思いますけど、私に関しては、プロ歴20年のキャリアの中で培った『宮内こずえ』というキャラクター、『宮内こずえ』の麻雀があります。それを今さら変えることはできないので、そのままの私を貫いた上で麻雀と向き合っていくしかないと思います」

一方で、宮内は今年春に発足した、日本プロ麻雀連盟四国支部の支部長を務めることになった。事務的な仕事が増え、それが今後のプロ活動に影響することもあるのではないか。

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「いえ、それはありません。支部長に関しては『四国支部を盛り上げてほしい』と言われて就任しました。私は今も東京に住んでいますし、活動も基本的には今までと特に変わることはありません。私自身、まだまだ一人のプレーヤーとして頑張っていきたいですから」

一人のプレーヤー。しかしそこに肩書きが伴ったことで、宮内は自身に向けて寄せられる、新たな期待も感じている。

「たとえば、もしも私がMリーガーになれたなら、それは四国支部にとってものすごくいいことだと思うんですよ。四国支部はまだ立ち上がったばかりですけど、地方で活躍するプロたちにとって、いい目標になれるのであればうれしく思います」

まずは、今できること、やるべきことをやる。それは、目の前の対局に勝つことだ。

「女流桜花とプロクイーンを獲って以降、毎年放送対局では何かしらの結果を残せていますけど、自団体の大会やリーグ戦で不調が続いています。まずはそこでまた勝って『宮内こずえは本当に強いよね』と、今まで応援してくれている人たちをガッカリさせないようにしていきたいです」


今日の麻雀界において、『Mリーガーか、そうでないか』という差は、外野からは非常に大きなもののように感じられる。しかし、麻雀プロとしてあるべき姿は変わらない。ファンの期待に応え、勝つ。それがプロとしての評価となることを、第一線を張り続けてきた宮内は知っている。

勝つ、という意味では、近年めざましい活躍を見せているのが、菅原千瑛だ。ドラフト前には、Mリーガー候補に彼女の名前を挙げる声もあった。


菅原千瑛「Mリーガーにはまだ足りない 愚直に腕を磨き、内容と結果が伴う麻雀を見せる」


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菅原千瑛(日本プロ麻雀連盟:第2期桜蕾戦優勝・麻雀最強戦2022「女流チャンピオン決戦」優勝)

菅原はここ1年ほどで「RTD Girls Tournament 2021」「桜蕾戦」「麻雀最強戦2022 女流チャンピオン決戦」と、注目の集まるタイトル戦で勝ちまくってきた。勢いとしては十分に思えるが、本人は「実力も知名度もまだまだ足りていない」と語る。

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