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鈴木大介、この人だけは勝ち上がってほしくなかった───最強戦2024「Mリーガーvsタイトルホルダー」24/06/15 文・阿久津翔太


皆さんこんにちは!

先日行われた麻雀最強戦2024 Mリーガーvsタイトルホルダーはご覧になったでしょうか?

ファイナルで戦う可能性があるのは誰になるのかという視点で見るのは初めてで新鮮です笑

まだ観ていない方はぜひABEMAプレミアムに登録して見返したりキンマwebの観戦記を読んだりしていただけたらと思います!

予選A卓の出場メンバーは谷井茂文プロ、松ヶ瀬隆弥プロ、鈴木大介プロ、三浦智博プロの4名。

勝者予想で最も票が多かったのは最強戦において無類の強さを誇る鈴木大介プロ。

ファイナルで戦いたくない相手は?と聞かれたら真っ先に鈴木大介プロを挙げたくなるぐらいの強さ。

まぁでもそんな毎年毎年勝つなんてことは…

【大介プロの勝負所の見極め】

まず面白かったのが東2局

役牌を重ねての役牌ホンイツドラの満貫ルートかメンゼンでリーチを目指すルートどちらを重く見るか。

僕は3pチーの魅力もあり、ホンイツを重くみそうですが松ヶ瀬プロの選択は打白。

6p引きでも7mを切らずに發を切り、6mを引き入れたことでかなりメンゼンで高打点が見える手になりました。

対照的な選択となったのが大介プロ。

4p切って2m引きどうするか、というのが大体の人ですが大介プロは打1pの選択。

メンチンってこんな簡単にテンパイするもんだっけ?と錯覚するぐらいあっさりとテンパイし三浦プロから12000のアガリ。

東3局、2軒リーチを受けた大介プロはここから打8p。

2sが2人に対して現物なので一旦2sを切って優秀な牌を引いたら3s勝負というのが普通で、実際にそれが最善だと思います。

ピンズが安全に落とせるのであればピンズに手をかける選択もありですが、8pはまだしも、6pは谷井プロに、7pは両者に危険な牌です。

8pの次に6pを切り、谷井プロへの6400の放銃に。

前局が大介プロらしさであり、今局もまた大介プロらしさではありますが、この放銃をする人物が最強戦で勝ちまくってるというのはどうしてと思う人もいるかもしれません。

なぜ大介プロが最強戦で勝ち続けているかの理由は南場にありました。

南2局1本場、大介プロはこの手牌から中のポン。

この局で重要なのは大介プロにとって自分でアガリにいく必要性が極めて高いということです。

現在親番の松ヶ瀬プロにあがられることは自分の通過が苦しくなっていくことを意味しますし、三浦プロが高打点をアガったならば三つ巴状態となり、それもまた苦しい展開となります。

つまり、大介プロにとって自分のアガリ以外で嬉しいのは谷井プロのアガリか三浦プロが安くアガる、もしくは親がノーテンで流局するのいずれかです。

ただ、谷井プロは放銃さえしなければかなり有利なポジションなので簡単な早い手が入らない限りオリることが多い状況ですし、何より親の上家にいるということで親の松ヶ瀬プロが何か仕掛けた場合は絞りに徹する可能性が高いです。

三浦プロは安くアガって1局を消化しても自分以外の3人がアガリにくる苦しい南3局、南4局が続くため、ここで満貫クラスを狙いにいくのが得策で、実際に大介プロが三浦プロの麻雀を見ていればそういう打ち方をしてくる人物であることは想定しやすいでしょう。

何のアクションも無しに親がノーテンで流局というのもなかなか無いので、この局は自分のアガリ以外で幸せになる可能性がかなり低く、自分がアガれない=状況が悪化する可能性大です。

よって、大介プロにとってこの局というのは命懸けでアガリにいく局であり、それを理解しているからこそのこの巡目、この手牌での仕掛けです。

これは余談ですが、そもそも上位2名勝ち上がりのいわゆるトーナメントというレギュレーションにおいて、暫定1位というのはかなり有利で余裕があり、暫定2位というのはこういった命懸けでアガリにいく展開が増えるため、暫定1位になっておくことの大切さというのも大きいです。

この局はアガリとなりませんでしたが、続く2本場では、

6pのリャンメンチーから発進し、

見事にアガリきり、大事な関門を突破しました。

こういった全力でアガリにいくべき局でそれを徹底できるのが大介プロが最強戦で勝っている1つの理由だと思います。

【三浦プロのリャンメン拒否シャンポン、松ヶ瀬プロのツモらず】

南3局1本場ではカン5sのチーをしている三浦プロがここでリャンメンにせずシャンポンにする打4p。

僕は三浦プロとは同じA2リーグ所属ということもあり、これの7000倍とんでもないリャンメン拒否ツモり三暗刻を見てきたので驚きませんが、状況的にも高打点への意識の強さが表れた1打でした。

そんな三浦プロの仕掛けを受けて、松ヶ瀬プロは300・500は400・600のツモアガリとなる2pを引きましたがアガらずという選択をしました。

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