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新Aリーガー・阿久津翔太の最強戦から学ぶ勝利への道「女流新スター決戦」24/03/17

皆さんはじめまして!
日本プロ麻雀連盟所属の阿久津翔太です!

誰やねん! って方向けに簡単に自己紹介すると、1996年4月23日生まれの27歳・麻雀プロになって4月で7年目、A2リーグで戦いながらA1リーグ放送の実況を担当する予定です!

さてみなさん、先日行われた麻雀最強戦2024 女流新スター決戦をご覧になりましたか?

まだ観てないという方はとても面白く熱い戦いだったので、ぜひABEMAプレミアムに登録して見返したり、キンマwebの観戦記を読んだりしていただければと思います!

で、僕の方は何を書くのかと言いますと、この女流新スター決戦の決勝戦を観て面白かった局面について書いていこうかなと思います!

決勝の対戦メンバーは予選A卓から勝ち上がった小宮悠プロ原えりかプロ、そして予選B卓から勝ち上がった安藤りなプロ中田花奈プロの4名。

【正確にアガリ続ける小宮悠】

まずは早くも勝負を分ける1局となった東1局

親番のドラ6mのこの手で5pを切った選択にびっくりしたのは解説の岡田紗佳プロだけではないでしょう。

マンズが二度受け、しかも重なってる受けの部分がドラ表示牌、そして456や567の三色にもなり得る形ということで3mを切る一手というのは間違いありません。

結果的には道中で5pを引き戻し、47p待ちの先制リーチを打つことに成功しました。

親のリーチに対して2s、5sと勝負してリーチにいったのはドラドラの小宮プロ。

リーチを打つ前にもう1枚危険牌を持ってきたら安全に1p3pと落としていくかどうかというところだと思いますが、これぐらいのプッシュで済むなら親のリーチにも十分押し返せる手と判断してしっかりと勝負していき、安藤プロから8000点のアガリに成功しました。

小宮プロはずっと強い強いと言われてきた前評判の高い選手ですが、実際にここから加点を積み重ねます。

東2局で原プロが1000allをアガるも、1本場で小宮プロが3900は4200、

東3局で1000点と2局連続のアガリで親番を迎えて、

親番で發をポンした後に、安藤プロのリーチを受けた一発目。

親とは言えトップ目、そして現物も十分、オリになりそうと思っていたところから最高の3m引き。

1人しか勝てないこの戦いにおいてこの程度の点差は全くセーフティーリードではないと今までの戦いを見て、実際に戦って感じていた小宮プロは5sを勝負して見事2900点のアガリで3局連続のアガリとなりました。

「これは風じゃないですよ、腕ですよ」

そう実況する日吉プロの言葉に誰が疑問を感じることでしょうか?

間違いなくこの4人の中で誰よりもプレッシャーを跳ね除けてただただ正確に選択してアガリを積み重ねていった小宮プロのリードというものは砂上の楼閣ではなく確かなものでした。

少し場面を遡って東2局1本場、(小宮プロがカン8mでアガった局)

中田プロはここから9sを切ってテンパイ取らずとしました。

下家で仕掛けている小宮pへの対応を考えていて、最終手出しの6sに注目して5sを切れないと判断した中田プロでしたが、実は6sは4枚見えで2sも通っているため5sは限りなく通りやすい牌だったため、安全にテンパイを取れる局面でした。

終了後のインタビューでも、色々考えすぎてミスしてしまったと語る中田プロ。

観ているのと打っているのとでは考える量が違いすぎて何か情報が頭から飛んでしまうというのは僕も打っていて何度も感じますが、そういったミスをするたびにもっともっと強くならなくてはと思います。

今や解説をしている岡田プロのように、いつか中田プロもさらに強くなり、新スター誕生の場を解説する側になって、あの頃は私もこんなミスを〜なんて話してる光景が訪れるかもしれませんね。

(ちなみに結果的にはミスのおかげで8mの放銃を回避しました笑)

【原えりかの0から1を生み出す能力】

場面は戻って東4局1本場
42100点持ちの親番小宮プロから入ります。

「これやられたら終わっちゃうぞ。それだけの手だぞ」

12000以上確定のリャンメン待ち。しかも6山

ツモって裏が乗って跳満になろうものなら…

そう思い息を飲み込んだ視聴者は僕だけではないでしょう。

他三者にとっては自分の優勝確率が0に大きく近付いてしまう絶望のリーチ。

しかし、そこに待ったをかけた少女がいた。


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