悔しくて眠れない。2年間の軌跡【文・大塚 翼】
先日の麻雀最強戦2024 全日本プロ選手権に出場して敗れた日本プロ麻雀協会の大塚翼です。物凄く濃かった2年間の自分を書きたいと思います。
2022年
2022年、目立った実績もなく、ぱっとしない麻雀人生は突然スタートした。
2022年麻雀最強戦 全日本プロ選手権の予選を勝ち、ABEMAでのデビューが決まったのだ。競技麻雀を知ったきっかけが、アマチュアの最強戦予選だったので、めちゃくちゃ嬉しくて、ずっとそわそわしていたのを今でも覚えてる。決勝では、リードしている状態で4枚切れている字牌があるのに、聴牌から謎の降りをして、猛追をくらったり、オーラスに2件リーチをくらい、一発や海底を消してたら、安牌なしの地獄の4センチになったりと道中色々あったが、運よく優勝することができた。
この時は、やらかしてしまった気まずさから、素直に優勝を喜べなかった。
そして、進んだ、ファイナル。このまま最強位を獲っちゃう?とか思ってたけど、現実は甘くなかった。鈴木大介さんにボコボコにされて、あえなく敗退してしまった。この時は、積極的にいけなかった自分を悔いた。
2023年
ファイナルから3か月後に麻将連合さんのG1タイトル BIG1カップを獲得した。正直、こんなにも早くビッグタイトルを獲得できるとは思わなかった。
この最強戦ファイナルでの後悔から、BIG1カップではしっかりと攻めた麻雀をすることができた。最強戦ファイナルでの経験がなければ、獲得することができなかったと思う。
BIG1を獲得した数日後に、黒木さんから連絡があった。
最強戦が開催される日は開けておくようにと。
なんとなく、Mリーグスペシャルマッチの結果によって、自分が出場できるかできないかが変わり、男性プロが勝たないとダメだろうと悟っていたので、決勝卓は園田さんをめちゃくちゃ応援した。
高宮さんから早いリーチが入って、「高宮さんやめろ、やめろ」って思ってた。(笑)
そして、無事園田さんが勝ち、骨肉の争いのドリブンズ卓に放り込まれた。
この絵は自分で見ても、違和感があって笑ってしまう。
しかし、前年度のプロ選手権を優勝したのにも関わらず、BIG1を獲得してやっと代打にしかなれなかった時点で悲しかった。自分調べでは前年のプロ選手権優勝者が翌年に呼ばれていない人は見たことなかった。
だから、骨肉の争いは絶対に負けれなかった。
にもかかわらず、初戦で敗退。情けなすぎて、言葉が出なかった。
2023年のファイナルでは、自分と同じプロ選手権で勝ち上がった桑田 憲汰プロが最強位になった。決勝では桑田さんだけには優勝して欲しくなかった。
同じくらいの年代、自分と同じプロ選手権優勝からの最強位、自分が惨めになるからだ。(桑田さんには何の恨みもないです。すみません)
2024年
たった3日で全て失った。
連覇をかけたBIG1カップは準決勝で敗退、
その2日後に突如舞い込んできた麻雀オールスター Japanext CUPでも敗退。もう終わったと思った。
案の定、今年の最強戦にも呼んで頂けるわけもなかった。
死ぬほど負けず嫌いな自分は、
人の活躍を目にするのが嫌で、今年の最強戦はほとんど観てない。
推薦枠やスポンサー枠などもあって、新しい人の活躍なんてとてもじゃないけど、観ることができなかった。ただただ、新しい人が活躍しないことを祈ってた。枠は限られていると思うので、もともとスーパースターのMリーガーが勝ってくれた方がよっぽど良かった。
とはいえ、諦めの悪い男、大塚は今年もプロ予選を勝つことができた。
ABEMAの放送に出るのには、2分の1トーナメントを6回連続勝たないといけない。またそれをやってのけた。
今年はめちゃくちゃ自信があった。大舞台での経験は圧倒的に自分があり、
自分の優勝を信じて疑わなかった。
でも、結果は残酷だった。
決勝戦のオーラスの自分の優勝条件は役満自摸条件のみ。
川上さんが優勝を決める聴牌を入れる。
こんな6索切っても、咎められないかもしれない。
川上さんから安牌の北が出てきて、聴牌かもな?と思った。
これを止めるのが最後の意地。
放送で観てくれている視聴者がいて、こんな放銃で終わらせてはいけない。
実況で日吉さんが「偉いね」と慰めてくれていた。
せっかくの大舞台で、
自分のくだらない1打で試合が終了しないように気を使う。
こんなに麻雀をやってて、つまらない瞬間はない。
分岐点があったとすると、南2局1本場 親 供託1本
優勝に向けて大事な親番で即リーチをするか、手替わりを狙うか。
自分は打8筒として、手替わりを狙った。
結果は振るわなかった。
終わったあとに、即リーチをするか手替わりを待つかを協会の先輩に聞いた。坪川 義昭プロが神すぎて、色んな先輩から集めた結果を送ってくれた。
自分は麻雀のことを人に聞くことはほとんどない。AとBという考えがあって、どちらの言い分も分かるときに言い争いを聞くのが嫌いだからだ。自分でいつも両方のメリット・デメリットを考えて結論を出す。今回、人に聞いたのは、「これは結果はついてこなかったけど、ミスじゃないよ」って自分を慰めたかったからなのかもしれない。
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