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運と実力、麻雀で大切なのはどっち?何千人もいるプロの中で、タイトルホルダーが偏る本当の理由【文・友添敏之】

運と実力、麻雀で大切なのはどっち?

表題1文目の疑問について、僕はその答えを知っている。
いつもは結論から言うんやけど、今回はあえて後回しにしてみます。
ヤキモキさせてごめん!

僕がプロ雀士をしているって言うと、一般の方からこんな質問をけっこうな確率でされる。
「麻雀って運と実力、どちらが大切なんですか?」
それに対して僕はだいたいこう答える。

「まあ、運が7割で実力が3割ってとこですかね。どっちも大切と言えるけど、運の要素がめっちゃ大きい競技です。」

まあこれは諸説あるというか、人によって解釈が違ってくるので数字の部分はそんなに重要ではない。ただ、“運の要素がボチボチの割合で入り込んだ競技”って点については、ほとんどみんなの共通認識だと思う。
ほんなら、プロ麻雀ファンの方からは次にこんな疑問が湧いてくるのも当然だ。

「運の要素が強いのに、なぜ大きなタイトルの優勝者は有名プロばかりなん?実力の要素ももっと大きいんじゃね?」

もちろんダークホース的な優勝もあるけど、運の要素が強い割には同じ人ばっかり優勝しているような気がするよね。

決勝のメンツ見てても、有名じゃない人ばかりの対決って記憶にない。実際、優勝予想の中心になるのもその中の誰かだし、結果も予想通りになることがかなり多い実感がある。
だけど、人間の“感覚”ほどアテにならないもんはないので、この機会に調べてみた。
ちょっとコレ見てみてくださいよ。※記事を書き始めたのは夏頃です

最高位戦

最高位:竹内プロ(初最高位だけどBIG1カップ優勝歴あり)
發王戦:仲林プロ(タイトル多数)
Classic:下出プロ(過去にClassic優勝歴あり)

連盟

鳳凰位:HIRO柴田プロ(グランプリMAX優勝歴あり)
十段戦:魚谷プロ(タイトル多数)
王位戦:石井プロ(初)
マスターズ:浅井裕介プロ(RMUクラウン連覇中)
麻雀グランプリMAX:HIRO柴田プロ(現鳳凰位)

協会

雀王:浅井堂岐プロ(初)
雀竜位戦:安藤プロ(初)
日本オープン:飯田プロ(初)

麻将連合

将王:忍田プロ(タイトル多数)
BIG1カップ:大塚プロ(初)
M1カップ:野村プロ(初)

RMU

令昭位:楢原プロ(初)
RMUクラウン:浅井裕介プロ(現マスターズ)

麻雀プロ5団体の中で、僕目線でのビッグタイトルと優勝者をまとめてみた。
あらまっ!協会さんが全て初タイトルで、これはちょっと僕が望んでた完璧なデータにはならんかったけど、それでも5団体の主要(と僕がなんとなく思ってる)タイトル16のうち9個は複数タイトル戴冠者となった。
ビッグタイトルは半分以上が経験者が勝っていることになる。
麻雀プロって今は2500人くらいいるって言われている中で、この数字ってかなり異常やね。

まあ各団体の最高タイトルは長年戦ってきたリーグ戦で昇級しまくって、その上で少人数で競われたものなのでちょっと特別ではあるけど、それを除いてもちょっと確率を超えてるんじゃないかなと思う。
強い(とされている)プロがタイトル戦に勝ちすぎている。ここまで偏るってことは何か原因があると考えるのが自然だ。

その理由を僕は知っている。それは…レートの問題だ。

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