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勝負師~episode3 「ライバルはいない。この好きな麻雀で生活できれば、それ以上も以下もない」猿川真寿【文・荒正義】

猿川真寿(さるかわまさとし)は、1979年4月生まれの43才。
静岡県、静岡市出身である。
 
20歳の時に、連盟のプロテストを受けてプロ入り。日本プロ麻雀連盟の17期生である。
この17期は、受験生の宝庫だったと記憶する。皆、若いが強かったのだ。
同期には、勝又・前田・近藤・藤島・ヒロ柴田・一井などがいる。
今は皆、Aリーガーである。
現在、連盟は全国で630名超える大所帯だ。地方にいても東京のリーグに出るため、時間と交通費をかけ、参加する者がいる。CやBリーグでも大変なのに、Aリーグである。17期は強いのだ。
 
麻雀は、切磋琢磨するライバルがいた方が燃えて上達するのかー。
喜びも悲しみも、共に分かち合える仲間いたなら、その方がいい。
だが、私の時代はそういう仲間は誰もいなかった。それが、ひどくわびしいのだ。
昼から腕を磨くため、フリー麻雀に出かける。夜の11時まで打って、帰るのだ。私は4年間これを続けた。
夜飯を食って、4畳半のアパートに帰るのだ。
また明日だ。そのため休む。これが何か、悲しいのだ。これが修行なのだ、と思った。
だが、分からない。

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