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「最強戦で戦うカッコイイ水瀬千尋」をもう一度見せてあげる【文・水瀬千尋】

割引あり

【30歳までに女流雀王を…】

2023年3月22日12時
それは突然のことでした。

「麻雀最強戦の出場プロのうち一人を近代麻雀の読者アンケートで決めることになりました」
という旨のnoteが最強戦のTwitterアカウントから発信されました。

私がそれに気づいたのは数時間後でしたが、
当然自分の名前なんて載っていないだろうと思いながら中の記事を見てみると…

"230番 水瀬千尋"

自分の名前がある、、、

何も知らされていなかったため、名前があることにまず驚きました。

しかし260人リストに載っている中から一位にだけ最強戦のオファーが行くという。

二年も麻雀をお休みしていた自分には望みは薄いだろう…
しかしまたやってきた最強戦へのチャンスに心躍っていました。

2019年。
私は悩みに悩んでいました。

30歳までに獲る!とずっと心に決めて上京してきた女流雀王。
自分なら獲れると信じていました。

そしてずっとAリーグに居続けた結果、やっと叶った2018年の決定戦。
初日を首位で終え、2日目に国士をライバルの逢川にアガられ、追う展開で迎えた最終日。
私は準優勝でした。

その頃の私も逢川も、悩んでいたように思います。
同期で、親もそこそこいい年に。
いつまでも麻雀をしてていいのか、
実家や両親のことを考えなければいけないのではないか。
これからどうやって生きていくのか。

負けたら今後の進退に関わると…

そんな私は30歳になっていました。

麻雀プロとは人気商売だと、
今まで8年間麻雀の世界で過ごしてきて嫌というほどわかっていました。
30を過ぎた私に需要があるのか?
仕事は減り、先細りになっていくのではないか…
不安で不安で仕方なかった。

このタイミングで別の世界の別の仕事で安定した収入の柱を作る方が良いのではないか。

そう考えた私は決定戦で負けたことをきっかけに、
その時話をもらっていた海外の仕事に挑戦することを決め、ヨーロッパ移住を発表しました。

実際にヨーロッパに移住してみると、麻雀が恋しくて、ファンのみんなが恋しくてたまりませんでした。

【戻りたい】

Twitterを眺めては、最強戦、プリンセスリーグ、女流雀王戦Aリーグ、、、
その文字を見るたびに悔し涙を我慢する日々でした。

Twitterを見るのも辛かった。

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