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女流プロ雀士解体新書 杉村えみ(文・須田良規)


【謎の杉村えみ言語】

「シャークの根源ってサメ?」


こんな質問を皆さんはされたことがありますか。
そして何と答えればいいと思いますか。

これは我が須田家が誇る天然ヨメ杉村えみの発言です。
テレビか何かで聞いた言葉なんでしょうね。
もちろん「諸悪の根源」のことです。

とにかく言語に関してはかなり雰囲気で適当に押し通す人です。

先日冷蔵庫に次女の「ヘアピタ」を買ってこいという謎のメモがありました。

ヘアーをピタっと留める髪留めではありません。
これは冷えピタですね。

うちではヨメ言語を暗号のように解く能力が必要になります。

長女は15歳の受験生なのでさすがにヨメよりは日本語が通じます。長女も慣れてるので苦笑するだけです。

長女がこの前漢検を受けるのに僕が付き添ったんですけど、ヨメが

「私も漢検持ってる! 2級!」

とのたまうので、絶対ウソだと長女とツッコみました。

「じゃあ違うかな? 学校の漢字テストだったかも。第2回とかの」

2しか合ってねえですよ。

「私は専門学校だけど大学も行けたはずだ。一発芸入試とかあるし」

一芸入試だよ。怒られるよ。

とりあえずこのようなエピソードの数々を僕の記憶だけに留めておくのは何か惜しかったので、
noteの方でたくさんまとめてあります。

興味がある方は読んでみてくださいね。

【杉村えみが結婚するまで】

僕がヨメと結婚したのは2007年で、もう16年の夫婦生活です。
娘が二人。
長女が2008年生まれ、次女が2020年なので12歳の年の差姉妹。

長く共に過ごしていますが、やはりこの天然ぶりは一向におさまる様子はないです。
ちなみに本人は天然の人が嫌いだそうです。
優さん本田さんごめんなさい。僕は一緒だと思いますが。

杉村えみは静岡県掛川市の出身です。
とても優しいご両親と、カッコいい弟さんがいます。

幼い頃から自由奔放、かなり活発で学校にヘビを持って行ったこともあるそうです。

スポーツも万能で、高校のスポーツテストでは1級。
他に一人だけいた1級の子は自衛隊に入ったそうです。


東京の芸術系専門学校に進み、ちょっと演技などもやっていました。
オバカミーコという漫画の最初の実写化のとき、出演者オーディションを受けて雀荘店員役で出たことがありますね。

専門学校生中にバイトに明け暮れ、その中に麻雀店があったそうです。それが麻雀との出会いで、麻雀にハマってしまいます。

彼女は私にとっては日本プロ麻雀協会4期生の後輩になります。
協会で私と1期同期入会だった手塚紗掬の、当時のバイト先の同僚だったんですよね。

手塚紗掬プロと

僕が近代麻雀で「東大を出たけれど」というコラムを連載していた頃で、
(これを言うと誰も信じてくれないのですが──)
紗掬が彼女を私のところに連れて来て、ファンだと紹介してくれたのが出会いだったんですよね。

長年の親友の一人

まあ自分のような、麻雀しか興味がなくて恋愛など到底向かなそうなやさぐれた陰キャに、
結婚など縁があるわけもなかったです。
ヨメがいなかったら今も独りでうらぶれた生活を送っていたのかもしれないですね。

そういや堀くんの嫁さんも向こうから来たんですってね。全然接点なかったけど、急にセットに来たとか。
堀くんもそういうことでもないと結婚しそうになかったかなあ・・・。

そんなわけで彼女の方から舞い降りる形で、僕は家族を持てるようになりました。

その頃僕が昔からの知り合いだった渡辺洋香さんに紹介して、洋香さんの経営する雀荘fairyを、彼女が一緒にやるようになります。
今現在も新宿駅前で変わらずやってますからね。
長く続いている素晴らしいお店だと思います。

そうそう結婚式の直前、彼女がこんなことを言ってきたことがあります。

「須田さん──、私、まだ言ってないことがあるの」

ラピュタの秘密を打ち明けるように、ヨメは告白しました。

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