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ケネスと付き合った理由【文・ヨメス】
ケネス徳田…日本プロ麻雀連盟所属。むこうぶちの闘牌原作を務める他麻雀放送の機材にも詳しく連盟スタジオを陰で支える。上智大学卒。
ヨメス…日本プロ麻雀連盟所属。ケネス徳田の嫁。主に麻雀教室の講師として活動。武蔵工業大学卒。三児の母。片倉まち
3度目のデートで
3月末の神田川沿い、ケネスと私は出会ってから3度目のデートをしていた。
まだ肌寒く、上着が必要な季節だったが
「俺、上着は11月から2月までしか着ないんだ」といった宣言通り、その日もケネスはアロハだった。
夜桜が綺麗だった。
きっと私たちはこれから付き合うのだろう。
風に吹かれる桜の枝のように、私の心はざわついていた。
「ななちゃん」
突然、ケネスがこちらを、真っ直ぐ見た。
告白がくる!
しかし、実際に先に来たのは告白ではなく、ケネスの湿った唇だった。
こいつ雰囲気でコトを進めようとしている!?
ぐいぐいと近づく唇。
押し留める私。
なぁなぁにしてなるものか。
結婚したい30歳女をなめんな。
「あの!…ケネスさんは私のこと好きなんですか?」
「え?好きだよ」
「じゃあ、どこが好きなんですか?」
ケネスは打牌が早い方である。
しかし、そんなケネスがこの時ばかりはやや長考した。
そして。
優しく微笑んでこう答えたのである。
「メールした感じ、いけそうだと思ったから」
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