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選ばれなかった女たち:木村瑠璃(きむら・るり)

不良お嬢様は麻雀がお好き

私はあまりガラのいい高校生じゃなかった。
夜中はバイクを乗り回すか、当時住んでいた家が皆のたまり場でコタツテーブルに麻雀マットをひいて手積みの用の牌でジャラジャラ言わしてよく母にはうるさいと怒られていた。

麻雀に出会ったのは高校2年の秋頃である。
少し寒くなってバイクから離れてたある時、「メンツがいつも一人足りない、木村が覚えてくれたらいつでも四麻が出来るのに」と仲間内に言われ、じゃあやることも無いし覚えるかー。くらいの気持ちで早速本を買った。
たしか、漫画で覚える初めての麻雀って本だったかなぁ。

興味のある事を覚える速度は早かった。
次の日には簡単なルールと役はほぼ覚えて卓を囲んだ。
まぁ、点数は全く覚えてなかったけど。
初めての遊びに私はとても熱中してほぼ毎日ジャラジャラ言わしてたある日、友達がツバメ返し(いかさま)をして国士13面待ちを私の初手の一打でロンしてきたのだ。
もうそんな奴らと友達なんてやってられるかよ、これが木村の麻雀引退の日だった。

ガラのいい高校生じゃなかったものの私は割とお嬢様としてハワイで産まれた。
アメリカの国籍上の名前はルリ・キャサリン・キムラである。
最近お世話になってるお店ではキャシーという愛称で呼ばれてたりもする。
スペルはまだ書けない。

5歳で日本に帰ってきて、千葉の鴨川で父と二人暮しになった。
小学校の頃は父の趣味だったゴルフを一緒にやって、当たらなかったり気に入らないショットしか打てないと無口になって泣き出していたらしい、剣道は中学から始めた。
昔の話を父から聞くとその当時から勝負事が好きで負けず嫌いだった様だ。

東京に出て来たのは高校生になる時だった。
あまりにも自由奔放に生きすぎたせいで留年して、千葉の通信制の高校に編入した。
通信制の高校にも剣道部があり、千葉県の大会は計4回出て4回とも優勝した。

高校卒業した後、就職もせずフリーターとしてヌルヌルと働きつつ、休みの日はパチンコと競馬ばっかりやる生活を送っていた。

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