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遂に麻雀番組の垣根を超えた!?麻雀実況者BIG3座談会2022

この記事は近代麻雀4月30日発売号に掲載されます。

進行/文・黒木真生

麻雀プロによるハイレベルな戦いを分かりやすく視聴者にプレゼンしたり、時には激しく盛り上げたりと、麻雀番組には絶対に欠かせない「麻雀実況者」たち。老舗の「MONDOTV」、新興勢力の「Mリーグ」、そして我らが「近代麻雀」主催の「麻雀最強戦」を代表し、3名の実況者たちが座談会に参加してくれた。

左から小林未沙さん、土屋和彦さん、日吉辰哉さん

麻雀のスポーツ化

日吉:本当にこういう場を作っていただいてありがたいです。ボクはずっと自己流でやってきたというか、ちゃんと勉強をしたことがないので、これを機にお2人から色々聞きたいと思います。

土屋:いやいや、日吉さんは現役のプロ雀士で、小林さんも元プロ雀士なわけですから、僕は逆にお2人に聞きたいぐらいですよ。

小林:でも私たちはほとんど麻雀実況しか経験がありません。土屋さんは野球やテニスなど他のスポーツ実況もされているじゃないですか。私は声優業をやってきましたが、やっぱり本職のアナウンサーの方から聞いてみたいことは多いんです。

土屋:最近の麻雀、特にMリーグはスポーツ中継みたいになってきてますよね。対局の直後にハイライト映像があったり、試合後の選手インタビューもやっているし、かなりスポーツライクな番組作りになっいるなあと。

小林:逆に普通のスポーツと違うところってありますか?

土屋:その競技におけるデータとか記録の活用ですかね。

小林:いわゆるリーチ率とか放銃率などの基本的なデータはMリーグでもモンドでも使われているとは思いますけど、もっと細かい記録のことですよね。「この選手の千回目の満貫です」とか「このアガリで通算百万点を超えました」みたいなこと、野球なら言えますよね。

土屋:試合の公式記録員がいて、その人たちがずっと重ねてきた記録がデータベースにあるわけですよ。それを番組制作スタッフたちが活用するわけなんです。完全試合達成しそうだとなったら「おい、達成したら何年振りか調べろ」って言って、本社にいる人間に電話したりして指示するんです。他にもいろいろネタがないかとか調べさせて、でも結局、だいたい完全試合は達成されないんですけど。

小林:それはうらやましい環境です。実況者としては、特にリアルタイムな情報があると嬉しいなあ。

土屋:ただ、そうなるとスタッフの人数が必要になってきますよね。

小林:実況者の役割としてはどうですか? 他のスポーツと麻雀で違うところがあれば教えていただきたいのですが。

土屋:これはもしかしたら僕がそう思ってるだけかもしれないけど、遊び心を入れても許される世界かなーと。モンドだと、解説者によっては、ちょっと遊んでしまうこともありますね。

日吉:土田(浩翔)さんとか?

土屋:そうそう、ツッチーが変なこと言っても、ちょっとそれに乗っかってみようかな、とか。森山茂和プロが面白いこと言ったら「えー!それは森山プロ、本当ですかー!」って言ったりとか。他のスポーツではそういうリアクションしづらいですよね。

小林:確かに少しはラフにやっても良い文化みたいなのがあるかもしれません。

日吉:たとえばボクの絶叫実況を将棋でやったら怒られそうですよね。「ウソだろー! ここで飛車を指したぞ―!!」とかできないですよね雰囲気的に。

土屋:でも日吉さんは今後、静かな実況とかにも挑戦してみたいんじゃないですか?

日吉:難しいかもしれません。

土屋:えっ、静かにはできないってことですか? 抑えられないってこと?

日吉:そうなんですよ実は。無理やりああやっているのではなく、ほぼああなってしまっているというか。

土屋:衝動が抑えられないということですか?

日吉:でも、もしかしたら麻雀以外の実況なら静かにできるかもしれないです。最近、違う種目のお話もいただくんですけど、返事を保留していて。情けない話なんですけど。

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