雀の巣【三木敏裕】
人生で一番面白かった時
人生で一番面白かった時っていつ?と聞かれたら私は昔みんなでアパートで過ごしていたあの頃、と答えるようにしている。
十数年前、新宿区の小さなアパートに部屋を借りた。
家主が雀荘のオーナーであったためなんとなく決めた。
駅から近くもなく家賃も安いわけではないが、当時いろんなお店で働いたり
対局会場に乗り換えを少なく行ける沿線に対応できる立地は魅力だった。
私は202号室になった。
審査も甘く、家主も住人の紹介なら、と簡単に受け入れてくれるため
数か月もすれば、9つある部屋の5部屋が協会員という状況になった。
302号室には私より前から協会のAリーガー小川裕之がいた。
足音で彼の帰宅が把握できるくらい壁が薄かった。
201号室にノリヒト、後の天鳳位茨城が二人で住んでいた。
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