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麻雀で逮捕されたらどうなるの?【文・事情通A】

【ちゃんと文書を読めば分かる】

 新宿の麻雀店摘発から約1か月が経過した。
 2月19日には東京都麻雀業協同組合から「麻雀店営業における注意喚起」という文書が「X」でポストされた。

 これに対して「どこまでなら大丈夫なんですか?」と言っている人がいるらしい。
 また「組合は何をしてるんだ」とか「何もしてない」とか言っている人もいるようだ。
 これを、一般の方が言っているなら可愛いものだが、業界関係者が言っているとしたら相当ヤバい。そんなことも分からずに麻雀店を営業してきたのか。あるいは、プロ雀士として活動してきたのか。恐ろしい話である。
 まず、この組合が発表した文書をちゃんと読めば答えは書いてあるのだ。

・警察は、組合に対して厳しい指導をした。
・しかし改善が見られなかったため取り締まりをした。
・今後も改善が見られなければ、新たに摘発する可能性もある。

 というだけのシンプルな話が書いてある。

 一応は、組合が「考えております」とか「可能性があります」とか遠回しな表現を使ってはいるが、皆さんが「何もしない」と思っている組合がわざわざ文書を発表したのだから、今回はガチでヤバいと感じるべきだ。これはもう「そうです」「そうなんです」と、確定事項として読んだ方が良いのである。
 その上で「講習会で指導があった下記の事項についても」と具体的に書いてあるわけだ。
 ここ数十年で、これだけ細かく具体的に警察の指導内容が公になった例はない。
 てことは、これはかなりヤバいと見るべきだ。特に「麻雀プロ」という言葉が入っていることを、プロ麻雀業界は重く受け止めるべきである。
 昨年の7月の時点で「麻雀プロを賭け事への誘導に使わないように」という指導があり、まだプロ雀士は逮捕されてはいないが、いくつかの麻雀店が摘発された。そして先日の新宿の店舗については、ついに報道までされた。
 この一連の流れを見れば「これでも改善されないなら、次は麻雀プロが捕まるかも」と考えるのが当然だろう。
 いまだに呑気にSNSで告知をしているプロ雀士は、それがかなり危険であることを自覚するべきだ。

【逮捕=有罪ではない】

 別に賭け麻雀でなくても逮捕される可能性はある。
 アミューズメント施設だと思って入った店がアングラカジノだったりとか。普通のマッサージ店だと思って入ったらホンバンOKの違法店だったりとか。そこに運悪く手入れが入ったら、参考のために客も一緒に逮捕されてしまう。
 昔からヤンチャしてたような人は逮捕にも慣れているだろうが、真面目に生きてきた者にとってはオオゴトである。
 「うわー、ついに俺も犯罪者か!」と思ってしまうかもしれないが、それは違う。
 犯罪者というのは、裁判で有罪になって初めてなるものだ。いや、なりたくはないだろうけど、そういうシステムになっている。
 逮捕されたら色々と調べられる。調べた上で警察が「こいつは有罪にはならない」と判断したら釈放される。こうなったら「逮捕された前歴がある人」というだけで、犯罪者とは違う。
 アングラカジノや麻雀店などで客としてギャンブルを楽しんでいて捕まった奴は、だいたいこうなる。捕まった時間帯によっては、一晩お泊りになることもある。当然、携帯は没収され、どこにも連絡できないので、家族とかは心配するだろう。連絡もなく、帰ってこないのだから。

 何回も捕まっている客や、賭けていた金額が高かったりすると、次のステップに進まされることがある。警察が「こいつは有罪になるかも」と思った逮捕者は、検察に送られるのだ。それを「送検」と呼ぶ。

検察官

 検察が再び取り調べをする。すでに警察に話しましたと言っても、もう一度やり直しでめちゃくちゃ面倒くさいがしょうがない。最悪の場合20日間拘留される。
 ここまで来ると「俺は犯罪者になっちまった」感はすごく高まる。実際には裁判もしていないので、ぜんぜん犯罪者じゃないのだが、犯罪者のように閉じ込められて、自由を奪われる。

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