ホストに1億つかった女流プロ心美(仮名)の場合【文・和泉由希子】7
一時期、私は「ダメンズ話を持ってそうな女の子」を探していた。
いろんな女流プロのプロフィールやツイートを眺めた。
そこで、ゆきこセンサーに引っかかったのが心美である。
内容を書くと、身バレしてしまうので書かないが、メンヘラ臭がプンプンしていた。
そしてやはり、私の目に狂いは無かった。
むしろ正解すぎて、内容が濃すぎた。
この話をどうまとめればいいのか自信は無いのだが、とりあえず書き進めてみよう。
「ホスキョウだったんですよね。」
と心美は話す。
読者の皆さん、意味が分かるだろうか?
「ホス狂」と書いて、ホスキョウもしくはホスグルイと読む。
「ハタチぐらいの頃からいろいろ通いました。彼らは言うこと聞かせる為に、当たり前に殴るんで。グーパンはもちろん、髪を掴まれて歌舞伎町を引きずり回されたり。毎月アベレージで200万、多い時は300万くらい使ってました。私も当時は夜の店で働いてて稼いでたんで。」
あーーーーー。
ヤバいの来ちゃった。
「20代半ばくらいの頃にハマってたホストがいて。そいつに貢ぐ為に、東北に出稼ぎに行ったんです。」
東日本大震災があった。震災があると、各地から人が流れてくる。すると夜の街が潤う。店は女の子を高い給料で雇うらしい。
「そしたら今度は、東北のホスト(A君)と仲良くなっちゃって(笑)」
男に貢ぐ為の遠征であったはずなのに。
やはり身近にいる男は強い。
「とはいえ、東北のしょっぼい店なんで。そこでは月に50万も使ってなかったですよ。」
うん、充分多いね。
「お前は俺のATMだって面と向かって言われてました。」
私なら即別れる所だが、心美は別れなかった。
そして半年ぐらい経った頃、妊娠が発覚した。
「結婚しようって言われて、籍入れて、一緒に東京に帰ることにしたんです。彼は東北の人でしたけど、私の実家の近くに住もうって言ってくれて。」
ほう!
さっきまでクソだったヤツが、急に人間になった。
やはり東北のホストは、歌舞伎町ほどスレてないのかもしれない。
「なんですけどね。ホスラブっていうホストの掲示板というか、ホストの2ちゃんねるみたいな所に、私の事が書かれたんですよ。A君が、客の女を妊娠させたけど、それは実は彼の子じゃないって。」
事実無根であったが、彼は信じてくれず、揉めに揉めた。
しばらく離れた方が良いかもしれないと思い、里帰り出産も兼ねて、心美は一人で東京に帰ることにした。
別れたわけではなく、別居婚という形だ。
「両親がまだ元気なんで、いろいろ手伝ってくれたんで。出産してけっこうすぐ、また働き始めました。」
働き始めれば、遊びもするものだ。
そこで心美はB君という男と出会った。
ここから先は
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?