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雀荘で人気上昇中、佐藤芽衣プロの生い立ちとゲストへの意気込み

 最高位戦日本プロ麻雀協会の東海支部に所属する佐藤芽衣(さとう・めい 年齢非公開)プロの人気が急上昇中だ。東海支部のプロテストを受けて麻雀プロになったが、5月には拠点を関東に移し、麻雀のゲスト活動だけで生活しているという。雀荘やバーのゲストで大忙しの佐藤プロに、お話を伺った。


ゲームセンターの休憩時間に
麻雀を覚えた

佐藤芽衣さんは三重県の四日市市出身。三重県出身の人の多くは、関西弁を話す。佐藤さんの言葉もこてこての関西弁だ。

若き日の佐藤さんは、地元の商業高校の情報処理科に通っていたが、家族仲が悪く、早く家を出たいと思っていた。そして高2の夏休みを前に、高校を中退。家出をして愛知県に向かった。

その日以来、四日市の家族とは連絡を取っていないと言う。

当時の佐藤さんは「maimai」という音楽ゲームに夢中になっていて、そのゲームを通じて知り合った愛知県の友人の家に転がり込んだ。その後すぐに一人暮らしを始め、ゲームセンターでアルバイトをしながら暮らしていた。
そんな佐藤さんが麻雀に出会ったのは、ゲームセンターの「コナミ麻雀格闘倶楽部(マージャンファイトクラブ)」だ。

「maimaiはすごく体を使うので、やってたら疲れるんです。だから休憩するときにそこにあった麻雀格闘倶楽部の前に座って、なんとなくやり始めました。勝ってる間はずっと座って打ってられるからです」

役も何も知らず、軽い気持ちで始めた麻雀に佐藤さんがハマるのに時間はかからなかった。

「最初はどれを切ったらいいか全然わからなかったんですけど、どれを切ればいいかというヒントみたいなのが出てくるので、その通りに切ったりして遊んでいました。でも、役を知らないので『鳴いたらアガれなくなるのか』と思ったり、『え? 鳴いてるのにこれはどうしてアガれるの?』と思ったりしながら、とにかく何回も何回も打ちました」

ゲームセンターの麻雀を始めて約2か月後、佐藤さんはフリーデビューをする。

「名古屋の駅前にある『ひまわり』という店で雀荘デビューして、かなり通いました。この店は符計算がなくて、全部30符なので分かりやすかったです。働いているのは若い女性ばかりで、すぐなじめました。あまりにも通いすぎて、アルバイトの女の子だと思われたこともあります。待ち席に座ってたら、出前を持ってきた人に『ちょっと、そのスプーン取ってください』と言われて、『私お客なのでそんな勝手なことできません』と言ったこともあります」

それまでハマっていたmaimaiのカードは全部捨て、麻雀だけにのめり込む生活。名古屋市内の雀荘のアルバイトもいくつか経験した。

「最初はノーレートの雀荘で働いてたんですけど、労働条件が約束と違って、お休みが取れないのでやめました。その後働いた店は1か月くらいたったときにつぶれました。だからつぶれない雀荘で働こうと思って、大手チェーンのマーチャオでアルバイトを始めました」

ツイッターも始め、いろいろツイートをしながらアルバイト以外のプライベートでもフリー雀荘に通っているうちに、「プロにならないんですか?」と言われることも増えた。こうして佐藤さんは自然に「麻雀プロ」というものに興味を持つようになった。

鈴木優プロに誘われて最高位戦の女流プロに

麻雀のプロになろうかな、と考えたものの、その時点で佐藤さんは麻雀プロ団体のことなどほとんどわかっていなかった。しかし、いろいろな情報を集めるうちに、「東海支部」があるのは日本プロ麻雀連盟と最高位戦日本プロ麻雀協会の2団体だということがわかった。

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