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菅原千瑛「BEAST戦記」01 2023年9月22日

はじめまして

Mリーグ BEAST Japanext所属の菅原千瑛(すがわら・ひろえ)です。

プロ12年目の今まで、思い返せば様々な戦いがありました。
過去にはタイトル戦決勝に残るも、女流モンド新人戦、夕刊フジ杯では逆転され準優勝等、あげればキリがない程、今でも鮮明に悔しい経験が沢山あります。
ベスト8や決勝、惜しければ惜しいほど悔しくて、いくつもの眠れない夜を過ごしてきました。

麻雀の勝者は1人。決勝からであれば4分の1ですが、タイトル戦予選からであればざっくり200分の1。頂点を目指すもほとんどの人は負ける。
だからこそ勝ちたい。かといって、かかりすぎる程思いつめてメンタルバランスを崩してしまうことは良くないけれども、いつだって強く思う"勝ちたい"。それはみんな一緒で、誰しも自分が勝ちたい。
そのために普段から稽古し、体調管理はもちろんのこと、しっかり備えて迎えたい。勝負だから時の運もあるけれども、悔いなく最後まで打てるように。

ここ数年、RTD girls Tournamentや第2期桜蕾戦、最強戦2022女流チャンピオン決戦、そしてBEAST Japanextドラフト会議指名オーディションを勝つことが出来たのもこれまでの万感の悔しさと経験があったからだと感じています。
ただ、ひたすら麻雀を打って、観て、考えて学んで、そうして駆け抜けてきた11年がありました。

迎えた開幕戦

9月18日から開幕したMリーグ2023-24シーズン。
開幕初日は女流桜花第7節のため、私のMリーグでの開幕戦は9月22日に。
東1局、まるでプレゼントのような配牌をもらいます。

"これは戦える勝負手だ!ぜひともモノにしたい"
その後のツモがきき、先制でリーチ。

松ヶ瀬さん、黒沢さんから追っかけリーチが入る。一筋縄ではいかないのがMリーグという舞台なのだといわんばかりの緊迫感。
結果としては①のツモアガリに。

緊張したり、卓に入り込めるのだろうかという不安はまるで消え去り、戦うモードへ。

BEASTの姿勢

2000,4000を再度ツモって迎えた東3局
自身の手は両面2つの一向聴が長いまま、中終盤へと差しかかる。
ドラの二も含めツモ切りの続いていた親の優さんから、13巡目に先制リーチが入る。

そして1発目に掴んだのは優さんには中筋の⑥。
宣言牌は八なのでおそらく関連牌。よって萬子待ち、もしくは索子は3しか切っていないので索子待ちもありうる。ということで⑥は他の通っていない牌と比べて当たるパターンは少なく切りやすい牌。

とはいえ1発目は現物の北を切り、14巡目9を引き入れ聴牌。

四七待ちは河に四が1枚と七が3枚切られているが、萬子の景色は比較的悪くないよう見える。
もちろん、八が関連牌の優さんに何枚四七を持たれているかによっては残り枚数は変わってくる。

初戦のテーマは"BEASTらしく、戦う!その姿勢は崩さない!" と決めていたので、間髪いれずに追っかけリーチを選択。結果は山に残り1枚だった四のツモアガリと最高の結果になりました。

続く南1局。ドラ七

ここから打八、次巡ドラ七を手放していく。黒沢さんに萬子が高い、もあるが、無論狙いは四暗刻。
持ち点としては48500点持ちのトップ目なので高打点が必要な状況ではないが、試合前、チーム楽屋で花奈ちゃんと
10万点を超える最高得点賞目指して頑張ろう〜
と話し合っていたことが頭をよぎっていたのと、ツモが縦にきていたこともあり、大きく狙うことを選択。

12巡目松ヶ瀬さんに打たれた⑦は1枚目なのでスルー。
優さんのR仕掛けはその前に赤五、7、中と手から切られている。

赤五よりも7が必要な手である。混一色本線。
ポン出しの①は場を見渡すと全員に安全そうな牌(私が国士無双狙いでない場合)、聴牌濃厚。

そしてRポンの後、白を掴み(食い下がってきたとも言える)打北、さらに⑥を持ってきてこの形。

1枚切れの白を切れば一応聴牌だけれど…
選択肢としては、
1.白を切らずに⑥切り(聴牌取らず)
2.白を切ってリーチ
3.白を切って黙聴

四暗刻になった時はもちろん勝負するつもりでしたが、⑥ではリーチをかけないと一盃口のつかない⑨で出あがりは出来ません。
筒子は場に安く、⑥⑨は1枚切れずつ。
ここでオリるのか、まだあがりを狙うのか。
アガリを諦めたくない気持ちから3.白を切って黙聴を選択。
しかし、白を切ると優さんから「ロン」の声。

8000点の放銃となりました。
最高形での放銃ならば悔いなし、ですが、見合っていないと思うのであれば手痛い放銃。

どうであったか試合後に大介さんに聞いてみると

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