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選ばれなかった女たち:松島桃花(まつしま・ももか)


採血!



【麻雀との苦い思い出】

母は看護師。父は会社員で、両親ともに酒とタバコが激しく、小児喘息持ちだった私はタバコがすごく嫌いだった。
チェーン店のカフェでも普通にタバコが吸えていた時代がちょうど幼少期だった。
看護師の母は私がタバコの煙を吸って苦しむことをわかるはずなのに、喫煙室に連れて行きタバコを吸う。それが嫌だった。
そんな母が私を寝かせた(つもりの)後に今はもうないアナログテレビでやっていたゲームが麻雀だった。 はっきりと何歳かは覚えていないがPS2の麻雀ゲームだったので、2000年〜2004年(2歳〜6歳)ごろ。
自分にとっての娯楽はテレビだけの時代。唯一の娯楽を毎日麻雀ゲームに取られてすごく嫌だった。
麻雀に嫉妬していた私は家に1人でいる時にその麻雀ゲームのディスクを割ってしまった。割った時は本当に焦った。「もう直らない、どうしよう」と思い、何分割かされたディスクだったものをかき集めてPS2にセットして起動させたりした。もちろんゲームは映らない。 母親にとってはそれが娯楽(ストレス発散)だったろうに、そのゲームを壊してしまったのだから。今ではすごく悪いことをしたなと思っている。

次に思いつく麻雀の思い出は高校2年生。
高校では、テスト期間1週間前〜テスト期間が終わるまでは放課後の部活動は禁止。家に帰って勉強しろ!という感じだった。
そんな放課後にクラスの男子4人が机を並べて、麻雀牌を持ち込んで手積みで麻雀をしていた。「あほだなあ」と思っていたら、案の定先生に見つかり生徒指導。「やっぱアホだなあ、何が面白いんだろ」って思った。

高校を卒業して、看護専門学校へ入学。

高校時代の親友(もちろん女の子)が、生活指導を受けた4人組と仲が良かったため高校卒業後も遊ぶことがあり、親友も含めて一緒に手積みで麻雀をした記憶がある(理屈が全くわからず言われた牌を切っていただけ)。
高い手を和了って1着になったらしく、「なんかわからないけど楽しい!」と思った。
その後、一度もそのメンバーで集まることはなく看護学校が忙しくなったので疎遠となった。
都内の高校だといつでも会えるからーって言ってずっと会わないで疎遠になってしまうのが悲しい。

高校の友達とは疎遠になったが、麻雀牌と友達になったのはその3年後。
21歳の時。看護師1年目であった。
ちょうどコロナが流行り出した時期で、緊急事態宣言中。
世間は3蜜を超警戒していた。当時の友達とZOOM飲みなんかもやったし、オンラインでマーダーミステリーや人狼ゲームもやったりした。
その延長で、オンラインでやり始めたのが麻雀。
初めは全く分からなく、「ポンとチーはわかるよ!でも役って何?」という状態。表示されたアイコン全てにタップし、裸単騎になって聴牌したのに和了れない。東南西北1つずつ揃えたのに和了れない。なんで!?!?となっていた。
友達に聞いたりして、そこで初めて役がないと和了れないということを知った。
もっと麻雀のことを知りたいと思ったので、YouTubeを開いて麻雀の切り抜き動画を見るようになった。YouTubeで見る麻雀は役満集が多かったので、役満はすごいというのは知っていた。 YouTubeを視聴し、七対子と平和とタンヤオ・国士無双・四暗刻を覚えて初めてのリアル麻雀セット。「この役知っているから行けそう!」と思いながら打っていたら国士無双を和了ってしまった!

第一打9m。リーチしないと和了ないと思っていたのでリーチ! グチャグチャだったものが、パズルみたいにまとまる感覚が楽しくてハマり出した。

麻雀の楽しさを覚えてしまったので、そこから役や点数計算を覚えるのは早かった。 人に点数計算任せるのも嫌だったので。 その年の冬には「プロに麻雀を教わりたい!」と思って巣鴨道場にも行くようになった。病院勤務だったので、平日休みや夜勤が始まる前に麻雀教室に通った。回数券を買っていた。まだ使い切っていないので、今もその回数券が残っている。
趣味程度でやっていた麻雀だったが、友達とのセットで負けると悔しくてしょうがなかった。もっと強くなりたいと思った。プロの世界に入れば、強い人と打てるし、自分がもっと強くなれるのではないかと思い、プロテストを受験。
母には、当然反対されると思ったので、プロテストに合格しプロデビューした後に報告した。
結婚報告する時みたいな変な緊張感の下、思い切って言ったわけだが特に何も言われなかった。何も言われはしなかったが変な顔はされた気がする。私ももう大人だ。自分のことは自分で決められるし、母もそんなに干渉しなかったのかもしれない。
ちなみにだが結婚報告なんてしたことない。


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