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「QED 六歌仙の暗号」高田崇史

このQEDシリーズを読むのはこれで4冊目。

実は第一作を読んだとき、かなりマイナスの印象だった。
けれど、それからも数冊手に取って読んでいるうちに、私の読み方(?)が間違っていたな~と気が付く。

このシリーズは古典や歴史を背景としたミステリ小説。従って、歴史+現代の各々の謎がどう紐解かれていくのだろうと期待しながら読む。
多少なりとも古典や歴史を齧っていると、そこに新たな解釈や新事実が出てくるんじゃないだろうか、とつい思って読んでしまうのである。
作中人物の崇という衒学的で探偵役としてあり勝ちなキャラの男が、古典や歴史の解釈論を展開していくのだけれど、その依拠するところが数合わせだったりするところで、説得性を失い、げんなりとするのである。
……しかし、このシリーズは学問的な歴史上の大発見を読むための本ではなく、新解釈っぽい雰囲気を現代ミステリに乗せて読むエンターテインメントなのだと割り切れば、なるほど面白い。

日々の生活に追われるのも致し方がないが、のんびりゆっくり京都奈良などを周り、歴史に触れてみたりするのも楽しいだろうな。


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