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「自分を好きになる方法」本谷有希子

 本谷有希子が描く女性は、どれもトガっている印象があった。
実際そんな人が傍にいたら疲れるだろうな……とか思って。
 この本に出てくる「リンデ」はそんな印象とはちょっと違う、穏やかな感じの女性だった。
 その「リンデ」の人生のいろいろな年代をほんの一瞬だけ切り取って連ねている。本当に一緒に居たいと思えるひとを求めて生きる姿に、心を打たれた。
 彼女のほんの一瞬ずつしか覗き見ていないのに、そんな彼女のひととなりをよく知っているかのような気持ちにさせられる。何気ないようで、とても上手な小説だと思った。


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