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「双頭の船」池澤夏樹

書店でこの本を手に取った時、ちょっとした迷いがありました。
東日本大震災がテーマとなっている本ということで、あまりに衝撃的な現実が描かれていたら、私の脆弱な心が耐えられるかなーという情けない迷いです。私自身は大した被害もなくいられましたが、ニュースの報道でもたらされた彼の地の状況は目を覆いたくなるものでした。

この本では、東日本大震災から立ち上がっていく人々の姿を描いており、災害にあっていない私にも、今の日常を生きていく勇気をなんとなく与えてくれます。

子供の頃によく見たロボットなどのメカが活躍するアニメには、決まって、巨大な宇宙戦艦が登場しました。巨大な基地として主人公たちを守ってくれたり、またその中で生活を営んだり。
未曾有の大災害からの復興という大変な事態に、そんな宇宙戦艦が居てくれたら……双頭の船には、そんな思いを感じました。


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