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2023年 第5戦 ヤマハレディースオープン葛城

【1~2日目】無風の葛城
2戦目の土佐CCもしかり、今年は無風がトレンドか。2日目、鈴木愛が-10で単独首位に立った。ショット、パットとも強気のプレー。このまま優勝へ、と浮かれるなかれ。2日目まで首位は昨季も何試合かあった。明日からが本当の勝負になるが、今週はどうかこのまま進んでほしい。また、カットライン以下から予選通過を勝ち取った青木瀬令奈金田久美子。特に映像で見ることのできた青木の後半のプレイは凄みすら感じた。金田もこれで開幕から5戦連続予選通過。そして我らが(?)比嘉真美子も無事突破。この辺の層ががんばっているとなんだかとても嬉しい。先週の優勝者山内日菜子も勢いそのまま3位Tでトップをうかがう。先週の完全外しの反省から優勝予想は控えるが、今週も面白い展開になりそうだ。週末の熱い戦いを期待したい。

●今季注目の櫻井心那も予選突破でじわじわ調子を上げてきた。
明愛にいったい何が? -2 → +3
新垣比菜河本 結大里桃子、開幕おめでとう

【3日目】少し風が吹いた
鈴木愛、ショットが荒れパットもカップに嫌われて、あれよあれよと5打下がる。やはり2日目女王だったか……と諦めかけた17Hでなんとホールインワン。首位と3打差まで詰めて、最終日優勝への望みをつないだ。首位に立ったのは鶴岡果恋。絶体絶命の16Hのピンチをボギーで切り抜け(奈落へ落ちてゆくボールが観客に当たって止まるラッキーが大きかった)、次で見事バウンスバック。先週の山内に続き初優勝が生まれるのか。山下美夢有のフロント5アンダーを見て3日目にして勝負ありかと思ったが、後半落として首位と2打差3位Tで最終日へ。個人的には鈴木愛か、吉田優利の久しぶりの優勝をみてみたい。

【最終日】牙をむき始めた葛城
サンデーバックナイン、選手は例年どおり葛城に苦しめられた(それでも風は通常より優しめか)。その選手たちの苦しみが画面から伝わってくるからか、今日1日はなんだかとても長く感じられた。首位から出た鶴岡果恋は風の洗礼を受けて、today+7、13位Tで4日間を終えた。この過酷な条件下で回った最終日最終組の経験は、必ず後に活きてくる。次のチャンスにはもっとうまく振る舞えるはずだ。さて、一時首位に5人が並ぶ大混戦となった本日、優勝に値するプレーをしていたのは穴井詩ささきしょうこ。序盤からことごとく簡単ではないパーセーブを繰り返した2人。フロントから穴井のセーブにはオーラが漂っていた。圧巻はささきの16H、ほぼOBからのパーセーブだ。スコアで並んだ2人だったが、18Hで穴井が見事バーディーをゲットして、ささきの結果を待つ。そしてバーディーが必須となったささきが最終ホールへ。フェアウェイ真ん中から第2打をグリーン手前まで運ぶ。ここから2打で決めなければならないというしびれる緊張感の中、3打目をピンそば50cmにピタリとつけてバーディー。勝負はプレーオフへともつれ込んだ。ささき吉本ひかるに敗れた明治安田生命レディスに続き今季2度目のプレーオフ。この時私は吉本の初優勝を願ってしまったので、今回はささきを応援しようと決意。PO1はお互いパー。PO2、ささきの第2打がピンまで90yのバンカーへ。しかしここから第3打がピンそばへスーパーショット。一方ガードバンカーに入れた穴井ささきとほぼ同じ距離にピタリ。今日1日の2人が凝縮されたようなプレーに観客の拍手がやまない。
勝ったのは、見事そのバーディーパットを気合で決めきった穴井詩。4年ぶり通算4勝目。彼女の持つ技術だけではない何かが優勝をつかみ取ったのだろう。2度の大きなガッツポーズがそれを表していた。片や、またもPOで敗れてしまったささきしょうこ。だが今日の彼女のプレーへの賞賛が失われることは決してない。間違いなく今季一番の勝負だった。

最後に、表彰式後のインタビューでの穴井のコメントを公式より引用させていただく。

「必要がないところでクラブを大きく振ってしまう。今年は方向性を重視する。そのためにアドレスから見直した。パワーコントロールです」とテーマを掲げ、実践中。平均飛距離は約15ヤード、マイナスとなったものの、「それは仕方がないこと」と割り切った。
その成果は今季のパーオン率が示す。今大会を終えて、3位へ躍進。驚くべき進化である。今年は年女。もっか35歳だが、「もっと、ゴルフがうまくなりたい。終わりなんて、見えません」。続けて、「複数回優勝。年間獲得賞金1億円。公式競技も優勝したい」と目標がある。

JLPGA公式より

●怒りの山下美夢有、おそらく次勝つのだろう
●失意のささきしょうこ、がんばれ!次戦は山下と勝負だ
菊地はお休み。

優勝の瞬間。穴井の男前ガッツポーズ。


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