そうそう。
記憶が間違っていなければ、正倉院の宝物庫に収められた藍染めの生地は、1100年経ってもいまだに動いていたとか。藍染めは菌の活動による染色であり、故に発酵による様々な恩恵が得られることが期待できる。僕が数ある中から藍染めを選んだ理由だ。ちなみに柿渋も同じ理由でセカンドチョイスだ。
で、藍染めの染料を染められるようにするには、藍の葉についている還元菌の働きを活性化させる。その還元効果は平均して1〜3ヶ月で終わる。
それは還元菌の死を意味するのだとつい思ってしまっていた。それだと正倉院で動き続ける菌と矛盾してしまう。
そこでいま一度整理すると、藍を染められるよう還元させているのは還元菌の働きだが、厳密には菌の働きで生み出される還元酵素の働きなのだ。
還元酵素が出なくなるのは還元菌の死とイコールではないのかも知れない。であれば染められた藍染めに菌が生き続けていることも、また藍の薬効と呼ばれる効能が持続することも納得できる。
酵素は出なくなるが還元菌自体は生きている。
それがいまの仮説だ。
これまで「染まらなくなる」は「藍の還元菌の死滅」だと述べてきた。
ちょっとそれは違うのかもしれないな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?