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さかな~道ならぬ鯉


ひと度、ふた度、み度、夜を迎う窓に映る少女のくちもとでは、白いクリームがいったり来たりしている。

白かったクリームは、都度に色を変え形を変え、最後は蟾蜍となる。然うして跳びはねた行く末は、池のなか。

 
 
然うして、蛙はさかなの口のなか。
少女はさかなのくちもとで笑う。
 
 
 
ぽーん、ぽーん。

窓の向こうでは、ガリレオが時を駆けてゆく。
月の大きく開いた夜。つづく