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さかな~道ならぬ鯉

赤い靴の少女は、ふたつ前の駅から乗車したのだという。
駅までを母親の手にひかれやってきた。
 
 
 
来る途中に靴を買ってもらったの。
履いていた靴はもう駄目だからってお母さんがいうの。
とても気にいっていたし、まだ履けたのにね。

そう言いいながら少し寂しそうに少女は足をぶらぶらとさせていたが、

その赤い靴をとてもよく似合っていると、
さかなが褒めると少女は少しはにかんでみせた。

わたしの赤い靴とあなたの赤い目はとてもよく似ている。つやつやで、ぴかぴかで。
 
 
そう言うと少女は窓の外を指さし。
ほら、あのお月様みたいでしょう。

少女の指の先には赤い月のゆらいでいるのが見えた。つづく