2019年5月の記事一覧
百死にたいと呟いた、ただ
それだけで気楽を得た。
左手にそうでもない世界を掬って、みぎてにどうでもない世界を吊り下げて、天秤の計を眺む。
さりとて悪くも善くもなく安堵する。
左手は死にたく、みぎては足掻くようなものだった。
ひとは、なにの結末を期待するのだろう。目下、わたしは鎮静を知りたい。
薔薇は己れの棘で死ぬ
それは薔薇として死ぬのか、棘として死ぬのか。
薔薇になってみないことには解らないが、わたしは薔薇ではないので知れないのだろう。
どのみち死ぬだけだのに。
それほどまでに薔薇にも棘にもなれやしない。
なにものかでいなければいけないことも見つからない。
薔薇は土を選んでいるわけになく育む。
棘は薔薇を選んでいるわけになく正直だ。けれど、
それは枯れる。
痛かったね。
それは一