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NI Massiveの勉強部屋④センターウインドウ#2 LFO

今回は前回に引き続きセンターウインドウの続きで、モジュレーションページのLFOのセクションを見ていきたいと思う。

まずモジュレーションページ内の緑で色分けされている部分はAssignable Pages(アサイナブルページ)といい、LFO、Performer、Stepperの3種類の中からモジュレーションソースを選択できる。

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モジュレーションハンドル(タブヘッダーの右にある小さな十字マーク)を使うと、モジュレーションソースを希望のタ ーゲットパラメーターへ割り当てることが可能だ。次に各コントロールを一つずつ見ていこう。

モジュレーションソースの選択

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アサイナブルページでは右上がドロップダウンボックスになっており、画面のLFOのほか、Performer、Stepperの3種類からモジュレーションソースを選択できる。その左に「Mono」というチェックボックスがあるが、これは発音しているボイス数に関係なく、出力するモジュレーションソース(LFOならLFO)を1つ(Mono)だけにするかどうかを決めるコントロールだ。オンにすると、異なるボイスに対するモジュレーション変化を「同期」させることができる。

LFOの速度、同期、アマウントに関する設定

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左ブロックのコントロールは以下の通り。Syncのオン/オフで表示されるコントロールが変わるため、まずはLFOをプロジェクトのテンポなどにシンクさせるかどうかによってSyncを選択してからそれ以外のコントロールを調整しよう。モジュレーションソースをマスタークロックや外部シンクに同期するにはSyncをオンにする。

Syncがオフの場合のコントロール:
Rate:モジュレーションの時間的変化/速さを調節でき、テンポにとらわれず自由に揺れ幅を変更可能
Restart:ノートを受信するたびにエンベロープを再トリガー(つまり毎回エンベロープが同じポイントから開始する)
Amp:LFOを送信するアンプ(音量)のアマウント。右に振り切ると100%、左にふれば振るほどかかりが浅くなる。最初は右に振り切っておき、必要に応じて左に回して調整するのが良いだろう

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Syncがオンの場合のコントロール:
Syncをオンにすると上記の「Rate」の代わりに「Ratio」と「Pos」が表示される。その他のパラメーターはオフの時と同じだ。

Ratio:テンポなどクロックに対するモジュレーションの時間的変化/速さを分数で調節。例えば1/4だとモジュレーションの周期が4分音符分になる
Pos:モジュレーションソースを(クロックではなく)ソングポジションに同期

LFO波形のモーフィング

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MassiveのLFOページには2基のLFOが搭載されており、単独で使用することも、エンベロープのSustainステージのように2つの波形をモーフィングして(ミックスして)使用することもできる。XFade Curve(クロスフェード曲線)フェーダーを上に振り切ると上のLFO、下に振り切ると下のLFOが適用され、中間は両者の中間値だ。

LFO波形のオフセット

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2つのLFOの波形は縦にディスプレイされており、ドラッグすることによって波形をずらすことが可能だ。同じ波形を選択していたとしても、XFade Curveにマクロを割り当てて自動でずらすようにすれば、揺れの周期が不規則になり面白い効果が得られるだろう。

LFO波形の選択

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Curve Selectでは、4種類の 基本的な波形(sine、sawtooth、square、triangle)のうちからLFOの波形を選択する。ちなみに下記のようにドロップダウンボックスにはより複雑な波形も用意されているので、こちらも必要に応じて選択可能だ。

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LFOへのエンベロープの適用

「Internal Envelope」というコントロールでは、LFO自体にAttackとDecayで構成されるエンベロープを適用することができる。揺れ方が有機的になるので、行く雑なサウンドメイクをしたい人には特におすすめだ。

ちなみにこちらはその名の通りLFO内部専用のエンベロープなので、アサインできる対象は「Rate」「Amp」「XFade Curve」のみとなっている。LFO以外のパラメーターにハンドルをドラッグしてもアサインできないので注意しよう。

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まとめ

MassiveのLFOコントロールは、2基あるLFOをモーフィングによって波形をミックスできるという点と、内部エンベロープによってLFO自体にADSRでキャラクターをつけられる点が魅力だ。通常のシンセでは得られないユニークな効果が得られるので、ぜひ試してみてはいかがだろうか。



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