「富士山噴火の想定被害 御殿場は2時間で火の海、日本は東西分裂」
2021/07/06
TONOZUKAです。
富士山噴火の想定被害 御殿場は2時間で火の海、日本は東西分裂
以下引用
今年3月に静岡、山梨、神奈川の3県などでつくる富士山火山防災対策協議会は富士山噴火のハザードマップを改定した。改定では、溶岩の噴出量予測を2倍に引き上げるなど、噴火規模の拡大が想定された。 【図解】吉田口付近を流れ富士吉田市で幅数100mに広がり、第四保育園などを飲み込む富士山溶岩流。川沿いに数キロ流れることをMAPで示す。他、57日で小田原などへの到達を示す富士山ハザードマップも
過去、山梨側で発生した最も大規模な噴火が、864~866年に起きた貞観噴火だ。山梨県鳴沢村に位置する長尾山から13億平方メートルの溶岩が流れ出したと考えられている。青木ヶ原樹海は、この際の溶岩の上にできた森林地帯である。山梨側から見た富士山は文豪・太宰治や井伏鱒二が愛したことでも知られる。太宰は、富士河口湖町の茶屋に滞在して『富嶽百景』を描いた。 河口湖をはじめとする富士五湖は現在でも観光地として名高い名所だが、山梨側の側火口から噴火した場合、富士五湖にも溶岩が達し、湖の形が変わる可能性がある。他にも、富士急ハイランドや富士スバルライン、中央自動車道も溶岩に埋め尽くされるかもしれない。火山学の権威で京都大学名誉教授の鎌田浩毅氏はこう話す。 「ハザードマップは、溶岩がさらに遠くまで流れれば、最終的に神奈川県相模原市まで到達する可能性があるとしています」
静岡側と山梨側が同時に噴火する可能性も
東海道新幹線に乗り、三島駅付近から富士山を眺めると、7合目あたりの山体に大きなヘコミを確認できる。1707年の大噴火で大量の火山灰を噴き出した「宝永火口」である。JR三島駅北口を出て左手にあるバスターミナル付近には、1万1000年前に噴出した三島溶岩(厚さ3mほど)が現在も残っている。これから起こる噴火で、宝永火口をはじめ静岡側から溶岩が噴き出した場合、溶岩が富士市や御殿場市などで東名高速、新東名高速を寸断し、三島駅付近などで東海道新幹線の線路を飲み込む可能性がある。 「噴火後は広範囲にわたって火山灰が降り積もり、飛行機などの空路での移動は不可能になります。さらに新幹線と高速道路という“東西の大動脈”が完全に断たれてしまう」(鎌田氏) 溶岩は噴火から2時間以内に御殿場市、富士市、富士宮市を襲い、最大で駿河湾まで流れる可能性もある。
もし富士山が噴火したら…火山学“権威”が被害予測
以下引用
世界各地で火山が次々と噴火。これらの動きは日本でも、桜島や阿蘇、諏訪之瀬島など次々噴火。活発的な火山活動が各地で起きています。
そんななか、今年3月、富士山噴火の被害を想定したハザードマップが、17年ぶりに改定。これまでの想定をはるかに超える可能性が指摘されています。
■“富士山噴火”の可能性…被害予測は拡大
向かったのは、静岡県の「富士山樹空の森」。ここで、火山学の権威、京都大学の鎌田浩毅教授に話を聞きました。
鎌田教授:「(Q.ハザードマップ何が変わった?)平安時代です。864年に貞観噴火という噴火があったんですね。調べてみると、溶岩の量ですね。それは、江戸時代の宝永噴火をしのぐものであったということで、それでNo.1のマグマを出した量からハザードマップを全面的に書き換えようということになったんです」
これまでのハザードマップは、1707年に起きた宝永噴火をもとに作られていました。しかし、864年の貞観噴火の溶岩量が、その倍だったことが分かり、最悪の事態を想定し、改定されたのです。
鎌田教授:「では、そちらにあるジオラマをご覧下さい。噴火口が44カ所から252カ所に増えたんです」
実は、富士山は2000年間、頂上から噴火していません。側面やふもとにできた噴火口から、マグマを噴き出してきたのです。
これまで、その噴火口は44カ所とされてきましたが、最新の研究で、その5倍以上の252カ所からマグマが噴き出す可能性が出てきたのです。
鎌田教授:「(Q.被害は?)最新の想定では、溶岩が神奈川県まで流れ出るんですね。火山灰が出るんですけど、それが東京、首都圏に広くざっと、経済被害は2兆5000億円に及ぶと計算されているんです」
しかし、富士山は本当に噴火するのでしょうか。富士山が見える山梨県河口湖まできました。
鎌田教授:「(Q.ここから見える範囲にも噴火口が?)そうなんですね。富士山の右側見て頂きますと、ちょっと小さい丘があるでしょ。これ全部噴火口なんですね。それで、今見えているのが4つありますよね。ちょうど右から2つ目の長尾山が貞観噴火の火口の1つなんですね。ここから大量の溶岩が流れて、青木ケ原樹海を作ったわけです」
鎌田教授は、最悪の場合、広大な青木ケ原樹海を作った噴火と同等量の溶岩流が街を襲うとしています。
鎌田教授:「江戸時代の宝永噴火は200年間マグマをためて噴火したんですよね。今回は300年マグマをためているから、単純計算すると、江戸時代以上の噴火が起きるかもしれない。(地下は)マグマでパンパン。噴火スタンバイ状態です」
問題は、どこから噴火するか分からないこと。噴火口が広範囲に存在することが分かった今、多くの噴火パターンが想定され、被害も大きく変わるといいます。
■富士山周辺を襲う「空振」「火山弾」「溶岩」
山梨県の富士吉田市は、富士山からわずか10キロほどということで、富士山がはっきりと近くに見えています。
鎌田教授:「(Q.富士山の近くではどんな被害が?)爆発的な噴火が起きますと、まず『空振』と言って衝撃波が起きるんですね。ひどい場合は、ガラスが割れますね。それから火山灰と一緒に『火山弾』という弾丸、つまりマグマの塊が降ってくるんですね」
富士吉田市を襲うのは、中腹から噴火する場合です。マグマは最短2時間で到達。東富士五湖道路を寸断しながら、市の中心地を飲み込んだ後も、流れ続けると予測されています。
鎌田教授:「(Q.前兆から噴火の時間は?)一番最近の例で、痛ましい例は、御嶽山の噴火なんですね。それは地震が起きて11分くらいで噴火が始まったんですよ」
御嶽山では、2014年9月27日午前11時41分に火山性微動を観測。そのわずか11分後の、午前11時52分に噴火。58名の命が奪われました。
恐ろしいのは、火山弾や噴石だけではありません。
鎌田教授:「溶岩って熱いんですよね。1000度とか900度あるので、全部を焼き尽くしながらきちゃうわけです。イメージとしては、自転車なら逃げられるくらい。歩いていたら追い付かれる。これまでは10時間という想定だったんですけど、それが2時間でくるかもしれないと早まっている」
鎌田教授:「(Q.溶岩流はどの辺りまで押し寄せてくる?)これまでの(2004年の)ハザードマップだと、静岡県と山梨県が溶岩流の被害を受ける県とされていたんですけど、今回、もっと遠くまで行きまして、神奈川県が加わったんです」
■“富士山噴火”の被害…東京への影響は?
富士山噴火のマグマが神奈川まで。その被害とは?
富士山から約40キロの小田原です。今回発表された新たなハザードマップには、この辺りのエリアも追加されました。酒匂川を伝い、溶岩流が流れてくると予測されています。
ただ、流れてくるものには、もう一つ“厄介なもの”が…。
鎌田教授:「それは泥流なんです。富士山の近くに大量の火山灰が積もるでしょ、雨が降ると小田原の酒匂川を通って太平洋まで流れたわけです」
1707年の宝永噴火の際には、火山灰が酒匂川の底にたまり、半年後の台風で下流の平野部が大洪水に襲われました。
鎌田教授:「復旧しても、毎年流されちゃって、田畑もね。それで小田原藩はついに領地を幕府に返上したんですよ。それが戻ってくるのが、50年から70年後でね。その間、常に泥流が流れ続けたんですね」
当時のようなことが今起これば、上下水道が機能しなくなるのは必然です。
もう一つの溶岩流到達地点、富士山から60キロほど離れた神奈川県相模原市にやってきました。奥に、薄っすらと富士山の山頂が見えます。
鎌田教授:「(Q.溶岩流はここまで押し寄せてくる?)今、見えているのは丹沢の山地ですけど、そこをすり抜けて相模原までくるわけですね」
相模原に到達する予測は、富士山中腹からマグマが噴き出す場合、川沿いを流れ、山梨県大月付近で中央自動車道を飲み込みながら、丹沢山地をよけ、60キロ離れた相模原まで押し寄せるのです。
鎌田教授:「(Q.この先にある東京は?)江戸時代の噴火だと、噴火自体は2週間くらいだったんですけど、1カ月以上、火山灰で江戸の町の人たちは苦労したという記録も残っているわけです」
鎌田教授:「(Q.火山灰とはどんなものか?)火山灰はガラスのかけらなんですね。砕いた細かいガラスがですね、大量に降ってくるんです。まずコンピュータが止まるんですね。電子機器は細かい塵に弱いんですね。ということで、電気水道ガス、全部ライフラインが止まってしまう」
火山灰は偏西風に乗り、東京の空を覆います。灰は送電線に積もりショートさせ、各地は停電。首都機能が失われるという予測もあります。
富士山噴火は、南海トラフ地震と連動した過去も…。地震とともに警戒が必要です。
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